2025年7月1日火曜日

充実のヴェニスの報告

Rapport de mes activités à Venise en mars (période de séjour : du 17 au 31 mars). 
Si vous ne comprenez pas le japonais, veuillez regarder la vidéo ci-dessous.
 
遅くなりましたが3月のヴェニスの報告(滞在期間:3/17〜31)
 
2022年8月にイタリアのエルバ島 が第1回目、続いて23年6月に第二回目をブルターニュで開催した「水」のテーマのフェスティバルの「アクアムール(Aquamour)」*、今回は飛躍的大躍進でヴェニス!!! それも飛行場を降りたら自動歩道に沿った壁にアクアムールの宣伝がズラーっと並び、こんな派手なことって私には生まれて初めてだからきわめて単純に気分高揚。私どころか企画のBさんもビックリ!

Bさんが連携を組むことになった大きな組織の会長さんともローバジェット・フライト(笑)で出会い、飛行場からこれも生まれて初めてのタクシーボートでまたまた気分高揚。ヴェネチア本島に着く頃には夕闇の帳が下り、ボートを降りた運河沿いはどこかもわからぬままBさんの後を追って歩いたらユーモラスな感じもする白い巨大なライオン像が突然目の前に現れた。その横には海神ネプチューンがずっと控えめにおり、これがアルセナル(軍港)の入り口と知ったのは翌日になってからだった。つまり私とBさんの宿(2部屋のアパート)はサンマルコからずっと東の運河を入り込んだ庶民的地区で(といえるかどうか?オーバートゥーリズムで実際には本当の庶民は大陸側から通ってくる)、ともかく観光客は中心街とは比べ物にならないほど少なく本当のヴェニス発見(?)
 
かつ私は作家としては一番乗りしたので私はその翌日から荷物運びを手伝うはめになり、小さなボートで朝も晩も運河を移動(車のないヴェニスの物品輸送はボート頼り)、乗ったことのないゴンドラも乗る必要はあるまいというほどヴェニスの路地道である水路側からの「水の都」も楽しみ、どうも今まで違和感を持ち続けていたこの街がはじめて「また来てもいいかな〜」と、、、つまり好きになった。
 
で、展示の方はというと、あなたの壁は3x4mぐらいと言われていたので大きな作品を二作並べようと思っていたが、問題は輸送。タカを括っていたのだが結局誰も車で行く人はいない。自分の自信作をチューブに入れてイタリアへ送るというのは紛失破損の可能性を考えると全く考慮外(日本の宅配のようには全く信頼できない&美術品専門の輸送会社に頼む予算はないし)
 
そこで思ったのはフライトの荷物に入るサイズのドローイングをアッセンブラージュして大きな作品にする。ちょうど5月の修道院の個展の展示作品のチョイスすることもあって昔の作品も色々引き出して見ていたから、「これはもう飾らんな〜」というドローイングの数々を破ってパーツを制作(?:これは描くよりよっぽど速い😅 ただし少しは加筆したものもある)、そしてどんな感じになるかアトリエの床に並べてシミュレーションした。我がアトリエの床はブルーなのだがこの背景色は白い紙片を浮き立てるし、それ以上にヴェニスの運河を思わせる効果があるではないか! それをちゃんと写真を撮ってパーツに番号を振った。
 
もちろん現地でその通り作れるはずも作ろうとも思わなかったが、右の「設計写真」を見た展示スペース担当者には「さすが日本人」といたく感動され、、、本当に何が他人を印象付けるのかはわからないものだ。
 
会場は長く使われていなかったかつての町工場跡でレンガ壁の状態はボロボロ、ロールペーパーを垂らして青の背景色を作るのは大正解だったが、その巻紙は日本のお店で瀬戸物などを包むために使われていた細かく切れ目が入っていて形状が変わるもの代物。波みたいにもなるから使えそうだなと目をつけた→アーティストは毎日ブラブラ何もしてないと思われるがちだがいつも制作のことを考えている人種なのです。百円ショップでもあったけどひょっとするとこれは日本にしかないかもと買って持って帰ったが計算を間違ったか完全に壁を覆うには足りなさそう。ネットで探すしかないがフランス語でなんと表現したら見つかるのかと頭を捻り、、、見つけました papier d'emballage en nid d'abeliile 蜂の巣型包装紙というんだって!(でも実は日本でもそんな名前だった😅) クラフト紙製しかないから青にするためスプレーを買って、でも一缶では足りなくて、、、なんてことを出発前日までしていてやっとこさ着いたヴェニスでの前に書いた飛行場の広告は一際感動だったのだ。(後談になるが、実は街の中には広告皆無で関係者以外で知る人はいない。すごい一大イベントのように見えるがこのようになんかちぐはぐな不思議なフェスティバルなのだ)
 
展示の話に戻ると、2日はかかるつもりだったのが壁は言われていたほど大きくはなく、また会場での手伝いもあってほぼ半日で終わってしまった! 

