2014年3月31日月曜日

毎週のデッサン?

最近「毎日のデッサン」がほぼ「毎週のデッサン」になっている。一つの理由は3月20日の「死海の水」、随分今までと勝手が違うので観察をしているところ。
第一に乾きにくい。右の写真は28日のデッサンの一部だが、下にあるプクッとした水玉を見て頂きたい。3日間こんな風で変わらない。乾いているとは思えないので触れない。デッサンは板に貼付けて描いているので結局紙を替えられない。
それに大きな紙がまたあと2枚しかない。例によって「私の紙」はお店でも品切れなのだ。だからのんびりと。

ところでこの日本語ブログの統計を見ると、ヒットの数が圧倒的にフランスが日本より多く、それにほぼ同じぐらいでアメリカが続く。これは一応「読み物」なので、日本の方にもっと読んでもらいたいのですけど、、、。ちなみに「毎日のデッサン」の方も仏米のほうが圧倒的に多いのですよ。
母の仁王立ち

注:今日の記事の内容は毎日のデッサンと同じ


市町村長選挙速報

私が選挙速報をしても仕方がないのだが、水曜に少し書いたのでそれに関係した結果のみ。全国的には右の前回2008年と今回の比較グラフを見てもらえば一目瞭然、先週日曜の一次選挙の結果がそのまま裏付けられた:ピンクが左派、青が右派

パリはエコロジストと組んだ社会党イダルゴが勝利。全国的に見るとこれは大例外。コシゥスコ=モリゼは自分の出た選挙区でも負けてしまった。よかった。

もう一つの例外?はアヴィニョン、極右(FN:国民戦線)が第二位につき、右派も候補を下げない3党並立のもと、社会党が19年ぶりに返り咲いた 。アヴィニョンはご存知の通り「演劇祭」で有名だが、FNが勝ったら演劇祭はアヴィニョンではやらないと演劇祭ディレクターが宣言。気持ちは分かっても、一応FNも選挙制度で認められている政党だから、こういう「脅し」はどちらが非民主的なのか分からないと思うのだが(止めるのは極右市政が表現の自由を束縛したときでよい)。だから逆効果ではと思ったのだが、演劇祭で食っている人も多いからその効果があったのか? どうも最近私の民主主義概念と、左派あるいはヨーロッパ派とのそれにずれがあって、、、

メナール新ベジエ市長(写真は2008年東京にて)
こんなことを書いているとサルコジが道を開いた「新反動右翼」と思われかねないが、正真正銘の「新反動右翼」は南仏の人口約7万のエロー県の中心都市の一つであるベジエ Beziers の新市長メナール Ménard。この人は若い頃は極左(まあこれはよくある話だが)、その後ジャーナリスト、特にNGO「国境なき特派員」の代表としてつい最近までテレビラジオで活躍、世界での「表現の自由」を代弁していたのが、今や「報道の自由の最大の敵はジャーナリスト」との警句?を吐き、「80%FNの政策に合意する」とし、党員ではないもののFNと提携し47.3%の投票率で当選した、ちなみにここはおぼつかない得票率だった社会党候補が降りずアヴィニョン同様三党並立、FN当選の際にはトゥーロン市のラグビーチームが予定されていた親善試合を取りやめるという宣言のおまけ付きだった。
多分これが「極右進出」の最大のニュースだろうが、FNは昨晩10市町村長を獲得した。

どういう政治をするのだろうか? 市民の不満は主に失業問題、簡単な解決策があるはずがない。かつてFNは先のラグビーのトゥーロン、オランジュといった大きな町の政権を担ったが、すべて財政スキャンダルなどで失敗、FNへの幻想を砕くのはやらせてみるのが一番かも。

ともかく与党社会党の大敗で内閣交代が取り沙汰されている。どうせ数日で答えが出るのだろうから予想しても仕方がないと思うが、いったいこんな時に総理大臣になりたい政治家がいるだろうか? おそらくマトモな人は拒否する。私の「とっちゃん坊や」への進言は「捨て牌で昔の嫁さんのセゴレン」 。彼女(2007年サルコジに破れた大統領候補)、先はないし、何か無茶苦茶だし、坊やよりカリスマあるし、、、本当にそうなったらお笑いですが、この予想は絶対外れるはずです。



