2014年1月31日金曜日

イノシシは強し

人にいただいたアルデッシュの田舎土産のイノシシのソーセージ。豚に比べて黒っぽくてカチカチしている。食卓ナイフで切ろうとしたらこのとおり、ナイフが折れてしまった。やっぱりこういう田舎モノを切るには、よくフランス人が持っている小刀みたいなナイフでなければダメなようだ。

今日は前回の続きとして「やっぱりちょっと考えてもありえないことがありすぎる」というテーマで書くつもりだったが、ミーハーブログに習い、これでおしまい

2014年1月29日水曜日

あり得ない話

スーパーのモノプリに買い物に行ったら、冬のバーゲンテーブルの一角に意外なことにワインが10数本並んでいた。白とロゼだけかーと思った中に一本だけ赤が。何と10年以上前のポムロル(Pomerol)。ポムロルと言えばボルドーの中でも有名な赤ワインの産地、私のような庶民の口には年に一度、クリスマスにおよばれでもしない限り口に入らぬワインの一つ、それが何と4.5ユーロ 「ええっ、値段の付け間違え? やったー」とすぐさま買い物かごに入れた。

家に帰って、早速栓を開けた。お客様用に温存しておこうかとも思ったが、最近ちょっと意気があがらないので景気付けに直ぐに飲むことにした。とはいえちゃんとしたワインは呼吸をさせなければいけない。だから早速開けたのだが、栓がいやにもろい。 ちょっと嫌な気配。料理を作ってからグラスに入れたら(写真ではわかりにくいが)随分濁っていて色に深みがない。飲んだらこれはなんだろう?ボルドーというよりポルトーワインから甘みを抜いたような変な味! レストランなら文句がつけられようが、相手がスーパだと、、、結局インチキ牛肉(=馬肉:昨年2月23-24-27に連載)同様「こんな値段でまともなポムロルが買える訳ないでしょう」と言われるのが落ち。

考えればわかるものだが、なかなか人間考えないものだ。
昨日フランスではネットや携帯で、男女差別をなくす教育のため「学校で男子を女装させたり、マスタベーションを教える」というような情報(原文にはあたっていません。TVラジオで言っていた内容です)が広がり100以上の小学校で子供を登校させい両親が現れ、教育現場が混乱した。これは背景に同性愛者間の結婚に反対する運動があるものの、情報がデマかどうか少し考えればわかるものの、それができなくなった大人(両親)の存在も大きいと思う。それができるようになるように学校に行くのだが、、、。変だと思っても、ことが自分の子供のことだから「予防原則」を適用した人もいるのかな〜(というのは私の好意的解釈)

ところでポムロルの方は、どうしようもないので炒めていたタマネギにかけたらあら不思議、タマネギがエシャロットのような味になりました!!!

注:ネットの情報ではポムロルとはいえこのワインは格が低いので10年以上も寝かせる必要がない。つまり完璧な売れ残り品だったようですが、変質品てのは話が別ですよね〜

2014年1月24日金曜日

エイゾウ美術館のお披露目

 L'inauguration du Musée d'Eizo, j’ai servi de la soupe de nouvel an aux amis visiteurs. En fait la visite guide de mon Atelier-Musée aurait lieu selon votre demande durant toute l’année. Voir également le 4 jan.
  
あふあふ、また1週間経ってしまったが、、、

今週の「私の出来事」でのメインイベントは日曜(19日)の、1月4日に書いた「エイゾウ美術館のお披露目!」。これは大晦日のパーティーに大勢来た飲んで踊って壁の作品に目もくれなかった人たちに私が作品ガイドをすることを目的にしたアンチ・パーティー。

美術館といっても実際には私の作品がほとんど。作品を買うお金がないからと思われるだろうが(それは事実)、作家たるもの自分の作品の方が他人のより好きじゃないとやってられないはず。その厳しい眼・好みをパスし我がアトリエに飾られた人の作品は、結局は私の作品と密接に関係している。

