2014年5月30日金曜日

旧世代滞在者のために?

自分の近況フォローですが、最初の2つは人によっては少しは役に立つかも:

1) 昨年夏に申請した滞在許可書(10年有効の居住者カード)、今日は晴れてをやっともらえると思ってシテ島の警察本部に出頭。召喚書に「早く来るな」と書いてあったので、疑心暗鬼ながら指定の3時半の10分前に行った所、待ち時間なし。でも本日は指紋を取って終わり。カードは7月11日以降にしかもらえない。指紋を取る機械、日本の空港での自動ゲートのと同じに見える。あれは自分でやりますよねー、なんでこんなことに公務員が何人も要るのか?(係の人も本当につまらないだろう。可哀想)。ここは直ぐにやってくれたのに、何故「仮延長書」を貰うのには警察署の外で2時間以上待たねばならなかたのか?2/16参考

2)「郵便銀行」の口座閉鎖申請書、書留着信通知が来ないので郵便局に行ってみた2/24参考。「コンピューター上で配達記録されているので心配しなくていい。これは法律上も有効」という答え。ということはですねー、割増料金を取られる「着信通知付き書留」というのは前世代の遺物で、ただの書留でいいということではないですか! なくさないというのは絶対必要と信じる我々旧世代を狙った郵便局の詐欺ですねー。

3) Fishing5/26参考でインターネット口座を凍結している上に、財布消えてしまった。どう考えてもすられたり落としたりしたことはありえないし(歯医者に行っただけだ)、銀行に問い合わせても口座のお金は変わっていない。だから1日半アトリエをくまなく探したのだけど、、、あきらめました。「まさかどこかで」と不安になってくるし、現代生活クレジットカードがないと不便で仕方がない。現行カードを差止め新たに申請。ぼけたかな〜。でもこうすると普通はひょっこり目の前に現れるものだけど、出てこないのです。。。 ところでこの私の銀行、今朝のニュースでは、米国のイラン、キューバ、スーダンに対する「経済封鎖」政策を守らず取引したという罪で、米裁判所から100億ドルの罰金を科せられた。これはほぼ同銀行の1年間の利益に値するそうです。ううう

4)それから前々回のカルチエ財団 、珍しく褒めてあげたのに「毎月展示の入れ替えがある」とのこと(コレクション作品は1400点もあるそうです)。だから全然責任持ちませんよ〜 (情報源は財団企画チーフが話す次のビデオです) 注:これは27日の記事にも加筆します

"Mort à Venise" à l'eau de Lido(100x70cm)
5)珠の汗で「際物」的になりそうな海水デッサン、写真は昨日ヴェニスのリド(浜辺)からの海水で描いた『ヴェニスに死す』(注:死海の水以外では量を加減すれば最近の紀気候でもちゃんと乾く。でもあまり結晶は成長しない) 普通は使った海水の土地と作品テーマとは全く関係がない(これが弱点?);それは自分で選んだ土地ではなく送ってもらった海水だから仕方がないとしていたが、「ノルマンディー上陸70周年」(記念式典が来週)の報道で、海水の一つが上陸作戦の舞台から来ていたことを知って描いたOuistrehamの水で「D-day」を描いたが、それに続いての「ご当地もの」の第二作目。(但しそんなにピンと来るテーマはないと思うので無理はしませんが)




2014年5月29日木曜日

パーフォーマンスするドローイング

前々回の投稿で死海の水のドローイングが湿度のインディケーターになってしまったことを書いたが、じとじとするので他のデッサンと一緒に保管する訳にもいかず壁に吊るしておいたところ、連日の曇天、通り雨、低温で、なんとキラキラ光るはずの透明ドレスから玉のような雫が写真のごとく、、、。
以前「涙するマリア像」はこれで作れると推測したが、パールのような汗、分泌液が流れるエロチックな肉体まで可能だ。第一には「死海の不思議」なのだが、この透明ドレスは今までと描き方も違うのが秘技で、、、(これはエロ好みな友人アーティストに伝授しよう)
 
はじめは余白の白い所を切り取って使うつもりだったが(相変わらず紙不足。いつも行くスヌリエにも3枚しかなかったので)、このまま作品とする方がもっと面白くなって来た。でもどうやって展示場まで運搬すればいいのか? 作り方はわかったけど全体が乾くまでに1ヶ月もかかったから、現地制作もできないし、、、。