2014年3月28日金曜日

不思議なギャラリー

先日不思議なギャラリーに行った。

知りあいから送られて来た転送メールの案内状、ちょっと面白そうだったから画廊サイトを見ると、ポン・ヌフ(「新橋」でもパリで現存する一番古い橋、というのはガイドで読み飽きているでしょうが)に近い有名なドーフィーヌ通りだ。だから番地をメモして行ったところ、ショーウインドウしかない。幸いオープニングの日だったから「関係者風」の帽子のお兄さんに「これだけなのかなぁ?」と尋ねたら、建物の裏側、つまりポンヌフ左岸側の広場に戻り、そこから人影もない車が入れないような細い路地の一角にある小さな古めいた空間に連れて行かれた。
そしてその展示がまた2/16のシュールリアリズム展で触れたような、写真のごとき「キャビネ ドゥ キュリオジテ(Cabinet de curiosités)」風な展示法だった。ここはスペース自体風変わりだし、展示作品もシュール風。話を聞くと50人もの若い作家によるドローイングの数々なのだが驚くほどの統一性を見せている。面白かったからまた友達を連れて来ようと思ったら、何と普通は開いていない「予約制」(これではエイゾウ美術館と同じや!)

作品の中に一つ真っ青な長方形があった。これはイリス・クレール(Iris Clert)画廊のイブ・クライン展で、クレールがクラインに送ったDM(1958年?)で、お兄さんが額を壁から取って、裏側の宛名面を見せてくれた。(クレール画廊と何か関係があるようなことを言ってたけど、何だったか忘れた)ともかく私はクラインさんとは縁がある。

実はパリでは今週ドローイング・ウィーク(なのに私のデッサンは日の目を見ないでグッスンなのですが、、、)、少しは付き合いで色々見ましたけど、ここInlassable Gallerie(直訳「飽くなき画廊」の作品は面白かったと思う。今週のみならず5月1日までこの展覧会を開いて(?)いますので、興味があったらサイトのコンタクトからメールで訊いてから行って下さい(あるいは私に言ってもらえば写真のお兄さんの携帯番号をお教えします)。
ドーフィーヌ通り側のウインドウ。左の穴も覗くこと

2014年3月26日水曜日

フランス地方選挙の狭間で

日曜日はフランスでは地方選挙があった。オランド君はご承知のように人気がないし、サルコジ後の野党(UMP)は結束に欠け、経済と各種スキャンダルへの国民の不満は極右に行くであろうと誰もが想像していた。その上盗聴調査で切れてしまったサルコジ君は選挙直前に検察を「東ドイツの秘密警察の手口」と、口が滑ったなら品のない彼のことだから予想はつくが、新聞上に書くと言う、政治生命の終わりとしか思えないことをしでからし、それをコッペ書記長以下野党の多くは弁護した。だからこれで野党も終わりと私は思っていたのだが意外に健闘、コッペなんかは65%の得票率で地元で楽々当選した(またまた私の予想外れ)。一番の選挙結果は第一投票で小さな町の市長一人が生まれるほどの歴史的な極右の大進出だ。これは私は想像に難くなかったと思うが、野党が息を吹き返し、「緑の党」も票を伸ばした。つまり社会党の一人負け。予想された敗北だが、地元の政治家への信任が歯止めになると思われていたのだが、全く堰を切れたようになった。オランド大統領の不人気がここまでおよぶとは、、、。

パリではドラノエ市長(社会党)が引退し、部下のアンヌ・イダルゴが後任として立候補、それに対する野党はサルコジ政府の大臣だったナタリー・コシゥスコ=モリゼ、つまり女性二人の対決になったが、ドラノエ市長の業績は大方良い評価がされており、野党はパリ独自の分裂もあり、選挙戦は盛り上がらないままイダルゴ女史が簡単に当選するものと思われていた。しかしこれもオランド不人気の所為か(?)番狂わせ、第一投票ではコシゥスコ=モリゼが得票数では上回った。ただしパリは各区の区長選の結果で市長が決まるので、今度の日曜の第二次選挙では「緑の党」との連帯もあるのでイダルゴさんが予定どおり当選するはずなのだが、、、(注:大統領選挙同様、第一次で投票数半数を誰も獲得しない場合は第二次選となる。その間に政党間は協約を探る)

