2022年1月24日月曜日

ドラ・マールのデッサン展

私とドラ・マール(Dora Maar)は言わずと知れた深い仲で、最近は他人と思えない(とはいえ性根のない私は本人が目の前に現れたら怖くて逃げ出すだろうが。相手は幽霊だし(笑))

全然何のことかわからない方は先ずこちらをお読みください:

さてドラ・マールのドローイング展が美術学校の正面の通りの画廊でやっているというので見に行った。ドラ・マールは1997年に亡くなり、翌年98年に家(パリとメネルブ)にあった作品群が競売にかけられた。もちろん旧仲のピカソの絵「泣く女」は当時にして十数億円で売れたが、彼女の作品は数千円で手に入ったらしい。今の相場はどうなのかな?ポンピドーセンターで展覧会(2018年)がされたし、美術業界はみんなグルだから「再評価」するに越したことはないが(冷笑)、やはり絵画よりシュールリアリズム時代の写真のほうが価値が断然高いだろう(グルでない私の芸術的評価は(も)そうです)。

それはさておき、画廊の紹介には"Dora Maar: Paysages"とあったので前述の去年3月の投稿の写真にあるような、南仏の山風ミストラルが吹き荒れる風景ばかりだろうと想像したのだが、野に咲く花とか、信仰に凝り固まった彼女のステンドグラス風のカラフルな礼拝日程表メモとか、「同じ屋根の下で暮らした私」にはかなり楽しめましたが、皆さんにはいかがでしょうかね? 


ちょっとシュールじゃないですか、この風景。オートマティズムのアンドレ・マッソン風


聖母子? あれに見えるは我が部屋から見えたモン・ヴァントゥか? ちょっとルイーズ・ブルジュア風


火曜に行った教会はどこだろう?
手書きカレンダー?

山道で見かけたような、、、
野生の百合だとか

ドローイングには98DMという競売者による小さな印が押されている。おそらく彼女のスケッチブックからバラバラにされたのではないだろうか?
 
Loeve&Co : 15 rue des beaux Arts にて2月26日まで 

ここまできたら同じ通りの11番地にある美術学校の卒業生が展示するスペース Galerie du CROUSも見てあげてくだい。今はSwann RonnéとEliot Andersonという若い作家 2人が今月末まで展示中(スワンくんが絵画でエリオットくんがインスタレーション)参考。ありきたりのものを使った結構私が好きなタイプです。こういう風に雑多な物(ここではゴミ採集から)を行き当たりばったり的に繋いでいくのって楽しいんだよね。
 
イメージ 1

そこからぶらぶらとセーヌ河を渡って地下鉄で帰ろうとしたら、アカデミー・フランセーズの前にドカーン!こんなのが立っていた。
 

 
バゼリッツじゃないかい? 今ポンピドーで回顧展みたいなの開催中。80年代から見飽きるほど見てるからどうでもいいかと思っていたけど、これは迫力、お見それしました! 次はバゼリッツ展かな?
 
この彫刻も昼間見るとまた違う感じだろうし、CROUS画廊の若者たちも昼の方が天井からの採光の方がいいといっていたからまた散歩に行きますかね。ところでCROUSとは学生寮とか学食とか、学生の厚生にかかわる国立行政組織で、あの画廊だって超一等地だからホテルにでもしたら儲かるよな〜と素人目にも思うが、それをしないところがおフランスの偉いところです。

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