例えば「雨が降った後の水たまりに写る景色」を撮る浅野茂さんの写真は、写っているものがどうのこうのという以上に「雨降りにせっせと制作に励む変人は私だけじゃなかった」とほっとさせてくれて嬉しい。某画廊で発掘したエグイ感じの Jim Sanderのドローイングは日付が記されているのが気になったが、後で知ったことには。彼はブログに一週間に描いた沢山のデッサンを壁に貼った写真を毎週掲載している。私は毎日一作限定だからできて も一週七作だけだが、今回Sanders君のウイークリーデッサンに関係させて、丁度隣人からもらったばかりの小さな引き出しを使って、今週の海水ドローイングを一作ずつ引き出しに入れて展示した(ライトがあるので結晶のピカピカも見えます)。

小沢香織さんの作品(写真)と飲み物のキャップから作ったFrançois Riou(フランソワ・リウ)の昆虫の標本は、当然「ゴミ利用」で私と関係してくるが、ごたごたとした「廃物利用アート」が多い中で、すっきりと決まっているところが良い。先日も写真で紹介した狐の仮面をかけられた肖像画ほどではないが、京都の吉川あつ子さんの紙の簾は、作家の了承も得ず、奥の壁にキューピーの頭が据えられ、エイゾウナイズされている。それからガーナで拾ったベニヤに書かれた絵(これも1/4参考)、ネットで色々調べた結果、特徴的なスタイルからしてきっと Twins Seven Sevenと名乗るナイジェリア人作家のもの。ポンピドーセンターにも所蔵されている有名作家のようです!(興味があればリンクのサイトで絵と比べてみて 下さい。本人は他界しているので尋ねようがありません)
かくしてポンピドーと肩を並べたエイゾウ美術館の最後に紹介する所蔵品は、杉浦誠さんのワンブロックから削り出した四葉のクローバ。これはおそらく私の「技術力ゼロ」の作品とは全く関係ない。対蹠地の灯台の光の役割を果たしているのかも。

この日の余興としてはお雑煮を作った。私は両親関西なので「白味噌」。I さんのお土産、日高昆布でだしをとり、人参と、朝市で売っている、皮は黒いが中身は白い「黒大根」を薄切りにして煮て、日本で買って来たお餅を入れて、それに鰹節を少しふりかけてできあがり。この客寄せ(?)が成功したのか、今回のターゲットとしていたB君の友達の「大晦日の踊り子達」は誰も来なかったが、それでも予想以上の二桁の来場者数で、私の分はなくなっなってしまった。



注:美術館と言っても一般公開の予定はまったくありません。仕事場ですから。そろそろちゃんと始めねばならないのですが、、、

フランソワ・リウの作品はこの頁のビデオもご推薦(本人は廃品利用には興味ないと言っております)

小沢さんと杉浦さんは私と同じ、名古屋のLギャラリーの作家さんです

2014年1月15日水曜日

徒然に、、、

久しぶりに「野外インスタレーション」の企画書を書いた。おそらくほぼ1年半ぶり。ランドアートという言葉がフランスで流行になって、野外作品展が増えたのだが、多くは「アトリエで制作したものを現地に設置する」形式のものが多く、「材料すべて現地調」でアイデアも変わりうる私のスタイルの出番がほぼなくなって、、、という不満は何度か書いている。しかしこの応募は制作期間約1ヶ月、現地の資材を使うことも明記されているし、フランスでも日本でもない外国に行けるのも魅力。但し子供とのアトリエがあって、そうした教育経験を書かねばならないことになっている。「私、先生じゃないからねー。現地の先生と相談してやりますよ」と率直に書いたのでバツかなー? そうでなくても世界から3人だけだから難しそう、、、。まあダメ元で、神様仏様、、、そんな訳で昨日は写真のようにアイデアを探しつつ漫画デッサンを幾つも描きました。