大昔写真入りでブログでナタリーさんを取り上げたので、私は彼女のファンとの誤解があるかもしれない。サルコジが一目置くほどなので私も一目置いていいたのは確かだが(2011/10/9参考)、やり手の彼女の「攻撃的性格」が今回は形勢の悪さで激化、ドラノエ市長の功績は全面否定(パリの自転車ヴェリブは私の人生を変えたのに)、他のことならまだしも、私の理解の範囲の「文化政策」も:例えば画期的だったパリ市立美術館の入館料の無料化を、「若者や労働者層に門戸を開く」としたのに効果を上げていない。地下墓地カタコンベやノートルダムの納骨堂(ともに市営)は有料でもその社会層を引きつけているという、比較にならない「施設」を比較して批判する屁理屈を「政策プログラム」で展開している。エジプト美術から印象派まであるプチ・パレ美術館とか、パリの歴史のカルナバレ美術館とか、それなりに見るものはあるとしてもルーブルやオルセーとは格が違いすぎる。タダじゃなかったら観光客か研究者以外誰が行くだろう? 無料のお陰で私は通りすがりに、あるいは友達に面白いものを見せようと気楽に入れるのだ。それにプチ・パレ美術館は地下展示室の素晴らしい改新工事をした。ナタリーさん、きっと行ったことないんだとよ。でもこの間美術展案内で書いた「ヴィクトル・ユーゴの家」に関しては彼女、大改革するつもりらしくて、、、。つまり美術館のことだけでも私はコシゥスコ=モリゼに市長になられたら困るのだ。

しかしイダルゴの方は今週まで何もしないでミスなくそのまま当選という戦略を選んでいたので、何が政策なのかは私は全く知らない☺ 写真を見ているとどちらの女性になってもコワソウですがどうでしょう?(左がナタリー、右がアンヌ) 昔ドラノエの取巻きで「勝手にしやがれ」のジーン・セバーグみたいな可愛い娘がいたんだけどな〜(発言はコテコテの左翼だったけど)

2014年3月20日木曜日

死海の水は半端じゃなかった

L'eau de la Mer Morte est arrivée. Elle est extraordinaire, on voit déjà les cristaux au fond de la bouteille !!! Bien sûr c'est pour le desin à l'eau de mer.
 
私の「海水ヘルプ」に応えてお友達のお友達が汲んでくれた死海の水ウィキ、やっと手元に届いた。これがやっぱり半端じゃない。すでにボトルの底に結晶がたまっている。こんなの初めて。3本貰って、お友達と、お友達のお友達と、その娘に3つドローイングを要望された。それにのって一緒に来た違うお友達、こんどインド洋に行くとかで、これもドローイング交換を希望された。(昨年7月にこの件の記載多

「夏は緊迫した欠乏状態だからドローイングと交換だったけど、いつまでもやってません」
「でも死海は夏のなのよ!」

 確かにラベルには7月採取とあるし、何せ場所が場所だから(イスラエルは絶対行かないだろう*)。
ともかくこの濃度(海水の塩分濃度が約3%であるのに対し、死海の湖水は約30%の濃度とか)が中ボトル3本だから使い甲斐はある。但しお友達の趣味は私と無縁、違うお友達は中庭で話した隣人画家の絵を絶賛、だからこれも趣味が全く違う。私としてはこれがツライところで。何れにせよいろんな人がいろんな場所の海水を持って来てくれるのは楽しいので続けたいが、交換はもう終わり。それでも持って来てくれる人には???を考えます。

* 死海、ヨルダン側もある。でも私はギリシャもポルトガルもモロッコも行ったことない出不精で、、、仕事がらみでないと全然動かなくなってしまった。最近毎日ブログが書けるぐらい暇なんだけど、、、

2014年3月18日火曜日

大気汚染警報解除

今朝ジェレミー君のことだけで書き忘れてしまいましたが、交通規制というより天気が変わった所為でパリの大気汚染警報はなりなりました。今フランス国内で一番空気が悪いのは地中海のコルシカ島だそうで、、、分からない。

 最近「分からない」の連発ですが、考えてみるに、何%という数字だけが出て来て、どうやって計測・推定するかは専門的なことだからともかく、公表されるデータの誤差がまったく示されない。私はもともと理科系なのでこれは何だろうと思う。15%±1%なのか15%±5%なのか?  誤差が大きい方の大きい方が逆に示されたデータとしての信頼性が増える場合もあると思うのだが。(しっかり知ろうと大気汚染調査機関のPDFファイルをダウンロードしたら300頁以上もあってあきらめました)

最近毎日参考にするルモンド紙のサイトでは、」東京では石原慎太郎の都政で「強い政治意思」でジーゼルが厳しく規制されPM2.5が2001から2011年で55%減少、確かに昔より東京から富士山がよく見えるような気がする。差別的暴言などでどうしようもなかった石原慎太郎、彼への再評価はしませんが、、、。

チューインガムの都会

Jérémy Laffon au Studio 13/16 dans le Centre Pompidou, où vous pourriez participer à la construction de citadelle en chewing gum : jusau'au 30 mars.