墨と混ぜたデッサンも塩分濃度の濃い所はジメジメ、これはひょっとしたら他のデッサンに悪影響を与えいるかもと心配になり、保管済みになっていたデッサンも出してみると、やはり他のデッサンより湿っぽい。結局大きなデッサン4枚、小さなデッサン1枚が、今日からどうしようもなくアトリエの壁にかけられることになった。

2014年5月27日火曜日

カルチエ財団30周記念展

冒頭注:カルチエ財団は撮影禁止なので掲載写真は必ずしも展示作品ではありません

Note: Il est interdit de photographier ni oeuvres ni gardiens dans la Fondation Cartier. Donc les oeuvres présentées ici par photo ne se trouvent pas nécessairement dans l'exposition.

つまらないことが多いので私は絶対にオープニングで無料入場するカルチエ財団だが、今回の展覧会は見応えがある。それもそのはず?、創設30周記念で、財団のコレクション作品を開陳、30年間のベストものなのだ(それでダメだとやばいですよね)。

悪口ばかり言っている私も作品やドキュメンタリーを見ながら30年間振り返ると、玄関先での蔡國強の爆竹デッサンパーフォーマンスとか、ジェローム・デシャン(Jérôme Deschamps)一座のパラードでのヨランド・モロー(映画「セラフィーヌの庭」の主演女優)の闘牛の真似は面白かったな〜とか、色々思い出しなかなか懐かしかった。

良い想い出も悪い記憶もを振り払い?、冷静に作品を見ると、地下ホールが圧巻。ど真ん中に長細いテーブルの両端に座るの人形が「ホワイト」「ブラック」とわめく喧しい、デニス・オッペンハイム Dennis Oppenheim作の"Table Piece"(1975)。(彼はランドアートの先駆けもした、アイデア豊かな面白い作家だったが、3年前に亡くなった。もっと有名であってもいいと思うのだが、、、彼のサイトをご参考に) エスニック+アウトサイダー系を展示した2012年度の展覧会から、私も特に気に入っていたインドのJangarh Singh Shyam(パワフル、カラフルな絵を描くのに3年前に37歳で日本で自殺した、、、)と民話的壁画の世界のJivya Soma Mashe。加えて米国の黒人アーティストDavid Hammonsのコンセプチュアルな「偽プリミティブアート」、それに蔡國強の大きなデッサンなど、、、「あれれ、意外に私とカルチエの趣味は合っていたのかな〜」と間違えそうになるが、そんなことはありません。タケシなどくだらない作品があっても一つ二つなら飛ばせばいいし、写真や小さなデッサンも数枚だけなので苦にならないのです(笑)。

Dennis Oppenheim "Table Piece"


Jangarh Singh Shyam
Jivya Soma Mashe
David Hammons
 昨年のロン・ムエック展の掲載写真の作品もカルチエは買っちゃいました。ボーンとあります。

会期はまだまだ9月21日まで続きます。

私と趣味が似てると感じた人は午後2時に行くと玄関右の特設デジタルスクリーンで、Pierrick Sorinフランスのローテクビデオ作家。意外に記事書いてなかったの現代美術評論パロディのビデオ、ウィリアム・ケントリッジ William Kentrige のドローイングを描きながらスライドショーにするフィルム昨年7/26で少しだけ触れています、それに前述のデシャン一座も見られます(他の時間だと違うプログラムですからね!但しひょっとすると期間中変わるのかも





最後にいつもどおり(?)苦言を: 
1)地下の一画で蔡國強が財団滞在当時のアトリエの再現をしているのだけど、その頃奥さんが描いたとても見せられた代物ではない風景画が飾ってある。蔡夫婦と財団の懐かしい思い出?微笑ましい?? やっぱりカルチエはセレブのお仲間傾向があるんだよな〜
2)カルチエ財団サイトのこの展覧会用のビデオが内容なし(いつもどおりつまらないと誤解してしまいます)30年を振り返るページもすごく重くて見ていられない(記事を書く参考にしようと思ったのに、、、)

