2014年3月26日水曜日

フランス地方選挙の狭間で

日曜日はフランスでは地方選挙があった。オランド君はご承知のように人気がないし、サルコジ後の野党(UMP)は結束に欠け、経済と各種スキャンダルへの国民の不満は極右に行くであろうと誰もが想像していた。その上盗聴調査で切れてしまったサルコジ君は選挙直前に検察を「東ドイツの秘密警察の手口」と、口が滑ったなら品のない彼のことだから予想はつくが、新聞上に書くと言う、政治生命の終わりとしか思えないことをしでからし、それをコッペ書記長以下野党の多くは弁護した。だからこれで野党も終わりと私は思っていたのだが意外に健闘、コッペなんかは65%の得票率で地元で楽々当選した(またまた私の予想外れ)。一番の選挙結果は第一投票で小さな町の市長一人が生まれるほどの歴史的な極右の大進出だ。これは私は想像に難くなかったと思うが、野党が息を吹き返し、「緑の党」も票を伸ばした。つまり社会党の一人負け。予想された敗北だが、地元の政治家への信任が歯止めになると思われていたのだが、全く堰を切れたようになった。オランド大統領の不人気がここまでおよぶとは、、、。

パリではドラノエ市長(社会党)が引退し、部下のアンヌ・イダルゴが後任として立候補、それに対する野党はサルコジ政府の大臣だったナタリー・コシゥスコ=モリゼ、つまり女性二人の対決になったが、ドラノエ市長の業績は大方良い評価がされており、野党はパリ独自の分裂もあり、選挙戦は盛り上がらないままイダルゴ女史が簡単に当選するものと思われていた。しかしこれもオランド不人気の所為か(?)番狂わせ、第一投票ではコシゥスコ=モリゼが得票数では上回った。ただしパリは各区の区長選の結果で市長が決まるので、今度の日曜の第二次選挙では「緑の党」との連帯もあるのでイダルゴさんが予定どおり当選するはずなのだが、、、(注:大統領選挙同様、第一次で投票数半数を誰も獲得しない場合は第二次選となる。その間に政党間は協約を探る)

大昔写真入りでブログでナタリーさんを取り上げたので、私は彼女のファンとの誤解があるかもしれない。サルコジが一目置くほどなので私も一目置いていいたのは確かだが(2011/10/9参考)、やり手の彼女の「攻撃的性格」が今回は形勢の悪さで激化、ドラノエ市長の功績は全面否定(パリの自転車ヴェリブは私の人生を変えたのに)、他のことならまだしも、私の理解の範囲の「文化政策」も:例えば画期的だったパリ市立美術館の入館料の無料化を、「若者や労働者層に門戸を開く」としたのに効果を上げていない。地下墓地カタコンベやノートルダムの納骨堂(ともに市営)は有料でもその社会層を引きつけているという、比較にならない「施設」を比較して批判する屁理屈を「政策プログラム」で展開している。エジプト美術から印象派まであるプチ・パレ美術館とか、パリの歴史のカルナバレ美術館とか、それなりに見るものはあるとしてもルーブルやオルセーとは格が違いすぎる。タダじゃなかったら観光客か研究者以外誰が行くだろう? 無料のお陰で私は通りすがりに、あるいは友達に面白いものを見せようと気楽に入れるのだ。それにプチ・パレ美術館は地下展示室の素晴らしい改新工事をした。ナタリーさん、きっと行ったことないんだとよ。でもこの間美術展案内で書いた「ヴィクトル・ユーゴの家」に関しては彼女、大改革するつもりらしくて、、、。つまり美術館のことだけでも私はコシゥスコ=モリゼに市長になられたら困るのだ。

しかしイダルゴの方は今週まで何もしないでミスなくそのまま当選という戦略を選んでいたので、何が政策なのかは私は全く知らない☺ 写真を見ているとどちらの女性になってもコワソウですがどうでしょう?(左がナタリー、右がアンヌ) 昔ドラノエの取巻きで「勝手にしやがれ」のジーン・セバーグみたいな可愛い娘がいたんだけどな〜(発言はコテコテの左翼だったけど)

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