最近ずーっと「なつかし路線」だったので、久々に若い人の紹介。

友達の友達のマルセイユの作家のジェレミー君Jérémy Laffon)がポンピドーセンターの地下スペース(STUDIO 13/16)で "EXTRA!" という「エクスポ+アトリエ」を展開中。彼はチューインガムで建造物風なものを作り、加湿器をかけてそれがたわんで壊れていく様子を見せる。マルセイユの個展では大きな都市模型みたいなのを作り徐々に壊れて行くのをビデオで撮っていた。ポンピドーでは来場者参加型のようだ。

昔初めてあった時は中国の街でピンポン玉をラケットで弾まして歩くビデオを見せていて、私にはピンとこなかったが、私の好きなタイプの、日常のなんでもないものを上手く使って作品にする。この数年仏美術界の公式ルートの「登竜門的」アートセンターでのレジデンスを梯子、いわゆる「エマージング:赤丸上昇中」の作家になっています。

チューインガム都会制作キットには意外なことにセメダインがあった。私は唾で張っているのだと思い込んでいたが、それでは接合部から崩れるから面白い造形にならないのかも。この辺が私のナイーブな造形路線とは違うところかも(私が行った時はオープニングでコンサートをしていて、アトリエをしていなかったのでよく分かりません。水と筆も用意されているし、、、参加して確かめて下さい)。

3月30日まで


 

2014年3月17日月曜日

予想大外れ

皆さんごめんなさい! 私の予想見事外れました!!!

6時半頃ミテラン国立図書館前の映画館を出てトルビアック通りに出てびっくり、いつもなら大渋滞のこの通り、車がすいすいと、まるで8月のバカンス中のパリみたいなのだ。
つまり昨日書いた「プレートナンバー奇数車のみ」の交通規制がちゃんと守られた!信じられない。だいたい私が苦しがっているのに周りの市民達は全く元気そうで、警報にもかかわらず子供を公園で遊ばしていたりして、大気汚染を気にしてるらしく見えなかったのだが、、、。うーん、やっぱり警察の「市内のキーポイントで取締するぞー」という脅しが利いたのか? 罰金22ユーロなんて歯止めにならないと思ったが、確かに車がその場で動けなくされると困る。どのぐらい厳しく取り締まるかは誰も予想できなかったから??
いえいえ、きっとこれは私が「パリ市民の意識の高さ」を私が知らなかっだけ???

マイカー通勤半分がいなくなっても車の量は半分になる訳ではない。だがこのがら空き状態だ! 私の思うに道路網は許容車数があって、その閾値を越えると急に渋滞状態が発生する。おそらく何十%の車の減少で急に車の流れがスムーズになるのではというのが私の(これまた当てにならない)仮説です。

何れにせよこんなに違うときっと「もっとやろう」という気に市民がなる。これはめでたいことです。

冒頭の映画だけど、今日昼に郵便箱を見ると、役所から住宅手当が不当に支払われていたので払い戻すようにという手紙が来ていて、、、(再通告だと書いてあったが、初めてですよ〜。またまた郵便局のミスか? 先日(2/24)郵便局異常を書いた後、通りで「以前危ない窓口の係員」として私が常に敬遠していた局員が配達していたのを目撃。最近心配でなりません)、昨年収入が急に増えた事実はないし、ひょっとしたら滞在許可書の更新がなされていない2/16記から権利喪失??? すぐに嘆願書を書いたが、また面倒なことになったと気分が暗く、真っ暗な映画館へ。実は明日まで映画が3.5ユーロで見られる「映画の春」で、、、大型映画館でチョイスはいっぱいだけど見たいような映画が全くない。先週人に薦められて見たジム・ジャームッシュウィキのドラキュラの話はひどかったし(彼の映画デビュー時は好きでしたが)。消去法で残った唯一の映画は、修道院で育った孤児が成人して自分が両親を村民に殺されたユダヤ人だったということを知るという異色なストーリーのポーランド映画「イダ」でした。傑作とは思わないけど見てもいいですよ。
上映前は目を閉じたくなるアメリカ映画の予告編の連続、ちょっとほっとしたのが黒沢清の予告編。ポーランドも日本も独自の映画の歴史があって多少まともな映画ができるのか? でもハリウッドも昔はいい映画が沢山あったのにいつの間にか、、、