右の写真は地上階:天井と庭の明かりは三宅一生、館内手前の丸いテーブルに乗っているのはJivya Soma Mashe同様「大地の魔術師たち」参考投稿で紹介されたBody Isek Kingelezの包装箱などで作った、未来のキンシャサの都市模型だけど、見えませんね〜。こんなの(左)です。
財団のページが上記理由で参考にならず沢山サイトを見て今回の記事は疲れた、、、(ご興味があれば各作家、グーグルすれば、張ったリンク以外にも色々出てきますから)


後期(5月30日付):珍しく褒めてあげたのにこの展覧会、「毎月展示の入れ替えがある」とのこと(コレクション作品は1400点もあるそうです)。だから全然責任持ちませんよ〜 (情報源は財団企画チーフが話す次のビデオです。展示作品も少し見られます)

2014年5月25日日曜日

釣られた魚

二日酔いで起きた朝、銀行から新しいメッセージを読んで下さいとのメールがあった。また保険の勧誘かなあと気楽にクリックしたら、いつもの銀行口座アクセスページに行ったのでクライアント番号とアクセスコードを入れてクリックしたら不明通知。「番号間違えたかな?」といつもの方法で「お気に入りページ」からアクセスすると新着メッセージなどない。ここで一瞬頭痛も消えた。fishing だ。最初のメールも銀行のアドレスとはほど遠い。普通なら簡単に気がつくのに、やっぱり二日酔いはやばい。幸い口座金額は変わっていない。直ぐにアクセスコードを変更して、少し後でまた口座を確認、ちょっと安心してまた寝直した。

それが翌日銀行から「至急電話をくれ」と留守電が入った。名前を残していた係員には繋がらず、多分fishingの件ではと伝えると、やっぱりそうで、「数日インターネットアクセスをブロックして、新しいコードをこちらから知らせる」がそれでいいかと訊かれ、承諾した。その後すぐさま今度は「本当に」銀行からメールがあり、「こういうことがあるから対fishing保険に入った方がいいのです」との勧誘だった。最近(リーマン危機以来?)ちょっとした手数料をせこくとるようになったと思うフランスの銀行、今度の口座凍結費も取られるに違いない。逃れたつもりでもやっぱり網にかかった? 何かfishingと銀行は「グル」のような気がしてくるのは被害妄想だろうか?
 
そういえば口座管理費が馬鹿馬鹿しいので書留で出した郵便局の銀行の「口座閉鎖申請」
の手紙(2/24参考)、受理証が届いてないことに気がついた。受取り拒否? これやばいです。

二日酔いもすっかりなおった今朝は朝市で鰹(といってもボニートという一匹1㎏ぐらいの写真のような「かわいい鰹」)。ボニート鰹はあまり人気がないのか、酒屋のお兄さんは知らなかった。魚屋さんは当然のごとく一匹そのままくれたが、コチラの人はそのまま天火にいれるのだろうか? 私はというと、適当に見よう見まねでおろし、だからスパっと決まらなかった細切れをそのまま刺身で食べながら、、、片身をフライパンでさっと火を入れて「タタキもどき」。味は鰹にしてはマグロに近くて、中国人経営のまがい和食店ではマグロとして出しているのではと私は疑っている(値段が1/4ぐらいだから。その方がマグロ保護のためにはいいかもしれない)。

後記(6月20日):フィッシングというからfishingだと思っていたらphishingと書くことを保健センターからのメールで初めて知りました!!!!

2014年5月24日土曜日

湿度計になったデッサン

順調にすべて乾くはずだったのに
先週の日曜日に書いたように好天に恵まれ、もう乾いた、あるいは乾くと思っていた「死海の水のデッサン」だったが、火曜日から雷雨が度々で湿度が上がり始め、水曜日の朝に見たらたら大ショック。白く結晶していた部分はまた液体状となり、墨と混ざった部分もじっとりと暗い生乾きの黒色に変わってしまった。 海水だけの小デッサンも月曜には全体が白っぽく浮き上がっていたのが、傾斜をつけて濃度が濃かったはずの少女の頭の部分が湿っている。これはもうデッサンというより「湿度計」ではないか???

