2017年6月12日月曜日

「赤旗」に載りました

6/1の赤旗の「ひと」の欄に載せてもらいました! こう上手に紹介してもらうと自分のこととは思えませんねー。


「忘れられた土地に、、、」は、昨年7月に書いた「不思議なえにし」のエピソードのアルプスでの作品のことです。

1週間空くとブログも書かねばなーと思うのですが、今日は写真の記事を読んでもらえば良いことにして完全なサボリです(笑)。

2017年6月6日火曜日

マキャベリ マクロン

マクロンのスターキャスト:人気環境相ユロと有名出版社の文化相ニセン
ご存知の様にマクロン君が39歳で大統領になった。

彼がどこまで大統領選を読んでいたか私には謎だが、今になって昨年夏以降を振り返ると、右の共和党も左の社会党もそれぞれの政党支持者たちが選ぶ統一候補者*では、支持層の批判が過激化しており、左の右派、右の左派(つまり中道より)は絶対に負けると彼は見ていたのは確かだ。だからあっさり党を去った。 (特に社会党は右寄りの労働自由化改革路線で支持者は圧倒的に不満、それに反し党内の政治家の「不満層」は少数派だが路線が違いすぎて党内の統一政策が作り得ないので)
一方フランスの選挙は候補者一人を選ぶので大政党用にできているので、従来
政治家は共和党と社会党の二大政党に属していたが、内実はそれぞれ一党と言えないほど意見に隔たりがあり、左右の統一候補者がその左極、右極になると両党とも中間に「候補者について行けない政治家たち」が溢れ、それを引き込めば政府はできるという算段。
それは想定はできても「議員が今までの支持基盤を誰が捨てるの?」であるが、今までの中道派とが「良心的政治家が政策でまとまる」という理想をを掲げて失敗して来たのに対し、マクロンは政策を掲げず、「右でも左でもない」「政界の改新」というビジョンで二大政党に揺さぶりをかけて出た。

だから内閣閣僚は「右からも左からも」。かつ選挙戦末期に支持に回った中道政党も忘れてはならない、でもそれだけでは「旧体制の温存」になってしまうから民間人の起用。そして当然男女公平。
口で言うのは容易いことだが、この三つの「半々」原則を公約通り守った政府を組閣した手腕には私も脱帽。だって例えば首相は原子力ロビー出身なのに環境相は元ジャーナリストで地球温暖化をめぐるCOP21でも重要な役目を果たしたと言われる人気エコロジスト、経済には共和党の労働規制緩和の急先鋒がいると思うと労働大臣は35時間労働法を作った政府での顧問だった民間畑の女性と、意見がおおよそ合いそうもない人たちを一つの政府に入れ込んだから。彼らは将来上手く行かなければ今まで属していた派からは「背信行為」あるいは「日和見」と侮られ、政治生命終わりでしょ。よっぽど上手に乗せない限りそうは簡単に承諾しないはず。

社会党はオランドの不人気と党内左派のアモンが統一候補になったことで既に自然崩壊を始めていたが、共和党は妻子の架空雇用の疑惑があるフィヨンを最後 まで支持したことで選挙には負け、道義的に申し訳が立たない(フィヨンの救いは「国民の裁き」としての選挙に勝つ以外にはなかった)ので亀裂が明らかになっていた中、かつサルコジ、フィヨンを支持してた人間が財務大臣に抜擢されて、党内の規律など取れない状況に。かつ今まで順番に階段を登って首相、大統領を目指していた来た40-50歳の政治家たちを一挙に「上がり」にしてしまった。

そして大統領当選前まではマスコミの寵児だったが、就任後は壁を作り、報道をずらしてじらせたりして、自分が一段上の存在と知らしめている。

かつメルケルにはほぼ寵愛の情を感じさせるほどの歓待を受け、トランプとは(おそらくビジネスライクに話して?)熱い握手をし、プーチンをビビらせ(?)、国家元首らしく世界を舞台にアピールし、多分国内の人気も上がっているのでは? というのも彼の新しい「共和国前進党」は「零」からの出発にもかかわらず、来る国会選挙で過半数を取りそうな勢いらしい。かつ選挙後どんな政策が打たれるかは曖昧なままで、、、、前述のような内閣のメンバーだから、良いところを取れば誰もを期待させうる? この見事な権謀術ぶりはマキャベリズムの名に相応しいのでは。

マキャベリは「君主には運命を引き寄せるだけの技量が必要である」と述べたらしいが、マクロンは最近君主然としているし、その言葉が当てはまりそう。

ここまで「先見の明」と「手腕」を見せられると、凡庸かつ軟弱な私は「心配するより『君主様』に少し思うようにやってもらったほうがいいのでは」と思わないこともないのだが、彼のヴィジョンは典型的な「勝ち組」の思想で「富の再分配」なんてまったく考慮されていない。「勝っただけ喜んで税金を払う」という私の「スポーツとしての資本主義」に耳を傾けて欲しいな〜。これと脱原発がクリアされたら私もマクロン支持にまわるかもよ☺


(*注:厳密には社会党、共和党以外も制度に賛成した政党が含まれ、かつ党支持者でなくとも投票権が容易に得られるがそういう投票者は少数。この例の様に私のブログでは話を簡単にするため色々略して話させてもらっています)


後記:マクロンは大学でマキャベリとヘーゲルについての論文を書いたそうです。知らなかった。。。


マクロンが登場する過去の投稿 :
働くべきか、働かざるべきか? 悩ましき日曜日(2014年12月28日日曜日)
開幕前夜の攻防(2016年6月10日金曜日)
これが…だったなら(2017年3月30日木曜日)
最後の直線コース(2017年4月15日土曜日)