昨日の記載への追記:1)隣国からのPMの流入も確かにある。(どうやって測るのか不思議。TVでもドイツの石炭暖房をあげていた=原子力推進派に有利な情報です)
2)グラフは国内平均でパリの空気は10年来改善がないそうです

2014年3月16日日曜日

月曜は奇数

霧にむせぶパリ
 朝ラジオを付けたら政府はパリ近郊でプレートナンバーの偶数奇数により、明日月曜日の自動車利用を半減させる(当然例外条項は色々あるが)というニュースが耳に入って来た。パリ市内に住む私には全く問題ないが、郊外に住む「通勤者」には寝耳に水で、急に一日前に言われたってという反応は環境保護派の私にも十分うなずける。
ドライバー協会(か何か?)の代表は「排気ガスの影響は15%に過ぎないから全く意味がない。 それにPMは東ヨーロッパから西風に吹かれてやって来た」という新説(彼によれば誰でも知っていることらしい)が披露された。この東欧帰来説は私の簡単な探索では確認できなかったが、汚染の原因の割合に関しては「科学と未来」という雑誌のサイトでフランス政府が使用すると言う「大気汚染研究職業相互技術センター」のグラフが出ていた。赤が道路交通、緑が農業、黄色が住居、青が製造業、水色はエネルギー変換(?)だそうで、確かに車は15%ほどの割合。これはフラン全土の統計だからパリ近郊のデータでは車の要因は15%よりずっと高いはず。意外に農業も高く、全体での割合では技術開発のお陰で少なくなっている車と住宅(暖房)の排出とは逆に増加傾向にあり、結論は当たり前で、すべてのセクターで削減努力をということ農薬肥料の撒布をの規制強化が必要とあったが、トラクターの出す排出ガスということか撒布自体が問題なのか私には??? データもどうやって出すのか??? 縦軸はPM10の千トンスケール!というすごい量だけど、、、(拠:sciences et avenir

グラフを見るに、騒いでいる割には20年前よりは ずっと空気は良くなっている訳で、3/11記載の環境グループの「何も対策がなされていない」ための不特定加害者への訴訟の意味が私には一層分からなくなってしまった。

ともかく明日の「奇数ナンバー制」どういう成り行きになりますか? 自動車ロビーや野党からは「選挙狙い」(地方選挙が間近)だと批判しているが、自動車通勤者は反発するだろうし、混乱が起きるかもしれないし(絶対守らない人が多いと思う)、マイナスの要素の方が多い気がするけど、、、またまた私には分からないことだらけです。結局どの発言も自分を正当化することだけが目的なんですよねー。




2014年3月14日金曜日

パリ発微小粒子汚染

微小粒子の大気汚染、毎日10段階中最悪(最高?)と知らされるが、何がどういう値なのかマスコミの報道がはっきりしない。湿度などと違って上限がないはずだと思って調べたところ「検索」が下手なので苦労してわかったのは、日曜日に書いた80μg/㎥はPM10がこれ以上の濃度だと警報になる数値(寿命が何ヶ月か縮まる?!?)で、何と右の地図ではその何倍にもなっている(これは本日のピーク予想値、本当は実測値の方が見たかったが)。かつ結構体感できて、咳っぽいし、気のせいか(?)肺に痛みを感じる。

こんな具合だから流石に対策が出た。車の時速制限に加え、パリ近郊の地下鉄、バスが無料となった。これでマイカーの利用を抑えようとするものだが、私の意見では年中、ただと言わないまでも公共機関を超低料金にすべきなのだ。対策が遅すぎるという批判に対し無料化は一日400万ユーロかかるから簡単に決定できるものではないとのことだが、どうせ公共機関は維持せねばならない 。ほぼ無料となればあの「意地悪に違反を取り締まる係員」はいらなくなり、もっと創造的な(とまで言わなくともポジティブなあるいはヒューマンな)仕事をしてもらえるので大きな観点から絶対にそのまま赤字ということにはならいはず。南仏ヴォクルューズ地方のバスは以前は2-3人しか乗っていないことが稀でなかったが、なくす訳には行けないからと超低料金にして以来、私の目にも利用者の数は増えている(先月のアヴニョン、カルパントラ間は1時間弱もかかる距離なのに2ユーロ!)。私の知る限りではラングドック地方のバスもそうだった。