暗い部分の面積で湿度がわかる?
「生きたデッサン」である「海水シリーズ」は今までも多少のハプニング例えばはあったが、こんなに顕著なのははじめて。何が違うのか? 死海の水はボトルの下に大きな結晶を固めている割に、描いた紙の上ではいつも細かい砂状の結晶しかできない。私はおそらく気温の所為だろうと思っていたのだが、先週末は夏並みの気温に上がったのに同じだった。砂状の結晶は勿論湿度の影響を受けやすいが、台所の食塩(一応海水もの)が液状になったりはしない。もう死海の組成分に原因があるとしか思えない。1か月乾かし続けたけどもう降参、あきらめます。

ところでイスラエルの女性作家 Sigalit Landau は死海で塩を結晶させた立体作品を作ってパリでも発表していたけど、あれはどうして影響受けないのかな〜??? 彼女の作品のことはまた今度(一度塩の現代アートの総括をしようと思いますので)

今日も雨がぱらぱら、気温もぐっと下がってセーター着用。士気も下がって、、、(下の写真は今朝のものです)

2014年5月19日月曜日

チャップリン尽くし 親から子、子から孫へ、、、

先週はチャップリンウィークだった。チャップリンが彼のキャラクターを生み出して百年なことは5/8で既に述べたが、短編シリーズが外れだったので、多分観ていないと思っていた、マーロン・ブランド、ソフィア・ローレン主演のチャップリンが監督した最後の映画「伯爵夫人」(67年公開、原題:A Countess from Hong Kong)を観に行ったが、ドタバタ芝居のよくあるパターンであまり面白くなかった(でも映画ファンの集まるシネマテックでは珍しく最後に拍手があった)。
連続のバッドチョイスを払拭すべく、直後上映の「ライムライト」を梯子。映画の梯子は20年ぶりぐらいか? でもその甲斐あって、よかった! この映画は私はいつも観ても「涙ちょちょ切れ」だったのが、感受性が衰えたか、あるいはフィルムのデジタル修復があまりにも見事で、今まで見たことのない細部に目を奪われたからか、目が潤む程度でおさまった。
そして火曜にはテレビでチャップリンの人生を追うドキュメント番組、実はこれはこの記事を書くのに色々参考になった。それに続いて「独裁者」も上映されたが疲れたので半分でやめた。

さて、ここからが本題

何ヶ月も前から予約していたチャップリンの娘、最後の奥さんオオナさんとの子供のヴィクトリア・チャップリン Victoria Chaplin(カリフォルニアで51年生まれたが、52年にレッドパージでチャップリンは事実上米国から追われたのでスイスで育つ)と彼女の旦那のジャン=バティスト・ティエレ Jean-Baptiste Thierrée の「見えないサーカス」(cirque invisible)。彼らは69年に最近流行の詩的情緒ある芸術的振り付けをする「新しいサーカス」の先駆けとなるグループを作った。ティエレはほぼ何もしないマジシャン、色々な道具を持って来て観客を笑わせる。ヴィクトリアは綱渡りもする曲芸師で、旦那さんより大規模な装置や衣装を裏返したり、分解しては組み立てて、しばしば「奇怪な昆虫・動物」右下参考になる。右の写真では衣装につけられたコップやお鍋をたたいて音楽を演奏。何れにせよ私の好きなローテク発明の世界。

