2024年7月11日木曜日

京の夏、汗をかきかき考えたこと

前回のブログで掲載し損なったコロッケを揚げてくれる肉屋さん。コロッケ八十円はこの界隈では相場のようで、素晴らしい! 前回紹介したように「時に残されたスポット」らしくトタン壁も錆びてなかなかうらぶれているが、この「大映通り」、かつての映画の最盛期にはおおいに賑わいパチンコ屋も5軒あったとか(なくてよかった。勿論あったら引っ越してくることはなかっただろう(笑))。現在の映画通りは前回紹介したような変わった店ばかりでなく、フランス料理店やフランスパン屋、ワールド創作料理の店もある。いったいこの通りは今後どのように変わっていくのだろう?興味津々

 
さて、私の自慢のバルコニーからの景色**多分あまり変わることがないはず(というのはもうこの地域には高いビルが建てられなくなっているので😄)、その写真を見て、私の建物はかつての大映の映画撮影所の跡地にあるのではないかとある友人がメールしてきてくれた。その通り、マンションの建物の入り口にはその簡単な石碑がある。調べてみるとここで黒沢の「羅生門」とか溝口の「雨月物語」が撮られたとのこと。そのような場所に図らずも住むことになり感動!

 
感動はいいが、ともかく暑い。といっても今朝起きて百円ショップで買った温度計を見ると26度。温度計が狂っているのか私の身体が狂っているのか。私のアパートは6階でそれなりにいい風がはいってきているのに、長年ヨーロッパの夏に慣れた、かつそもそもあまり汗をかかないはずの私の皮膚からじわーっと汗が出てくる。
汗をかくのは私のみでなく私の海水ドローイングもそうなることがあって!*(塩の結晶が水分を吸って水滴になる)、実際日本で展示するのは文字通り冷や汗ものなのだが、近年すごく乾燥した南仏プロヴァンスやそれなりに湿度が高い地中海の島とか、異なった場所で制作し、その作品をまた異なった場所で展示した経験から、ひょっとすると塩の結晶の湿度に対する耐性が普遍的な物理定数ではなく、結晶ができた場所の温度・湿度に関係しているのはないかという気がしてきている。つまりプロヴァンスの乾燥した気候でできた塩の結晶は日本の湿度の前でタジタジとなるが、日本の梅雨の下で生まれた結晶は同じぐらいの高湿度はなんのそのではないかと(そうでなければ結晶ができたことすら筋が合わない)。
 
実験作品、一部拡大
そこで少し実験。友達にもらったシチリアの岩塩(これがどんどん水に溶けるので少し驚きだったが)、それと墨がないのでフランスの友達に買ってきてくれと頼まれて既に旅行カバンに入れられていた柿汁を代わりに使って単純なモチーフを描いてみた。数日前にできた結晶は雨を待つような今日の湿度にも耐えている。だから梅雨の日本で描けば天下無敵の作品ができる! だが逆に作家本人の方が危ない:ヘナヘナで単純な小さなモチーフ以上のことは今のところできそうもない。
 
 
関連投稿
 
* 汗をかく私のドローイングに関してはドラ・マールの家での展覧会前夜の事件
 
** バルコニーからの180度の展望はコチラ 

 

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