不思議な対策は「パリの自転車」のヴェリブも無料となったこと。私個人としては汚染環境でペダルこぎたくないけど 、、、

健康のため、遊びがてら、ノルマンディーの友達の所へ逃げようかとも思っていたのだが、地図のとおり、ほぼフランス全土50μg以上の注意報レベル。折角天気がいいのにと思うが、この汚染、好天で大気高層が暖まり、これが空気の対流を妨げるので、地上付近のPMを含む冷たい空気(結構朝は冷える)が停滞するからということらしい。

真黄色の地図の中、南の方に例外的な水色地区がある。おお何とこれは私が愛する、普通の人には「何もない」、素晴らしきオブラック地方ではないか! 春には野生の水仙が高原一杯に咲いて、それこそ真黄色になるらしい。その頃にも一度行ってみたいな〜 (皮肉なことにオブラックでは車がないとどうしようもないが)

2014年3月12日水曜日

サルコジ疑惑のカウンタ・ブロウ

昨日書いた「不特定者」への起訴がどういう結果をもたらせるのか私にはよくわからないが、この暖かい冬、フランスは「盗聴事件」でマスコミは大騒ぎ。

先ずは怪奇な「前大統領サルコジの顧問だったパトリック・ビュイソン事件」 彼が昨年の大統領選の作戦会議などサルコジとの会話をポケットに隠したレコーダーで録音していたと週刊誌ル・ポワンが暴露。それをビュイソンは先ずは否定したが、他誌が一部を公開、昨日の週間新聞のカナール・アンシェネ紙によれば録音はDVD60枚、280時間分におよぶという。「仲間同士」の会話を何のために??? そのうち本でも書こうと? ビュイソンはパラノイア? その内容は何なんだというと、当然「私的情報の保護」が働くから??? 
サルコジとビュイソン © Élodie Grégoire / Réa
カナール紙の抜粋では、品がいいとはお世辞にも言えないサルコジ君の話しっぷりですから、お仲間への悪口などもちょっとしたものだ。但しやはり明らかにこれらは私語の範疇、かつ1年前で生々しいから、大嫌いなサルコジだが可哀想でもある。280時間の録音の中にはもっと重大なことがありそうだがどうなのだろうか? 憶測のみが飛び交う。
 
そして第二は一層なんだかわからない「検察のサルコジー電話盗聴」
サルコジと彼の弁護士の電話が昨年4月から予審判事が盗聴されていたというのだ。サルコジは以前書いた「怪人タピ」の国営銀行だったクレジリヨネ売却価格に伴う疑惑、ロレアルのベッタンクール夫人からの選挙資金融資方法の疑惑、そして2007年にはリビアのカダフィから資金を受けたと言う疑惑と、疑惑だらけだから、素人の私はそんなこともあるのだろうと思ったが、弁護士とお客の間の会話を盗聴するのは、弁護士が不法行為に関わっていなければあってはならないことらしい。(弁護士以外はいいのかなあ?) ルモンド紙のこの弁護士との会話の盗聴の暴露は「弁護士のお友達の元検事総長のベ夫人の裁判情報と彼の天下り斡旋のギヴ&テークを図った」という疑惑が発端だったが、予審判事は「もっと何か出てくるのではないか」という見込み盗聴捜査となったらしい。そしてそれを法務大臣をはじめ内閣閣僚、大統領が知っていたかが取りざたされ、またまた素人の私は「三権分立だから知らないこともあるのでは」と思うのに対し、こういう元大統領に関わる捜査を知らないということはあり得ない、でなければ情報網が機能していなく無能力、それ以上に捜査に介入していることを隠しているのでは等の見解が噴出、その狭間の罠に落ちたのか、法務大臣トビラ夫人は最初「まったく知らない」と断言したのが、判事からのレポートで「盗聴」していることは報告されていたと言を翻した(本人は一貫しているらしいが)。ともかく予審判事から検察局、それから内閣への報告義務がどうなっているのか、義務がなくても心証を良くするため(あるいは政治的信条から)報告するとか、予審検事に命じられて盗聴する警察からも内務省に報告されるはずとか、実際どうなっているのか専門家の意見もバラバラで、、、。というわけで一応正確を記すつもりでいますが、仏司法制度に不案内で私の誤解があるかもしれませんが悪しからず。
問題がこじれるのは「ことの始め」の、「サルコジが盗聴されて何を言っていた」のかは捜査秘密だから、ビュイソンの録音のごとく全くわからないまま。逆に以上のように社会党内閣が窮地に陥ると言う不思議な事態に発展している。昨年4月に書いた財務大臣のカユザックの「隠し口座事件」の時もとっちゃん坊やオランド君は、知らぬ存ぜぬで切り抜けた。全く決断せず、多分「困ったなー、みんな上手くやってね〜」と大臣任せにしているのでは?というのが、根も葉もない私の憶測です。

