先日のシャプイザ兄弟の作品、写真を見て多くの日本人の方は「川俣正のマネではないか」と思ったことだろう。川俣さんは今は国立パリ美術学校の教授でフランス中でしょっちゅう作品を発表しているから、フランス人にもそう短絡する人は多いと思うから、シャプイザ兄弟は損をするかもしれない。
カッセルの美術館にある川俣さんの昔のプロジェクトの模型 |
彼の作品は1997年サルペトリエル(Salpétrière)病院の礼拝堂に教会の椅子を積み上げて作った塔は素晴らしかった(写真入りサイト)が、その他は建築現場の足場みたいだったり、掘建て小屋(すべて木製)みたいだったりする。日本では高度成長以来見なくなったが、アフリカは言うに及ばず、ヨーロッパでもちょっと郊外に出ると家庭菜園の横にも適当な廃材で作った物置とかがよくあるし、開発途上国に行くと「おお〜」と迫力ある乱雑な足場もよく目にするので、巷にある「現代美術」を愛好している私は率直に言ってそれほど彼に興味を持っていない。インタビューなどで「アジアの叡智」的な薫りが漂うのも私には少々気に障るところだが、作られたイメージかもしれない。ヴィレットのバベルの塔のような櫓のワークショップ(サイトに模型の写真もあります)、どんな風か私も参加してみようかと思っている。
ラドニア |
櫓の模型を見てすぐに思い出したのは3年前オランダのフェスティバルで一緒だったスエーデン作家のラルス・ヴィルクス Lars Vilks 。彼は2007年にモハメッドの風刺画を描いてアルカイダに狙われる身となり、変なことで有名になってしまったが、本当にすばらしいラルスの仕事は80年代からスエーデンの南海岸の人里離れた自然保護地区で漂流木材を集めて勝手に秘密裏に巨大な塔群を作り上げた(Nimis and Arxのサイトの写真是非見て下さい)、1996年には彼はそこをラドニア Ladonia という独立国と宣言した!(今ウィキペディアを見たらジョセフ・ボイスに売り、いまはクリストの所有とか、訳分からん!)。
シャプイザ兄弟の天上回廊 |
Nimis and Arxは本当に凄いと思う。私はこうしたワイルドな仕事には脱帽してしまう。そこでシャプイザ兄弟に戻ると、「身体を張って作る」のが好きなグレゴリー君は「写真やビデオにもなるけど、やっぱり身体で感じてもらわないと、、、」と「体感コミュニケーション」を強調していた。
シャプイザ兄弟、川俣正、ラルス・ヴィルスの3人の作品、写真のぱっと見は似ていても、何をやっているのかはそれぞれ違う。「こんなのよくあるよー」と簡単に言わないで欲しい(実際にFBでこういう手合いにぶつかり、英語で反論を書かされました)
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