 
 
 
この作品はヴェニスの人は明らかに私が運河と埋立地のヴェニスを意識して作ったことがわかり、また関係者には新たな企画で挑戦だったので驚きがあり概して好評だった。 
 
そして2週目はアーティストが持ち回りで毎日展示会場にいなければならなかったはずが、ちゃんと若い学生さんが雇われていてそれからも解放されほぼ完全ヴェニスでのバカンスになったのだった😄 
 
 
ここで自己中にならぬように同じ部屋に飾られたアーティストの作品を紹介すると:

 
(上)Paolo della Corte彼は写真をラグーンの水の中に何日も浸からせて色々なものが付着するにまかせる 
 
(下)Perrine Angly:私と同様彼女も毎回出展だが、前回とは違うトレーシングペーパーの両面にドローイングした作品を窓に貼った。
 

会場風景:真ん中は Federica Tavian Ferrighi のラグーンの島で育てた草木で染色して作ったドレスのインスタレーション
 

 先に書いたように今回はブラブラ街を歩き回り
 
 
 
消された落書きが微妙

美術館には行かず教会めぐり
 
 
サンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ教会(Basilica di Santa Maria Gloriosa dei Frari)
のティッチアーノの巨大な「マリア昇天」
 
 




ここにベリーニの聖母子像があったのが1993年に盗まれたそうです(Madonna dell'Orto 教会) 
イタリアらしいというかこの空の額になぜか感動(多分現代アート病に毒されてているからかも?) 

 

大発見は Scuola grande di San Rocco のファンタジックでかつ力強い木彫群でした!


 

今回は遅れた報告なり見応えあったでしょう (笑) 

 

参考過去投稿: 

エルベ島でのアクアムール

ブルターニュでの第二回アクアムール 



 

2025年6月16日月曜日

修道院の個展での仲野麻紀さんの即興演奏

(La vidéo de l'intervention musicale de Maki Nakano ci-dessous)

 

昨日に続き修道院の展覧会の最終章:

無事に開催できた5月22日の展覧会場での仲野麻紀さんが即興演奏

麻紀さんに初めて出会ったのは何十年(?)も前のこと、彼女がオペラ座界隈、日本人シェフの影山さんが作る一味違う韓国料理の店「キムチ」でアルバイトをしていた時。いつもサービスをしているVさんが骨折をして急にピンチヒッターとして登板した。「へーえサックスね〜」てな程度の会話だったのだが一度聞きに行って見たら古い渋みある光沢のサックスから時の重みを感じさせるような深みある音が奏でられて驚いたのだったが、最近は昔より軽やかな飛翔感が出てきたような気がする。 
彼女は北アフリカ、ブラックアフリカのミュージシャンとの共演も多く、それどころかアフリカからミュージシャンを日本に連れていって公演を企画したりするというヴァイタリティの持ち主。音楽のみならず旅行をしては各地の料理を学び精通し、音楽、料理。社会問題をおり込んだ本も書くし、俳句も作るし、かつ最近はネットラジオも放送する大変な才女。
 
 
かつブルターニュに住んでいるしで、いくら彼女が好んでいろいろな場所・状況で即興しているにせよおいそれと「会場に来てボランティア演奏して」とは言い出しにくいのだが、彼女から逆に提案をしてくれてとても嬉しかった! それが前々回書いた「許可問題」でしょ、はらはらさせられましたよ。
 

ところでその最初の出会いを作った骨折したVさんは今回初めて私の作品を見に来てくれてたのだが、いつも焼肉を食べながら酔っ払ってはケタケタ笑っている私しか知らないから作品が意外だったらしく「本当にあんたが描いたのか?」と何度も尋ねられておかしかった。
そういう印象を持ったのはVさんだけではないだろうから、それだけでもちゃんとした展覧会やった甲斐がありました😅
 
ははは、これが今回の展覧会の結論です
 
 


修道院での個展の記録ヴィデオ Video record of a solo exhibition at a monastery

前回あげたYouTubeビデオを改良したいと思った。
I wanted to improve the YouTube video I posted in previous article. 
 