2014年3月11日火曜日

桜満開春霞

近くの公園、満開の桜にススキという変な風情です
今年のフランスは暖かく、パリでは雪もなく(だから去年研究を始めた雪の絵はできず)、ひょっとしたら零下になったこともなかったのでは?(未確認)。年末に日本から戻ったときに気温差があって寒くてヒートテックを着たが、その着用日数は指で数えられるぐらい。寒がりで、かつ寒いアトリエに住む私は非常に助かった。でも天気は悪くて雨が多く各地で洪水が起きたことは以前書いたと思うが、先週の木曜からはずーっと毎日晴天、気温も上がり日曜日にはパリでは 21.1度を記録して1880年以来の記録を塗り替えた。

近所の公園の桜のつぼみはその前からほころんでいたが 一気に満開! 風が結構吹いているにもかかわらずパリの空は春霞みで覆われ、日本的情緒と思いきや、これは今日の日本と同様大気汚染、PMなんとか微小粒子 : 80μg/㎥で警報発令
ベルシーの橋からはノートルダム(旗の左)ばかりか近くのビルも霞み、、、

こうして空気、建築資材、農薬、食品化合物などなど各種の発癌性物質のポトフの現代生活、「今更何マイクロシーベルトなんぞ」という論法あるいは諦観がまかり通り始める。それは産業界の「すべての垂れ流し」を認める「下には下(上には上?)があるから」という「なし崩し」でしかない。今回の大気汚染に対しフランスの環境保護団体は「不特定加害者」を相手に提訴したそうだが、福島の責任は「不特定」でありませんからね。

2014年3月4日火曜日

悲しい展覧会

土曜日の夜、ダニエル・タンプロン画廊でベン (Ben Vautier:右写真のようなキャンバスに垂れるようなペンキで警句?を書いた作品で有名だが、宣伝に使われたり、確かニースの市電の駅名文字もそうだったかな? フルクサス(ウィキ)の一員)がパーフォーマンスをするというので見に行った。数年前(何処だったかも忘れたのでひょっとすると十年以上前?)、ベンの個展でのパーフォーマンスに行ったら、テーブルの上に乗って大声で叫びちらし、自分の作ったオブジェを動かしたりしてなかなかエネルギッシュで面白かったことを覚えていたからだ。ちょっと遅れて入ったら、ベンさん、黒板を横にいつもの「アートはエゴの露出の歴史でしかない」という説を熱弁中。でも昔の迫力はどことやら、何せもう彼は80歳近いのだ(35年生)。それを聞く人は15人ぐらいで、私が若い方に入る年齢層、寂しくなって同じ画廊の対面スペースで同時開催のクロード・ヴィアラ Claude Viallat 展へ。


ヴィアラは「カンバスや木枠」という絵画の伝統的基本的媒体(support)を問題視する運動のフランスのシュポール/シュルファスSupport/ Surface(現代美術用語辞典) の一員、空豆型のモチーフを色々な布地に繰り返しぶら下げるスタイルでおそらくこのグループの作家では一番のスター。今回は「新作」ということで、画廊の解説では「グラフィティーや宣伝で覆われた布に作家独自のリピートするモチーフで目もくらむような冒険をしている」とあるが、「いつもと(つまり70年以来)おんなじやー」。まあそうはいってもこういうのは「ポップアートの子供」である私には快感なきにしもあらずなのだが、オープニングにちゃんといたご本人、椅子からやっとこさ立ち上がるご老体なのだ(36年生)。弟子に制作全部やらせていることはありあり。最近見なかったヴィアラさん、またまたの「なつかし路線」だったが、とても悲しい気分になった(ベンもそうだが、それは彼らが歳をとったという事実故ではなく、作品が40数年来繰り返しという事実から。もうやめてもいいんじゃない?意外に貧乏なのかしら??あるいは画廊にそそのかされ??? あるいはベンの言う通り作家のエゴ????) 本当に作家に発展がなかったかは画像検索すれば色々出てきますからご自分で検討してください。