それから前回のトマト食べましたよ 〜(写真:真ん中に三切れあるだけ!)。やっぱり太陽浴びていませんから、味はもう一つ、オランダ産温室栽培レベルでした。

「パリのアート情報」を盛り込もうと意気込んで始めたこの新しいブログですが、長らく書いていませんねー。展覧会はいつもどうり行っていますけど12月に留守した所為でほぼみな最終日で、書く前に終わってしまって、、、

まあ「絶対見に行け!」というほどのものはなかったというところでしょうか。

 人に推薦されたのだけど、ナビ派の一人に数えられているだけで一般的知名度の非常に低いヴァロットン Félix Vallottonグランパレで回顧展、これは確かに意外に面白かったです。 へそ曲がりなのか、1865生-1925去という近代絵画史の大展開期にいながら、世の中の流れに入らない具象絵画の実験を色々試してしている。20日まで。個人蔵、グルノーブルの美術館からの作品がほとんどなので、貴重な企画です)

2014年1月8日水曜日

これはカクテルトマトではありません

夏から勝手にアトリエ前の中庭のツゲを取っ払っては花を植え始めた。土の状態は意外に良くミミズなんかもいて、パンジーとかツリガネソウとか、それからバラ、トマトも植えた。トマトは同じ建物に住むグルジア人が、お父さんの菜園(遠く中央アジア!)から来た種を彼が育て、その苗を2本貰った。それがもう7月末だったから実がなるかどうかは半信半疑だったが、夏が暑かった所為か苗はすくすくと伸び、9月にやっと花が幾つか咲き、10月には3つ実がなった(写真は10/8時点)。でも冷たい雨の降る秋で大きくならず緑のまま。どうなるか実験でそのままにしておいたが、11月に日本に帰る前に採った。採って置いておくと赤くなると言われていたが、1ヶ月して日本から戻ったら赤みを帯びていて、新年にはこんな風になった。どんな味がするものか、興味津々だか貴重すぎてなかなか食べられない。

実はこの中庭を団地の共同菜園にしたらどうだろう(最近住民の相互理解を深めるとかでパリでは流行で、住宅公団からの援助もあり得る)と隣人の幾人かに話したりもしていたのだが、アーティストの中には「芸術的菜園」にしたいという人やら、子供達の遊び場になったらうるさくて仕事ができないという意見やら、、、私の草花も一度心なき子供達にむしり取られた。私は人の意見を調停してなんてことには全く向いていないので、「応援するから」とも言われていたが、結局一人で細々と「不法栽培」を続けている。

2014年1月4日土曜日

エイゾウ美術館

クリスマスにパリに戻ってびっくりだったのは、入り口間近に立てかけられていた額の数々。一昨年前の南仏での展覧会を機に、今まで思ったこともないコテコテの額に自分のデッサンを入れる楽しみを覚え、絵の売買商(?)を営む隣人アーティストから要らない額を分けてもらっているのだが、彼のプレゼント?の沢山の大きな額が並んでいた。確かに帰国中留守を見てもらっていたGさんから、「どうします?」というお伺いメールが写真入りで来ていたが、その量を十分把握していなかった。

はじめはやっぱり「ゴミ箱行き」と思っていたが、パリも日本同様大きなものはすぐには捨てられない。かつ割れ物のガラスが入っている。パーティーもあるので大きさ別に分けて納屋にしまうかと作業しはじめて「何か合うのもあるかも?」と昔の絵や版画を物色し始めた。というわけで幾つか古い作品が「復活」! 

