アニメになったラヴー邸の娘アドレーヌ。誰かに似ている? |
ご存知の通り(?)私は特にゴッホファンでもなくて、とはいっても「袖すり合うも多生の縁」以上の関係があり*、今回の飛行機の「預かり荷物」の中にはゴッホの亡くなったオーヴェール(Auvers-sur-l'Oise)の上記の「ラヴー邸」(Auberge Ravoux)、現在は「ゴッホの家」として史跡観光地(?)となっているが、その私立財団「ゴッホの家」が発行した分厚い本が入っていたのだ。
ゴッホの家の館長さんに出発の数日前に会って本を渡され、「日本でゆっくり読んで感想を送ってくれ」と申し遣わされ私は感想文を書かねばならないのだ:でもただの感想(笑) それが飛行機でこんな映画に出会おうとは!!!! それこそゴッホの家の館長さんに報告せねば!
実は以上すでに飛行機の中で大体メモ書きしていたのだがそのままになっていた。年を越すのもなんなので今日掲載。調べたところこの映画の邦題は「ゴッホ、最後の手紙」(フランス語タイトルは Passion Van Gogh)、この映画の特に面白いところはゴッホの絵の渦巻くタッチが異なる何人もの作家のタッチの連続というプロセスを経て常にうねり続けることになるという通常のアニメでは到底考えられないゴッホ的(?)ビジュアル効果を生み出している点だ。これは次の予告編でも十分わかって頂けるだろう。それに登場人物が何かしら今の有名俳優に似ているような気がしてこれも面白かった。飛行機乗ったら是非探してみてください
*注:「多生の縁」というのはは、このゴッホの家が荒廃していたラブー邸が「ゴッホの家」として1993年に開館した時のパンフレットと呼ぶには立派すぎる小冊子を縁あってこれを私が和訳したことによる。このゴッホの家の館長さんは大食品企業に勤めていたベルギー人ビジネスマンでラヴー邸の前で交通事故を起こし入院、その入院中にゴッホとテオの往復書簡を読んで感動し、それこそ運命的な「不思議な縁(えにし)」を感じて会社を辞めてラヴー邸を買って修復しオープンした。つまり彼も死したゴッホに魅入られた一人なのだ(笑)
「ゴッホの家」には「場所」があるだけで絵はない。世界のゴッホ教徒にはそれも神道的でいいのではないかと思うが館長さんはなんとかオヴェールで描かれた一枚を飾りたいと夢みかれこれ何十年も奮闘中。
今これを機に手に取った「宿題の本」を開くとアムズテルダムのゴッホ財団の財団長ヘリング女史は「この部屋で各人は夢想し自分のお気に入りのゴッホの絵を壁にかける…夢見ることを学ぶ」といみじくも書いていた。ゴッホ教徒などと馬鹿にしてはいけない。夢見る人たちなのだから。
さて話は変わりついでに書くと、フライト前パリで最後に見た展覧会はあのカイユボット展(参考:私の同展への投稿)。その中の彼が一作しか描かなかったと言う女性ヌード、あの下着がポッと捨ててあるあの無造作な配置、それに当時の絵としてはとんでもなかったあのふさふさした「恥毛」、ありゃなんじゃいな?と気にかかっていたのでもう一度見に行ったのだが前回に比べて大変な来場者数でその方にびっくり。まさかジェンダー視点の穿った絵の見方が人気の理由ではあるまいな〜?
そして日本に来て最初に見たのはパリを拠点とする日本人作家の松谷さんの東京のオペラシティーギャラリーの大回顧展(最終日)。ポンピドーセンターの個展も以前見ているが、それが比べ物にならないほど大規模かつ包括的な展示で、予想をずっと超える圧倒的な素晴らしさだった! 衰えることなきパワー、お見それしました😅
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