2015年8月26日水曜日

カンタグレル・トマト

今年の私のバカンス。去年とちょっとコースは似ていて、最初が仏北西に突き出たブルターニュ半島の北岸で6日間。天気は変わりやすく、やっぱり海水浴には水は冷たい。一度目は足を入れただけで退散したが、2度目は意を決して足の立たないところまで直進、少しは泳いだ。勿論知り合いの「田舎の家」に厄介になったのだが、家があるとそれなりに「休み中の社交」があり、その間を縫ってハイキングや教会巡りとなかなか忙しかった。
そしてパリに一日戻って勝手知ったる?南仏アルデッシュ地方(Ardèche)のGさん宅に5日間。プラス変更不可の格安切符の日にちを間違え、アルデッシュからローヌ河を挟んだ対岸のドーム地方にあるオリーブの産地 Nyons (日本語一般表記:ニヨンス)に一泊。

去年はGさん宅近くのハイキングコースで道に迷い、冷や汗をかいたが、そんな苦情が多かったのか今年は見事に道標が一新されており、間違いようがなく、ちゃんと昔行った渓谷まで辿り着いた。Gさんの事情もあり、彼は色々忙しかったようだが、私はおおいに暇で、良く生った庭のイチジクを食べに食べた。

そして昨日戻ったパリで私を迎えてくれたのは中庭になるユンヌ・トマト。冠詞を入れたのは「一つだけ」と強調したかったからだが、彼女(=トマト)、アルデッシュに行っている間に一気に真っ赤になっていた。

今朝は例の「銀行の展覧会」の、6日に突然事務所の工事で取り外した作品の梱包参考:このことはフランス語で告知しただけだった この展覧会企画、実は波瀾万丈で、、、まあまた書くことがあるでしょうが、別の事務所で続けて展示されることになって、明日は別の銀行事務所への搬入、明後日は飾り付けのスケジュール。

これは私の昼食の、カンタグレル・トマトとモッツァレーラ中心にあるのはニヨンス名物の黒オリーブ。今日のランチはこれのみ!!! 
 忙しいからではありません。ニヨンスは計画なしの一人旅で昼も夜もレストランで食べ過ぎ、今日は胃のバカンス。
もちろん手塩にかけた「稀々トマト」の味は、流石がカンタグレル! もう一つどころか、もう二つ三つでした☹ (黒オリーブの味の引き立て役に徹した???)

注:カンタグレルは私のアトリエの通りの名前です。それからオリーブの黒と緑は品種ではなく熟成度の違いだけであることを知りました。

愛するミラベルに続き、カンタグレル・トマトとニヨンスのオリーブ、9月の新学期を機会に日本人向けにこのように私のブログもひたすら食べもの発信にしようかと、、、思う筈は残念ながら全くありません (☺_☹)

ところで推薦されて行ったニヨンスだったが、別荘開発も進み街も大きく、あまり面白くなかった。オリーブ畑やラヴェンダー畑も私は「自然の中のインスタレーション」をしていた頃に幾度も彷徨し、もっと野趣のある素晴らしいところを知っているので、、、。
行くのならアルデッシュ渓谷の方がいいですよ(笑):右写真





2015年8月10日月曜日

ミラベルでサバイバル

サバイバルの季節が始まった。パン屋を含め、そこら中のお店が閉まり、頼るはスーパーのみ。日曜の朝市も、お店もまばらで閑散として寂しい限りだったが、、、やった〜!八百屋でミラベル発見。嬉しい!!!

「ミラベルとは何か」というと何度も書いているので過去から引用:「ロレーヌ地方名産の、黄橙のプラム系のフルーツ。8月中旬から2週間ぐらいが旬で姿を見せたかと思うとすぐに消えてしまう」

買ったミラベルは出だしだからまだ緑っぽく、少し酸っぱくて本来の甘みのある味ではまだない。今年の猛暑は味にどう影響するのか? 円熟を期待しましょう。

私のブログではめったに食べ物はテーマにならないが 、ミラベルだけは別でほぼ毎年報告。タイトルにミラベルがつく最近の投稿だけでもこんなにあった。溺愛です。

「バカンスもミラベル」2014年8月(クライマックスはミラベルのスフレ)
「頑張れミラベル」2013年9月(私が好きな理由)
「ミラベル食べ放題」2011年9月(豊作の年でした)

後記:ファンの多い緑のプラム、 レーヌ・クロードのことも書いている「ミラベルbis」もありましたので追加します

2015年8月4日火曜日

Si vous passez le quartier George V - Alma Marceau ,,,

Je vous signale que l'exposition s'est soudainement terminée le 6 août à cause des travaux du bureau. Dommage! 


L'exposition quatuor avec Meitsen Chen, Manuel Lajoa et Rizzo Picart Regis dans la banque sur avenue George V continue jusqu'au 25 août.

J'y expose une quinzaine de grands dessins à l'eau de mer, En fait c'est une occasion rare pour moi de montrer autant de travaux, donc je vous en reparle.

Les oeuvres sont exposées dans les plusieurs bureaux. Pendant les vacances d'été, je pense que les affaires se ralentissent et que les bureaux seront moins occupés que d'habitude : donc il est le temps d'y aller. Par ailleurs vous aurez peut-être plus d'occasions de passer le quartier George V - Alma Marceau avec vos amis touristes ou parisiens...


Donc voici la note pour la visite :

La banque "Barclays" : 32 avenue George V - 75008 Paris
Elle est ouverte uniquement dans la semaine : 9h-12h45 et 14h-17h, fermée le week-end et le jour férié.