そもそも展示の様子を動画で撮っただけでは全く面白くないので、アフレコでコメントでも加えようかとも考えたがやはりちょっと大変すぎる(時間の問題)。そもそも最終日の5月27日からもうほぼ3週間も経とうとしているのでそろそろピリオドを打ったほうがよい。基本的にはどんな場所にどの作品をどう飾ったかという自らの記録。でも多少は興味を持って見てくださる方にもなんとか3分17秒の最後まで付き合ってもらえようにできないかと腐心して少し写真を加えて編集してみましたが、、、
 
Simply filming the exhibition wasn't interesting at all, so I thought to add narration through voice-over, but that would have been too much work. Almost three weeks have passed since the final day on May 27, so it's time to close the chapter. Basically, this is my own record of how I displayed which works in which locations. However, I tried my best to make it engaging enough for those who might be interested to watch all the 3'17", so I added some photos and edited it ...
 
あまり期待しないでみてください 😅 
Please don't expect too much 😅
 
 



 

2025年5月19日月曜日

パリの修道院での個展

フランス人のお兄さんがエレキギターで演奏をしているコンサート、そこに大遅刻して行ったのだが、驚いたことに大きなホールに観客が誰もいない。そして彼は一人で淡々とちょっと感傷的なインスタルメンタルの曲を弾き続けていた。「これじゃーだめじゃん!」
 
コンサートが終わって彼と一杯飲みながら話した。客がいないなんてまずは企画側の問題じゃないの? * 私は文句を言うべきと思うのだが彼はそれほど落胆もしていないようだった。実はこれは夢。夢のことなのでそれ以上詳細は思い出せない(夢でなくても最近記憶が危ないのだが)、、、これは今の個展で来場者待ちする私への教訓だろうか?
 
今度の木曜日のクロージングパーティーでサックスの仲野麻紀さんが即興演奏してくれるのだが「まさかその前兆って事はないだろう?」と思いつつの昨日の朝、メッセージを見たらお坊さんとアーティストの間を取り持つアソシエーションから「場所が修道院だから許可が出ないと音楽はできないのよ!」 とクレームが来ていた!
 
順序よく話すと今私はドミニク派の修道院で私としては未だかつてなく大きい個展をしていて、その会場は中庭に面した回廊。壁はたくさんあるが全体が見晴らせる大きなホールではなく長い廊下といったものなので、プロムナードするということを頭に描き、かつ決められたスケジュールが作品運搬の次の日がもうオープニングということもあり、事前にかなり作品の選択と構成を熟考。
 
結果はなかなかいいんじゃないか〜(いつもの自己満足。でもなかなか満足しない性格なので本当にいいのです)
だから大勢の人にみてもらいたいんだけど〜、これはいつもながらどうしていいのかわからない。自分で良い良いと言っても信じてもらえないから、、、 😅 
 
sns上では既に沢山出してますがこんなので(これ一部)
 

 
全体は次のビデオをご参考に
 

 
でも写真は写真。もうあと1週間のみ。こんな立派な展示はもう一生できないかもなんて思わないでもないです。
 
ところで先の懸案の音楽許可は無事おりました。
 
 
一応情報:
 
「こんなところにこんなもが」という近所の人も知らない「ドミニク派受胎告知修道院」の住所:
 
222 rue du Faubourg Saint-Honoré, Paris 8e 
 
5月27日まで10時から19時まで日曜も含め毎日オープン 

 
* 注:修道院は僧侶用と社会救済的な住居を含んでいるからワンサカ人が来るようになったら困ると言う側面があるでしょう。建物の前を通っても展覧会があるとは気づかないし、ひょっとしたら教会に入ってそのまま迷子? 逆に教会の中にはポスターがあってそれで来た人もいた。英三の作品に会うのは針の穴を通るように難しい😅

2025年4月10日木曜日

ブログ更新ゼロ記録の更新

 最近全くブログ更新できません。ヴェニスのイベント報告もトラウマに生きる女性作家たちの作品を見つつ最近思った「ルイーズ・ブルジョワは美術史上最強の少女ではないか?」という珍説も新しい個展の準備で珍しく心を亡して(=忙)なかなか書けません。29日に個展が始まったらゆっくりと???

