2017年12月25日月曜日

真っ赤なお鼻の、、、

この季節になると流れてくるクリスマスソングの大多数がアメリカに移民したユダヤ人によって書かれたと言うことをご存知だろうか?

今の様にアメリカ社会に順応していなかった20世紀初期のユダヤ移民はキリスト教の祭であるクリスマスは祝わず、クリスマスイブはもてあまし、同じくクリスマスに関しない中国人移民のレストランへ家族で食べに行くというのが一つのパターンだったらしい(ちょっと私みたい*(笑))。
そうしたユダヤ人家族で育った作曲家の書いたクリスマスソングは、キリスト生誕などの宗教性テーマはなく、一歩距離を置いて冬の叙情やクリスマスの雰囲気を描写した。かつ米国の歌謡曲界で既に活躍していたユダヤ人ミュージシャン達は流石に商売上手、そのマーケットの巨大さに眼をつけてクリスマス用のポピュラーソングなる領域を作り上げた。(以上文化放送アルテのTV番組**からの受け売り☺)

数ある中で私が一番好きなのは「真っ赤なお鼻のトナカイさんはいつも皆の笑い者、、、♫」なのだが、この「赤鼻トナカイ」の生みの親はロバート・メイ Robert May (wiki)という人で、広報デザイナーとして勤めていた百貨店チェーンがプレゼントする色塗り絵本のためにルドルフというトナカイの話を創作した。これは1939年のことで、曲が出来るのはずっとあとの1949年、義理兄弟のクリスマスソングの専門家と言われるジョニー・マークス Johnny Marks(ウィキ)が作詞作曲した。

アルテのTV番組で語る某ユダヤ人によると、この話は作家自身の幼年期の経験に根ざしており、「鼻」を馬鹿にされるルドルフは他の子供から差別を受けたユダヤ人の子供の姿に他ならず、その鼻を変える、つまり他に合せて迎合するのではなく、彼自身本来の姿で受け入れ評価されることになるという、ユダヤ人としては涙なしでは語れない内容であるというのだ。

いやー、おそれいったなー。楽しい曲だと思っていたけれど。ひょっとしたら私がこの歌が好きなのも、自分の出来の悪かった幼年期に鑑み、知らずとそう言うメッセージを受け取っていたのかもしれないと感じる次第。

ところで先日亡くなった前回取り上げたジョニー・アリディ、CD、DVDが60万部も売れてクリスマス商戦ダントツだそうで〜。本離れ、CD離れのご時世だが、やっぱり当たり障りないプレゼントの定番。私などうんざりする大消費イベントのクリスマスだが、それなりに出版などの文化産業を支えているのかもしれない。兎に角マーケットが巨大ですからねー、来年までになんか考えよう(笑)


* 注:異邦人坂田英三のクリスマスの悲哀に関しての参考投稿:
2013年12月28日 メリークリスマス、ミスターエイゾウ
2012年12月15日 オペラ座のクリスマスイヴ

** Hits de Noël Les succès musicaux des immigrants juifs ( Larry Weinstein,2017)

0 件のコメント:

コメントを投稿