Je n’expose qu’un dessin à la salle d’entrée, donc il faudra monter l'escalier au fond de la salle. Arrivant au premier étage, vous trouverez un vaste bureau lumineux dit «open office», où sont exposés 5 dessins et 2 compositions de petits dessins. Normalement 3 personnes y travaillent mais ne vous en faites pas, ils sont très gentils et il semble qu’ils aiment bien mes dessins.

L'exposition continue dans le couloir qui serpente et conduit aux plusieurs bureaux où vous pouvez entrer et découvrir  les travaux des 4 artistes, si la porte est ouverte.

Ne soyez pas intimidé par le labyrinthe des finances, j'en sera ravi, si vous y passer voir notre exposition.

Et assurez-vous que mon dessin n'est pas de produit d'investissements recommandé par la banque. 

----------------------------------------------------------
L'autres article sur cette expo : le 14/07 

2015年8月3日月曜日

楽しいフラメンコ

昨晩ピカソ美術館の庭での現代フラメンコ、イスラエル・ガルバン Israel Galván のソロダンスを見に行った。「現代フラメンコ」ってのはうさんくさいなーと思っていたが、日本の「目利き」のプロからも、フランスの知り合いからも推薦され、、、

フラメンコだからタップの音が響くよう板が敷かれて階段座席と勝手に思い込んでいたら、美術館の砂利庭が舞台。観客はその周りにマットを敷いて座るようになっている。「絶対かぶりつきだよ」と言われていたが、右翼の席はマット2列、その後に日本の風呂の椅子のようなものがあったのでそれに座った。私の様に尻に贅肉がないとすぐ痛くなってくる類いのもので、着席自由とのことだったので開演40分前に着いたから余計、案の定舞台が始まるまでに居心地が悪くなり、「地面かこんな椅子にしては入場料高いな」と思ったが、、、(今サイトを見直したらちゃんとそう書いてあった)

と少々不服気味で始まった舞台:当然かれ一人、音楽なし。音響は、ガルバンが指を鳴らす音、手拍子、胸や脚を叩く音、それに口ずさむカウント(鼻歌?)それに靴が蹴る土の音。舞台前部に黒いコードが張っていると思ったら、マイクで地面の音を拾っている。左側に靴拭きの様な人工芝の緑の小さなマットが一枚、その上で踊ると音が異なる。
砂利の上で白煙を上げ、対角線に滑べり走るかと思えば、観客の前にどっしり座ったり。でも常に身体はリズムを刻んでいる。周りの街の音や観客にも反応して笑いを誘ったり、「すべてアドリブ?」と思ったら、館に沿って金属板が置かれていて、そこで踊るとガシャガシャ音、加えて館の階段下のテラス(両方とも私の座った右側だった!)では石を伝わる音がボーンと低い音が増幅されるようになっていて、45分の踊りの後半の盛り上がりを支えていた。

フラメンコというといつもは失恋・離郷のコラソン(心)の悲痛な叫びだが、ガルバンのダンスは、調子に乗って椅子や机を跳ね回って踊りまくる初期のフレッド・アステアのタップダンスように、見ていてとても楽しい。「踊ることが楽しくてしょうがない」 というのが観客に伝わってくると言う感じ(実際はどうなのかわからないが、、、観客にも私同様のニコニコ顔がいるかと思うと、ものすごく真剣な顔で見つめている人もいたので)。

パリ祭のケースマイケルは無機質な繰り返しのダンスと思っていたのが、どろリと情念が出てきて驚かされたが、昨晩は逆にフラメンコから緊張感を保ちつつも「どろり」を抜いてひたすらリズムに身を捧げる、まさに存在しないはずの「楽しく陽気なフラメンコ」だった。音楽を使わないことにもその意図が如実に表れていると思う。

それから伝統的なフラメンコだと男性役女性役ははっきり別れるが、彼のダンスは両性具備と言おうか、かなり女性的仕草が多かった。男性役はソロの所為か砂埃の所為か、闘牛士(あるいは広くファイター)を感じさせた。

グーグルしたところこの公演に関する2分のインタビュービデオ付きサイトを発見。
http://culturebox.francetvinfo.fr/scenes/danse/au-musee-picasso-lextraordinaire-flamenco-solo-disrael-galvan-225007

ビデオでは上に書いた舞台の仕掛けもアップで見られます。金属板と思ったのは雨水溝の蓋、つまり舞台はその場に合わせて創り出している。インタビューでは「踊りながら自分の身体で自分だけの音楽を作る。こうして自分はあらゆる種類の音楽を空想でき本当に自由に踊ることができる」と言っております。しかしダンスはTV取材用のデモと本当の舞台はやっぱり違いますね。本番は靴も黒かったし(笑)。

日本ウィキがなかったので超簡単な略歴:
1973年セヴィリア生まれ。両親とも有名なフラメンコダンサーで、母方からジプシーの血をひく。98年に自分のカンパニーを設立。自由なフラメンコ解釈故に本国より海外で評価されることが多かったが、2014年にはスペインの劇場芸術で最も重要なPremio Max を受賞

ナチスによるジプシー虐殺という重いテーマも扱っており、「楽しい」と思ったのはこの舞台に限るのか、私の感性がおかしいのか? 何れにせよ感化されやすい私は昨日から、踊れなくても手足がタンタタタタタと始終リズムを刻んでいます。

しかしあの舞台、今年のパリは天気良いけど、雨だとどうしたのだろう? 企画者も腹が据わっている???