実は彼らの息子にジェームズ・ティエレ James Thierréeという、ふにゃっとした滑るような動きでシュールな世界を作る不思議なパーフォーマー(好きな単語ではないが俳優でもありダンサーでもありアクロバットかピエロでもあるから他に言いようがない)がいて、詩的な劇を作る。彼の劇団 Compagnie du Hanneton のLa Veillée des Abyssesというのを10年前アルテ(文化テレビ)の劇場中継で観てびっくり。中継を観ながら友達に電話してすぐTVをつけるようにと勧告?したほど感動した。彼がチャップリンの孫であることはその後知ったこと。かつこの劇の衣装は母親ヴィクトリアが担当していて、彼女も不思議なサーカスをし、娘のオレリア Aurelia(つまりジェームズの妹)とも作品を作っていると知ったのは後の後のこと。という訳で興味津々となり、前大統領サルコジの居城であるヌイイーまで見に行くことになった(同市のサブロン劇場は比較的小規模で座席は階段状でどの席でもみやすそうで、かつまあまあいい席が残っていた。加えてお金持ちの町なのに(だから?)安かったのでサイトで直ちにチケットを買ったのだった)。さて肝心の「出し物」の方だが、だいたいは夫婦が替わり変わり寸劇を披露するオムニバス方式。面白かったけれど期待していたほどではなかった。お笑いマジシャンみたいなのは日本でも昔からいるし、Cirque Plume などの80年代以来の「新しいサーカス」も私は色々観ている、それに短いコントの連続だとビデオで見た抜粋から本物があまり発展しないという面もあって(cirque invisibleのサイトにその抜粋ビデオあります)、、、というのがその理由だろう。でもこの夫婦、ヴィクトリアさんがはや63歳、ジャン=バティストはもっと上、調べてみたら何と1937年生! 唖然、もうそんな辛口は言えない。観客総立ちになるのも無理はない。メルシー、メルシー、大人子供一緒に楽しめる幻想童話的な世界、ありがとうございました。

しかしやはりチャップリンは本当に天才だと思う。近年(フランスでも)「親の七光り」の俳優や歌手がますます多くなったが、娘や孫がこのように舞台で類いない「創造性」を発揮するのは並大抵のDNAでない。そればかりか想像・創造の楽しさを伝えた。チャップリン本人も芸人夫婦の子供だが、シングルマザーに育てられ、14歳にして気の狂った母を自身で精神病院に連れて行き、そして路地で寝るという、上に行くしかなかった生活を送ったのにくらべ、子供達はスイスの邸宅で何不自由ない生活環境だ。親の財産管理しか能がない(興味がない?)多くの大芸術家の子供に比べてこれは驚くべくすばらしいことではないか。TVのドキュメンタリーでは邸宅の庭でチャプリンが子供達(36歳年下の若きオーナ夫人と8人もの子をもうけた)と一緒に変装して遊んでいる様子などが映ったが、米国時代は仕事のことしか頭になくて離婚の連続(いつも奥さんが異常に若くて、、、)だったが、スイスでの引退を余儀なくされた彼はそう言う時間生まれ、それを楽しむ第二の人生を過ごしたとか。「ライムライト」の冒頭の言葉で、正確に覚えていないが「古きが去り新しい世代へと移りゆく」というようなことが流れていたが、それをあの名作映画の中のごとく現実に体現した。

最後に私の推薦、ジェームズ・ティエレの、チャップリンのギャグを思い出さないこともないが、彼にはなかった新しいコミカルな身のこなしを見てもらいましょう
http://www.dailymotion.com/video/x1lgc1_la-veillee-des-abysses-james-thierr_creation
チャップリンの孫であろうがなかろうが素晴らしい(他にもウェブ上に抜粋は沢山ありますよ。でも劇全体のDVDはなくて、、、)

:左翼的意見と未成年との再三の結婚(せざるえなくなる)スキャンダルのため目を付けられていたチャップリンは、52年ロンドンで「ライムライト」の世界初上映すべくニューヨークからクイーン・エリザベス号に乗船した翌日、電報で「米滞在ビザの取り消し。来米の際は尋問をする」との由を知らされた

2014年5月18日日曜日

花シリーズ

一昨日あたりから天候がよく気温も急上昇、今日は最高25度の真夏並み。地下のアトリエでも長袖シャツでは厚いぐらい。最近の「毎日のデッサン」の花のシリーズはすぐ乾いてキラキラ光り出すし、前回の写真の3枚の大デッサンは墨を混ぜたものは既に乾き、海水だけのも多分明日には、、、という具合。今日の午後は調子に乗ってまた大きなデッサンを描いたが、また乾き難そうなことをしてしまって少々後悔。


ところで花シリーズ "Send me dead flowers"に関し、「生き生きしているのにどうしてdeadなのですかという「マトモ」な質問が来た。褒めてもらったのは有り難いが、どう頑張っても私のデッサンではとうてい本当の花には及ばない。だからdeadなのです。(謙遜ではありません。実際フェースブックのお友達の花好きの某氏はなかなかクリックしてくれず、「やっぱりなー」と逆に励みになりました)