玄関正面には97年の版画「転落」が大きな太縁の黒い額に立派に入った (この作品は題名の所為か今まで人気がなかったが、、、)。その横は自分で訳がわかっていない綿地に直に描いたデッサン絵画で、これも立派に収まっている。

アトリエには新たなクリエーション!肖像デッサンが入っていたクラシックな額に昨年大阪で買った紙のキツネの面をかぶせた。これがガーナで拾った板に書かれた絵、大昔にドゥルーオのオークションで買ったアフリカの面(スタイルから見てブルキナ・ファッソーのボボ族?ムソ族? はたまたただの模造品か?)、それと夏に描いた「塩のデッサン」の「メデューザ」と「この人を見よ」、それに水たまりに写ったパリの夜景を撮る日本人写真家、浅野茂さんのメリーゴーランドと若いイギリス人若手作家 Jim Sanders の宗教画のカタログ頁に描かれた歪んだ顔のドローイング、なかなか並べると良くて(最後の2点は昨年収蔵した私のコレクションです)、、、


アトリエ奥には一昨年のLギャラリーの個展でも飾った「英象ババール」、「不思議の国のアリス」の悲しき「亀もどき」の話のパロディーの「英三日本もどき」(2002年)が貰った額に見事ぴったり。奥には名古屋のLギャラリーの作家の小沢香織さんの作品がぶら下がり(よく見えませんけど)、その奥には20数年前に友達の子供がくれたアルデッシュ川の流木がかかっています。
 他の壁にはいつもどうり、「雨の絵」とか「毎日のドローイング」も並び、 パーティ前に美術館ができあがりました。

2014年1月3日金曜日

謹賀新年

これは始まりの頃かな〜 もっともっと人が増えた
その後シャンパンも一杯開いて、、、
9月末からの「海水ドローイング」の展示でアトリエが整頓されたままなので(10/1の写真)11月に誕生パーティーをし、その後コレクショナー夫人が見に来ることになり即日本に発ったので(11/25参考)、アトリエは3ヶ月もきれいなまま(つまりまともに仕事をしていない?)。誕生パーティーが結構盛況だったこともあり大晦日のパーティーに挑戦することにした。大晦日はそこら中でパーティーがあるので下手をすれば「寂しい結果」になる。ここで強い見方は時々ベルビルのカフェレストランでパーティーを企画するB君。彼もやりたいと言ったので私の日本滞在中にイニシャテイブをとってもらうことにした。30日の段階では、私の知り合いはあまりパリにおらず、10人ほど、B君の方も「来る」という明確な答えがあったのは20人で、まあ返事をしない人が来て2倍にふくれればちょうどいいが、、、と期待・心配の半々だったが、来ました来ました。おそらく夜中には100人以上を越えていたのではないかな〜。参加者も5歳のMちゃんから80歳の女優さんまで、集まった人の層はまったくばらばらだったけど、ほぼ全員に楽しんでもらえたようです。ともかく大盛況、パーティーは5時まで続き、最後は若いグループがテーブルを片付け、何十本ものボトルをアパートのゴミ回収場まで運んでくれて、大助かり。

アトリエでは途中でダウンしたS君がソファーに横たわり、体調不調だったが最後まで頑張った(?)B君がクッションで死んだように眠り、私のベッドにはだれかわからない女性がコートを着たまま倒れ込んだように寝ている 。触らぬ神に祟りなし、ベッドを占拠された私はクッションを並べて簡易の寝場所を作り寝た(下の写真左)。寝心地も良くないので一番に起床、その後B君が起き、その後すっかり元気になったS君(何と夜中に新年を祝ったことすら記憶にない)とブランチを食べ、その後には正体不明だった女性 I さん(一度帰宅しようとしたが戻ってきた。その時には「ベットは空いていた。私は何処かに寝に行ったのだろうと思った」と主張!)とお茶をして、午後は電話してくれた友人たちを呼んでパーティー残り物を食べてもらい、、、その後(夜)は勿論「モップがけ」ですよ!!! ワインがこぼれてたりして臭いし、、、だから扉を開けっ放しにしたので、パーティーでは半袖で良かった室温が急降下、以前の寒いアトリエにもどりました。(でも今年のパリは今の所暖冬です)

謹賀新年、日はまた昇る。今年も宜しく