  
この寂しい気分を何とか盛り上げられないかと、画廊からすぐ近くの、ポンピドーで「決定的瞬間」の写真家、カルチエ=ブレッソン(ウィキ)を混んでいても見ることにした。意気消沈していたからか、「世紀の目」と評された大天才のカルチエ=ブレッソン、その大回顧展となると意外にたいしたことのない写真も多く(有名なのは皆知っているからか)、、、 私が一番目を引いたのは普通のプリントではなく、古い新聞写真が額装されていた「孤児の謎」(Le mystère des enfants perdus) というシリーズ。子供達の表情が豊かで、シリーズ(多分一月分30枚?)すべてばっちり、「おおやっぱりすごい」と思い直し、気分上昇。
実はこの1937年の新聞記事、「孤児」などというのは真っ赤な嘘、普通の町の子供をカルチエ=ブレッソンが撮って、親が名乗り出たら賞金をあげるというス・ソワール紙(Ce Soir)の宣伝だったということ。それを後で知ってますます気に入ったことは言うまでもない。この「孤児達」は滅多に見られないものらしく、ウェブを検索しても出て来なかった。だからピンぼけですが会場写真を掲載。

2014年3月3日月曜日

兎の夜

「自分の作品」を見に来る動物を隠し撮り(?)する南仏の友達ポール君(Paul Stapleton)のことを2/6に書いたが、写真は自動カメラが捕らえた兎。

まさか満月というのは私の日本人的連想。日本では月夜に兎がつきものだが、欧州では月夜といえば狼男とかヴァンパイア。語源から訳せば「月的」であるリュナティックという形容詞が、気まぐれ、もっと悪くは気違いを意味するように、月を愛でて酒を飲んだり詩を詠んだり、団子を食べたりする風習はない。

兎は可愛いので当然どこの国でも人気があるだろうが(だからミッフィーは世界制覇した?*)、日本人の兎好きは格別のようだ。秋に実家に戻った折、近くの町営図書館の「話題(書評?)の本」欄にあった「兎とかたちの日本文化」(今橋理子)という本を読んで新たにそれを思った。

私はそれまで月と兎が結びつけられるのはただ月の陰、暗い部分の形からと思っていたが、この本で次のような説話を知った:

「老夫に身を隠した帝釈天が、狐と猿と兎に食物を乞うたところ、猿と狐はすぐの食べ物を差し出したが、兎は何もなかったので自らの肉を食べて下さいと火中に身を投じた。すると老父は帝釈天の姿に戻り、火をおさめ、兎を憐れんで亡骸を月におさめた」

なかなか、兎はただ可愛いいじめられ役だけではなかったようだ。(でも兎は人生はやまったと思うけど、、、)

さて今橋さんの本では歴史的な「兎の意匠」の分析から、「兎=月、烏=太陽」という系譜を明らかにし、そして葛蛇玉筆「雪夜松兎梅鴉図屏風」の大胆な左右逆説にまで至るのだが、それは読んで頂くことにして、右の写真は私の海水ドローイングの、水に映る月を見る兎。最近の作品だが「毎日のデッサン」サイトで登場しなかったのは、描いたときは失敗と見なして新しいデッサンを描いたから(実は最近なかなか納得しなくて1日1作が難航している)。翌々日ぐらいに床に転がしていたこのデッサンを拾って見直しマットでイメージを絞り込んで「作品」に返り咲かした。
マットを使ったので既に額装済み(25x25cm)、成り行きがこうなので「お安くしておきます、だれかいりませんか?」(写真はクリックすると大きくなります)というのは「兎好きの日本人」を見込んだ、帝釈天の兎には申し訳が立たない私のさもしさで、、、。

さて最初のポール君に戻ると、彼が「公園」にくる動物の写真を組み合わせて「輪廻転生」風な短い動画を作った
https://plus.google.com/events/co6j7jsb999irfj41vb77cdvr2o/112149352822422503192/5986222368285756754
「夜の写真」のコンペだそうで、面白かったら「投票」 してあげて下さい。

*注:第一稿ではキティとミッフィーを間違えて指摘を受け、修正しました。私には同じに見えるのです

最後に、自分のデッサンと並べるのはあまりにも恐れ多いので文脈に合わせず無理に離した、私も大好きな兎の絵の「傑作中の傑作」、上記の葛蛇玉筆「雪夜松兎梅鴉図屏風」の松兎側の写真を「日曜美術館」サイト(東北に来たロサンジェルスのプライスコレクションの巻)から


Note pour les francophones : Ce paravent est dans "Price Collection" in Los Angels. Je n'ai pas trouvé de page qui explique cet oeuvre de Jyagyoku Katsu(1735-80) ni en français ou ni en anglais ...  Vous pouvez référer la page suivante à propos de Collection exposée au Japon, si ce n'est pas le sujet de mon blog : http://www.nippon.com/fr/people/e00031/