でもこれは第二の理由で第一は:死海の水で「今日は何を描こうか?」と思いめぐらし、突然「花でも」と考えた。その結果の第一作はあまり花らしくもなかったのでDead Seaのdead flower。その後タイトルのせいで毎日"Send me dead flowers"の入ったストーンズの sticky fingersを聞きながら制作すると、意外にテーマにも、また聴きすきたはずのアルバム(71年発売)にも飽きることなく、失敗もあるものの制作が順調にはかどり今日に至っている(多分テーマが決まっていると考えなくて良いので気楽。普通デッサンする時はもう少しメランコリックな曲を聴いているのですが、、、)。小さいので海水は僅かで済む。各地からのボトルの底に残った海水を使って、総巡りする予定(実際もうすぐに終わりになりそう)。

この作品は来月24~28日のパリの画廊に2人展でも展示する予定だが、その時は"Send me flowers"に早変わりする。第二のような「もっともな理由」があっても皆さん迷信深い(?)から、、、。

昨晩観たチャップリンの娘の公演のことも、新しいカルチエ財団の展覧会のことも書きたいのだが、天気がよくなっって忙しいのでまた今度。


2014年5月9日金曜日

速く乾いて〜

昨日シネマテックのことを書いたのは、某映画ファンから「行ったら窓口業務(下請けなんですって)のストで閉館、やっと休憩できる」という幸せなメッセージをいただいたからだった。(今日はもう開館しています)こういう情熱的趣味のある人はうらやましい。

私はというとアトリエに大きな「死海デッサン」参考投稿 が乾かないままで、約20日間テーブルを占拠されっぱなし。業を煮やして温風器をかけ、耳栓をして寝るというという夜を幾晩も過ごしたのだが目を見張るような効果がない。昨日のツツジの葉が濡れているように、ぱらぱらとにわか雨のよく降る変な天気で、温度も低いが湿度が高そう。生乾きだとしっかり塩が水分を吸い寄せてしまうようだ。小さいデッサンの乾きもこの1週間悪い。紙の在庫もないので急いでも仕方がないのだが、最近失敗も多いのですっきり「仕切り直し」がしたいのだ。

GWで日本から友人たちがパリ旅行、楽しそうだったから、デッサンが乾くまで私も何処かへ行きたくなったが、来週にはチャップリンの娘の不思議なサーカスの切符を何ヶ月も前から予約しているし(去年見たかったのに席がなかった。郊外の街で公演がある。淡白な私にするとちょっとした執念です。これは観劇してからまた書きましょう)、月末には1ヶ月半待ちの歯医者、それに8月以来待ちに待ったレジデントカード(10年間滞在許可書)更新の召喚がある参考記事2/16。それまでに仮許可書の期限は切れるので遠出はし難い。あーあ

2014年5月8日木曜日

炸裂するツツジ

最近あんまりインスピレーションが良くないので昨日は昼間の2時半からチャップリンの映画を見ることにした。私のアトリエの川向こうのシネマテック(仏国立映画館)で「シャルロ」と言われるあの山高帽とキチキチの背広、杖、ダブダブの靴というキャラクターを作って100年の記念で特集をしているのだ。それ以外にもシネマテックの創始者を記念した名画特集、それに小津安二郎までやっていて、見逃せない映画の連続で、シネマテックの会員は時としては3本もみるハードスケジュールとなるらしい。映画ファンとは言えない私もいつもになくしばしば行くことになっている。

早く出たので久しぶりにベルシー公園を通って行くことにしたら、ツツジが満開直前。今に開こうとする花の蕾も字のごとし、雷が炸裂する直前のようなきれいさだった。

 さてチャップリンのほうだが、「舞台」をテーマにした短編の3本作の上映。水曜は学校が半ドンなので、これは「子供用」時間(だから上映前後に子供向きの解説がつく)なのだが、映画は初期のドタバタで殴ったり蹴ったりでで、チャップリンの哀愁を感じさせる前の「残酷もの?」、教育上いいのかな??? 私としても全然気分転換にならなかった。
かつ運悪く教育がなってない、「バアちゃん、腹減った!」と途中から騒ぎだす悪ガキの近くに座ってしまい余計うんざりした(バアさんはマトモなのか、困って退場した)。

