2019年7月31日水曜日

雪降るデッサン

 (texte français en bas)

興味を持たれているかわかりませんが、前々回書いたドローイングの異変、

 

左が2103年のオリジナル、右が今の状態ですが、これだとよくわからないかな?
下の拡大写真だと塩抜きされた白い四角い「つぶつぶ」がわかると思います


下の方は少ししわ寄ってるし、今後門外不出となる可能性大。
何れにせよ東京で見た方はラッキー、「オリジナル」の見納めでした。


Comme j’ai montré par photo, le tube que j’ai confié à la compagnie aérienne a été abimé. Il y avait deux dessins dedans qui ont subi des dégâts.

Mais la chose plus étonnante que j’ai observée quand j’ai fini à l’ouvrir, c’était une métamorphose du dessin. En fait de nombreux cristaux de sel sur le dessin ont été transporté au papier de protection, à cause de l’humidité de la saison de pluie japonaise. Vous voyez de petits carrées blancs dans la photo : c’est les traces du transfert. De plus à ma grande surprise, les cristaux s’attachent solidement sur le papier transparent très mince. C’est un phénomène que je n’ai jamais observé jusqu’à ce jour : j’étais persuadé qu’il fallait utiliser de bon papier épais destiné à la gravure pour bien retenir des cristaux. J’ai écrit ainsi dans mon livre qui vient de sortir. A étudier...
Par ailleurs un des 3 grands formats que j’avais exposés à Tokyo, « lézard de Calvados » a été, en suite, capté par l’expo collective de Nagoya sur le thème de la créature, donc il a échappé belle à l’accident.

Finalement je m’en sors plutôt bien.

2019年7月28日日曜日

日本滞在のレジュメ

いやはや、今回の来日は本当に「仕事一途」だった。温泉もなし💔  

 本「しおあい」は最初は3月に作る予定だったので余裕のはずだったが、余裕すぎて仕上げの推敲に遅れ(つまりこういうものは時間があったらあったできりがないものなので、、、)、出来栄えは期待された完成度をしっかりクリアしたとは思うが、遅れは取り戻せず、個展の初日の朝に間に合わなかった!6/24投稿参考

その銀座フォルム画廊での個展は、兄夫婦、高校の同窓生、パリの知人の動員力のお陰で「謎の最終日」を除けば大盛況で、毎日ランチ抜き。画廊にいない時は本の郵送の宛名書き。こうして頑張って送った割にまだ着いていない本が多いのが心配。「安く送れる印刷物で」と注文すると局員さんは混乱(通常と値段は変わらないと言われたり、税金申告の紙を書かされたり、印刷物スタンプ押して終わりだったり、出向いた郵便局4カ所それぞれで取り扱いが違っていた。まさか船便になったてことはないと期待したいが、、、つまり本の方はまだ終わった気がしない。
 
東京での個展の搬入搬出は実家に海水ドローイングは湿気のためストックできないので少々複雑となる。昨日書いた名古屋のLギャラリーでグループ展にも参加することになりその為にもアレンジがあり、そして最後は出発日を一日勘違いしていたので一層濃縮した滞在になった!

というように毎日沢山することがあってまるでサラリーマンのよう。本当のサラリーマンは仕事も付き合いももっと大変だろうが、仕事に加え台風だの梅雨前線の大雨などと、どうもこの国では目前の今日明日に追われ、長いスパンでの思考が極めて難しいのではないか(今回実際にそうだった)と、久々の仕事人生活を送って、たまたまの参議院投票に向かい実感した限り。









2019年7月27日土曜日

フランス(日本?)は遠し

疲れたけれど全体的には首尾上々だった日本滞在の事は飛行場でブログ用の原稿を書き上げていたのだが *、最後にガツン:



20日にあった後述のグループ展のオープニングで「チューブ」は別扱いなので安心ですよなんて皆様に吹聴していたのがこのザマだ。ボール紙製とはいえ実際この場所をこんな風に歪めるのは局所的にかなり大きな力が加わらないとありえない。本当に何が起きたのか?

翌日の朝、まだ薄暗い中、ぼやーとアトリエの壁を見ると〜、、、ウンウン、なかなかいい作品が掛かっているではないか! そして日本に行っている間にHoudanから戻った作品に荷ほどきを始めたのだが、これらは大傑作、それも壁に飾ると「昔の作品がなくなっても良いドローイングは一杯あるわい」と強気なってきた。かつ「卵」の2作は2年前無事日本から返ってきたし〜(その時は当たり前と思っていたが今では「やった〜!」)

加えてこのチューブに入る予定だった「ノルマンディの大トカゲ」と「世紀末の蝶」は下の写真のように名古屋のLギャラリーの「生き物」をテーマにしたグループ展に出させて貰えたので難を免れた。これまたラッキー!


おもむろ午後になってチューブからドローイングを出した。
思ったとおり下の方は折れて傷んでいるのは致し方ないが、驚いたことにその一つは「別の作品」になっていた!
折れ曲がった故ではなく、湿度のせいで! 

ドローイングを薄紙で保護していたのだが、これを取ったところご覧のように一杯黒い粒が付いてきて、ドローイングの方は逆に白い点(ただし形は塩の結晶の正方形)が抜かれ雪降る如し=つまり湿度を吸った結晶が薄紙に転写されてしまった! かつそれが薄紙にしっかりくっついていて、触っても剥がれない。


 今までドローイングにしっかり吸水する版画用の厚紙を使っていたのは「これでないと上手く結晶が固定しない」はずだったからなのだが、こんなペラペラの一枚30円の薄紙でこんなことが起きるなんて、どうなってるの? 東京の個展でも皆さんに説明していた「私の5年来の大前提」が覆されてしまった。。。
これ何かに使えるかしらん???

カバンの中に入った「芋虫」も同様な現象が起きていたが、これは結晶の転写は指で数える程度、昔の写真と見比べて修復。(「芋虫」は「目の肥えた東京の方」** ではなく、ちょうど東京にいた在仏の I さんが衝動買いしてくださったのだが、これで彼の眼をパスするか? ( I さん、パスしなくても実は自分で手元にキープしているのも嬉しい作品なのでいいので遠慮なくお断りください)

雪降る「別作品」になった作品の方は修復不可。これも「目の肥えた東京の方」ではなく、これまたちょうど東京にいたスイス在住の N さんが興味を持って下さったのだが、どうなりますか。でも銀座で個展してヨーロッパ在住の邦人の方に買ってもらうなんておかしいよな。 

出版した「しおあい」も結局クラウドファンディングの協力者の過半数はヨーロッパの人で、彼らに7月第二週辺りから日本から郵送しているのだが、まだ手にしていない人が多くて、、、(完全にバカンスシーズンに入ってしまうのでかなり心配)。

ユーラシアの端と端、いまだに遠いです。

注:
* 後日掲載します
** これは「田舎者の私」が銀座の一等地で個展をすることになったときに用いたアイロニー。でも銀座も中国人が溢れ、私のアトリエのある13区みたいだったけど(笑)
 
左の作品に雪が降り、右の作品はスカートしわしわ、真ん中が上手く難を逃れたトカゲ