 



 

 

2025年3月2日日曜日

命の次に大切なものをなくした〜

日頃「命の次に大切なもの」と言っている「滞在許可証」、こともあろうにこれを落とした!*

携帯にモバイル搭乗券なるものがあり、家からパリの空港まで荷物を運んでくれるANA+クロネコの「手ぶらサービス」なるものを利用しているのでゆっくり羽田に到着、ANAの機械でモバイル搭乗券を読ませたら「存在しません」というような答えが出てきて、変だなーとパスポートを引っ張り出しスキャン。でも答えは同じ。さっぱりわからんから近くにいた係員に尋ねたら、ははは、そこは国内線カウンターだった! 
国際線は2階でそこで同じことを機械相手にしようとしたらモバイル搭乗券が入ったメールが見当たらない。どうも携帯の変なところを触ってしまったようだ。pcには入っているが、、、で紙の搭乗券を出してもらうことにした時には場内で「パリ行き最後の搭乗受付です」なんてアナウンスがあって、今までの余裕はどこぞに消え、慌てて「人のいるカウンター」へ。まあ私にはこの方がよっぽど楽だ。
 
荷物検査などを通過しゲートに行きつつふと気がついたのはいつもパスポート入れに一緒に入っている滞在許可証がない。服のポケットにもナップサックのポケットにもない。国内線でも国際線でも機械に読み込ませようと思った時は絶対にあった。そのあとパスポートを出したのは紙の搭乗券をプリントしてくれたカウンター。その時もあった。
 
情報センターに行って探してもらったが落とし物にあがってきていない。青ざめてしまったがともかくはパリ空港までは行くしかないよな〜、命はあるのだから。
 
フライトのゲートの係員にまたこれこれしかじか、、、なんとその間に落とし物情報が上がってきた! あーやれやれ、その後数分で手元に届いた。関係者の皆様に感謝の言葉がありません🙏
 
パリに着いて入国審査でこのいわくつきの許可書を出したら、我が内心の安堵も知らぬ審査官に「スゴイってどういう意味だ?」と尋ねられ、ああここはフランスだと実感!この気楽な審査官も滞在許可証なくしてたら厳しい尋問するのかな???
 
ところでパリまで勝手に運んでもらった旅行鞄だが、フライト前日にクロネコから「コロコロが壊れまして、、、」という電話があった。当然一つなくなっているのだろうと思い込んでいたのだが出てきた鞄にはコロコロがちゃんと4つある。きつねにつままれたよう。報告を受けていた空港係員がコロコロを入念にチェックしてみたところ一つが引っ張ると浮き出すことがわかり、あーこれか:つまり知らなければそのまま引っ張って行けそうな不具合。クロネコさんは修理したら代金を払い戻してくれるということだったが、パリの13区の中華街で買った素性の知れぬ既に何年も使ったこの鞄、修理するほどのことがあるのか甚だ疑問。空港側はここで修理するという。でもすぐにはできないから同じようなサイズの鞄をもらいこれに荷物の入れ替え。空港係員も私同様の疑問を抱いたのだろう 「この鞄を引き換えにして古いの廃棄してもいいのですよ」 私「いいいいそれで!」 

文章で書くと簡単だがその間書類も書かされ、色々待ち時間があるからこの成り行きは時間にすれば30分以上。
 
実は私の使う地下鉄14番線も空港からの近郊線も夜間ストップするという情報をもらって最後の最後に4時間以上の長い待ち時間のある(なぜこんな便を選んだのか?もちろん少し安かったけど。それで着くのが遅くなる)フランクフルト経由便から直行便に変更したのだが、空港係員が手薄になる夜10時半過ぎに着いていたとしたらどうなっていたのだろう? それに滞在許可書なしでヨーロッパの国境フランクフルトに着いていたら?? 
変更料払っても変えて良かった〜😅
 
というわけで全て結果オーライ。
企業宣伝など滅多にしない私だが「手ぶらサービス」ってのは本当に素晴らしいです。
しかしそんな便利な日本で一層ボケボケ状態になっているので気を引き締めねば! 