「舞台」というテーマに興味を持ったのは、実は先週1929年の無声映画の傑作、パープスト監督、ルイーズ・ブルックス主演の「パンドラの箱」ウィキを見て、劇場舞台裏場面が秀逸だったからでしたが、、、。 チャップリンの短編を「子供用」としてしまうのも問題だが、「パンドラ」の方はその心配のない「大人の映画」です 参考: youtube

2014年5月3日土曜日

連戦連敗の記録

ご存知のように最近は「野外アート」展の公募に応募しなくなった。(経過、理由をご存知ない方はビデオ「安息年」を見て下さい)

 とはいえ「野外制作」は楽しみも多いので、滞在1ヶ月可能、興味のある土地での時は応募することにした。

この冬から出したのは次の3本:

・台湾の漁村の企画:「釣り小屋」を使うというのがテーマで、竹で光背のようなものを作ってカテドラルのようにするという企画を出した。落選通知に「最終選考まで入ったからまた応募して下さい」と書いてあったが、本当かな? 企画は英語圏の人だから「丁寧なご挨拶」か?
・フランス、バスク地方(スペインとの国境)の洋岸の公園の企画:住民参加型がご要望なので流木等で「大西洋の防波堤」を作る。昔書いた川俣+ラルスの真似みたいなでっちあげ(ちなみにマルグリット・デュラスウィキに「太平洋の防波堤」という小説がある:私は彼女のファンではまったくないが、これは好きだった)で、これはいつもの通りの当たり障りない落選通知が届いた。
・イタリアのアドリア海側の街の公園の企画:南イタリアはオリーブぐらいしかイメージできないので、オリーブオイルの瓶(普通四角で緑色)を重ねて建造物を作る企画を出したが、流石イタリア、返事も来なかった(5月が滞在時期だったので当然落選)

それ以外は「海水デッサン」を海岸のアーティストレジデンスして作ったら違う展開があるかと:

・アメリカ西海岸のTide Museum(名前に惚れましたが、落選)
・ノルウェーのフィヨルドに街(選ばれない場合は返事は書かないとのこと)

それからアルザスの「水をテーマ」にした作品に賞を出す大財団。「海水デッサン」予選落ち。最終選考に若い日本人アーティストが入っていました(サイトの小さな写真は建築風の透視図的デッサンだったけど)

弱気になって出したサロンまで落とされて(集客能力は多くて色々な知り合いが出展している)、、、これは膨大な参加費を払わされるから落ちてよかったけど(財布の面も自分の今までの「原則」の面でも)、レベルが高くないので書類審査の予選落ちだと侮辱された感じがしないことはない。

というわけで連戦連敗、加えて実りない画廊探しを加えると、気力がなえてしまう。

以上比較的克明に「落選記録」を書きましたが、「恨みつらみ」ではありません。「好みは人それぞれ」、かつ相手が何を求めているかもよく知らないので。業界の人には何処のことかわかるでしょうので「坂田英三はゼンゼンアカン」と思っている人には来期応募してみると可能性が多いかもという「役立つ情報」なのです(この人が褒めた映画は見に行かなくても良いという映画批評みたいな役目)

「毎日のデッサン」も「くら~い」続きで心配されるかもしれませんが、こんな可愛いことも考えています(写真)

6th January  Revised

2014年5月1日木曜日

メーデーのスズラン

木曜日はお店も歯抜け状態で全然賑わわない家に近くの朝市だが、流石に祝日メーデーだけあって各店行列、野菜、魚、パテを買うだけで小1時間かかってしまった。

後で「街でなんでスズラン売っているの」と日本から来た友達に聞かれて、意外にすらすら答えが出て来た。何故かと言うとやはり昔ブログに書いた記憶が頭の片隅に残っているからだと思う。だから2008年の記事をご参考に

通りで中学生ぐらいの少女たちが「アルザスの野生スズラン」と書いて売っていたので、本当か後で聞いてみようと思ったが朝市で予算の20ユーロがあっさりなくなり、そのまま帰ってきた。

最近あまり書いてなかったこのブログ、今日は完全なサボリですが、 「スズランの春の到来にもかかわらずパリはまた寒さがもどっています」というのが4年前と同じ結論です。