2019年7月27日土曜日

フランス(日本?)は遠し

疲れたけれど全体的には首尾上々だった日本滞在の事は飛行場でブログ用の原稿を書き上げていたのだが *、最後にガツン:



20日にあった後述のグループ展のオープニングで「チューブ」は別扱いなので安心ですよなんて皆様に吹聴していたのがこのザマだ。ボール紙製とはいえ実際この場所をこんな風に歪めるのは局所的にかなり大きな力が加わらないとありえない。本当に何が起きたのか?

翌日の朝、まだ薄暗い中、ぼやーとアトリエの壁を見ると〜、、、ウンウン、なかなかいい作品が掛かっているではないか! そして日本に行っている間にHoudanから戻った作品に荷ほどきを始めたのだが、これらは大傑作、それも壁に飾ると「昔の作品がなくなっても良いドローイングは一杯あるわい」と強気なってきた。かつ「卵」の2作は2年前無事日本から返ってきたし〜(その時は当たり前と思っていたが今では「やった〜!」)

加えてこのチューブに入る予定だった「ノルマンディの大トカゲ」と「世紀末の蝶」は下の写真のように名古屋のLギャラリーの「生き物」をテーマにしたグループ展に出させて貰えたので難を免れた。これまたラッキー!


おもむろ午後になってチューブからドローイングを出した。
思ったとおり下の方は折れて傷んでいるのは致し方ないが、驚いたことにその一つは「別の作品」になっていた!
折れ曲がった故ではなく、湿度のせいで! 

ドローイングを薄紙で保護していたのだが、これを取ったところご覧のように一杯黒い粒が付いてきて、ドローイングの方は逆に白い点(ただし形は塩の結晶の正方形)が抜かれ雪降る如し=つまり湿度を吸った結晶が薄紙に転写されてしまった! かつそれが薄紙にしっかりくっついていて、触っても剥がれない。


 今までドローイングにしっかり吸水する版画用の厚紙を使っていたのは「これでないと上手く結晶が固定しない」はずだったからなのだが、こんなペラペラの一枚30円の薄紙でこんなことが起きるなんて、どうなってるの? 東京の個展でも皆さんに説明していた「私の5年来の大前提」が覆されてしまった。。。
これ何かに使えるかしらん???

カバンの中に入った「芋虫」も同様な現象が起きていたが、これは結晶の転写は指で数える程度、昔の写真と見比べて修復。(「芋虫」は「目の肥えた東京の方」** ではなく、ちょうど東京にいた在仏の I さんが衝動買いしてくださったのだが、これで彼の眼をパスするか? ( I さん、パスしなくても実は自分で手元にキープしているのも嬉しい作品なのでいいので遠慮なくお断りください)

雪降る「別作品」になった作品の方は修復不可。これも「目の肥えた東京の方」ではなく、これまたちょうど東京にいたスイス在住の N さんが興味を持って下さったのだが、どうなりますか。でも銀座で個展してヨーロッパ在住の邦人の方に買ってもらうなんておかしいよな。 

出版した「しおあい」も結局クラウドファンディングの協力者の過半数はヨーロッパの人で、彼らに7月第二週辺りから日本から郵送しているのだが、まだ手にしていない人が多くて、、、(完全にバカンスシーズンに入ってしまうのでかなり心配)。

ユーラシアの端と端、いまだに遠いです。

注:
* 後日掲載します
** これは「田舎者の私」が銀座の一等地で個展をすることになったときに用いたアイロニー。でも銀座も中国人が溢れ、私のアトリエのある13区みたいだったけど(笑)
 
左の作品に雪が降り、右の作品はスカートしわしわ、真ん中が上手く難を逃れたトカゲ  

0 件のコメント:

コメントを投稿