* 注: 滞在許可証は普段はなくすと大変なので必要な時以外持ち歩かないようにしている。
外国人は常にも持ってねばならないことになっているが、警官に要求されても彼らは住所氏名からドキュメントにアクセスできるので顔写真と照合され生年月日ぐらい尋ねられて終わりだ。(それもパリ市内で平常時なら滅多にないが)
このマリアンヌ像の入ったチップ入りのカードはブログにも写真紹介済みだった(笑)


内容とあまり関係ありませんが:
これはモスクではありません。旧横浜税関。建築細部も面白い。私大昔に初めて船で渡航した時こんなところを通ったかな〜?
 

2025年1月26日日曜日

若冲めぐり

前々回(12月30日)に書いたオペラハウスギャラリーの松谷さんの回顧展も最終日に滑り込みだったが、先週の日曜日も最終日に滑り込み。こちらは京都嵐山の福田美術館で、私の今の日本の拠点からすぐ近く。しかしこの展覧会のタイトルはとてもとても変だった:
 
 「京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!」
 
これってマジ? 私のような者は行く気が萎えてしまうが、これで若い人が呼べるのか??? そういえば昔「絵画史上最強の美少女」とか書いてある宣伝にもびっくりしたが、、、。何でも笑えればいい? 日本国は謎だ。
 
でもこの展覧会に行った人がFBに写真を上げていてこれが「マジ」そうな展覧会で、、、だから自転車で行きました(嵐山は太秦からすぐ。でも表参道みたいな感じのすごい人だからいつも敬遠していた)
 
若冲は綿密な描写の華麗な色彩画で知られるが、この展覧会では水墨画が多く、つまり当然白黒で筆使いも大胆、個人的には私の海水ドローイングも通常のテクニックとは違うとはいえ水墨画の一種(?)だからこちらの方がずっと興味をそそるし、参考にもなる。右写真の魚のうろこ、濃い墨が先で後で細筆でスイスイと墨を吸い取ったのだと思うけどどうやったのかなー? 若冲の発明みたいなこと(=その時代に彼以外できる人はいなかった)解説に書いてあったけど。
 
若冲に多大な影響を与えた清の沈南蘋(しん なんびん)の花鳥画を広めたと言われる、今まで私は知らなかった鶴亭浄光という長崎出身の坊さん絵描き(かつ彼には号が幾つもある)の水墨も紹介されていたが、大胆で非常に面白い(リンクのインスタの最後に7枚目と8枚目)
 
 

 

「激レア…マジ?!」ばかりか福田美術館は客引きに必死のようで、コピーよりはオーソドックスだがファン参加型でかつ副館長さんが「エモイ」なんていう私のよくわからない言葉を使うyoutubeも作っていた。
 
 
 
そしてこの開館5周年という新しい美術館、桂川の名勝渡月橋を眺めるこんな綺麗なカフェもあるのですよー。
宣伝してるようですが、実は「一体ここ何なのかなー」とますます不思議に思ってウィキで調べたら創始者の福田さんは取立てが厳しくて問題になった民間金融業で財を築いた人だとかで、、、
 
美術品の価値は下がらないけど、う〜むですね。
 
 
この若冲展の話を美術通の友達に話したら「相国寺の承天閣美術館の若冲の襖絵も見なさい」と教えられ、早速美術館をググって見ると「この展覧会も終わるではないか!」
いそいそと今日見に行ったのだが、茶具が並び何だか変だ。それもそのはず、私が見たのは去年のこの時期の「若冲と応挙」という展覧会の情報だった! 
でもここには若冲の手になる鹿苑寺(金閣寺)の大書院の一部(壁や畳、床の間など)を復元して展示していて、これは移動不可なので常設。つまりその2つの大胆な水墨の大襖を堪能して戻ってきた。これは撮影不可だったので承天閣美術館を紹介したこのリンクをご参考に。これがいつでもみられるというのはいい!
 
最後に福田美術館にあった変わり者の禅僧の白隠慧鶴(ウィキ)の掛け物「金棒図」 。もうこれ現代美術ですね♪
禅 vs コンセプチュアルアート は面白い企画になると思うけど
 

 そう言えば7年前若冲の代表作パリに来たのです。大人気でした。その時の投稿はコチラ