エクス島(Ile d'Aix)の滞在はなかなか面白かった!
毎日海岸を歩き、スケッチをしたり宝物(=貝殻や穴のたくさん開いた石)を探したり、天気が良くて遅ればせながら今年初の海水浴もできたし、、、それに我が人生初めての経験としては、「転がる牡蠣」を採取してほぼ毎日それを食べ、、、
「転がる牡蠣」とは島で習った言葉 "les huîtres roulantes" の直訳。普通は岩にしっかりくっついている牡蠣が何かの拍子で落ちたり、養殖場から波にさらわれたりして海岸に達し、岩の間の水たまりに転がっているものがそれで、私はこれを拾いに行くのが島滞在後半の毎日の日課になった(笑)
エクス島の海岸の多くは浜辺にも岩にも牡蠣の貝殻にあふれていて、牡蠣が沢山いたから養殖が始まったのか、養殖があってそれから流れて牡蠣が海岸にいっぱい生植することになったのかよくわからないが、オイスタースポットは岩肌が牡蠣だらけ。それに私と趣味を同じくする海鳥たちがたむろしているからすぐわかる。もし岩から牡蠣を剥がすハンマーナイフみたいなものがあったらあっというまに膨大な量を取れるだろうが、それのない私は水底を観察し、海藻の下をまさぐり「転がる牡蠣」を拾う。
| こういう岩と岩の間の水たまりに転がる牡蠣がいる。沖に見えるは後述のFort Boyard |
牡蠣は自然に幾つもがくっ付き合う習性があって、そんな複合体や海藻やフジツボがいっぱい付着した野性味あるものなら結構簡単に見つかるが、商店に並ぶような平らな単体の牡蠣を見つけるのはなかなか難しい。しかしその変な牡蠣を開くのが結構面白かった(実は「牡蠣が島の名産だけれど私は開けられない」というこの島でアーティスト・レジデンスをできることになった友人画家に言われて「それでは」といつも使っている牡蠣開け用ナイフと手袋を持参してレスキューに行ったのだったのだ😄 その時点での牡蠣は養殖業者で売っている牡蠣だったのだが、、、)。毎日やると変形牡蠣を開くのも結構早くなる。けれども薬局すらもない小島で怪我するとやばいので慎重にゆっくりと眺めて楽しみながら:そんなに数食べられないし→一応これは前菜で毎日その後に炭焼きのバーベキューが待っているので。
と書くと別天地だが、実際には島の住民があまりにも少なすぎてか、港で漁師が魚を売るとか、島で野菜を栽培直売する店もなく、これにはがっかり。 島唯一の小スーパーの価格はべらぼうに高く、島民も島のレストランもすべて大陸で買い出してくるようだった。私がよくお邪魔するユ島(Ile d'Yeu)のぐらいの大きさがあり、ある程度の市場規模がないと現地直売経済が成り立たないことを実感した。 つまり私の牡蠣拾いは生活防御だったのだ😅
牡蠣の話はこの辺にして以下少し島の説明 :
エクス島がどのぐらい小さいかというと:人口は200人足らず、弓形をしていてその端から端まで3km、幅も600mしかないので、2〜3時間もあれば徒歩で一周できてしまう!
島の名前からフランス人でもエクサンプロヴァンス(通称エクス)の名に惑わされて南仏の島だと思うのだが、パリから南西に向かった大西洋岸の都市ラ・ロッシェル La Rochelle から船で1時間強(もっと海路の短い他のルートもあるが不便で自動車族用:島内はノーカー、観光客は大陸の駐車場に車を置いていくシステム)
ユ島もそうだが、フランス南西部は13世紀以降イギリスの侵入を受けた地方で、この島も大陸を防御するための要塞が築かれた。そしてアラン・ドロンとリノ・ヴァンチュラ主演の映画「冒険者たち」や、フランスではテレビの競技娯楽(?)番組で有名な、これこそまさに要塞島のFort Boyardも東海岸の沖にある(以下の観光局のヴィデオをご参考に)
歴史のエピソードとしてはワーテルローの戦いで破れたナポレオンが南大西洋のセントヘレナ島に送られる前に滞在し、ナポレオン博物館なるものもある(牡蠣拾いで忙しく(?)私は行かなかったが)。
| 勇壮ないでたちで小海老を撮りに来た漁師たち。でも網の中を見せてもらったら1匹だけ。趣味なのかな〜? |
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| これはオイスタースポットの反対側の長い砂浜 |
上空から撮影された観光局のヴィデオです
こちらは私のデッサン。インスタ京巴ページに投稿中で他にもあります

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