2020年12月14日月曜日

明日解禁ってボージョレではありません(今年は可哀想なぐらい何の話題にもならなかった)

 あらあら、ロックダウン中は暇だからブログを少し盛り立てようと思っていたのに、何も書かないまま、もう明日は先月30日に始まったフランス第二回目の「甘いロックダウン」の解禁日。しかしこの解禁もお笑いで。というのもマクロン君は10月28日の演説で、「解禁は新患者数が5000人未満になること」という条件をつけていたのだけれど、実際の状況は10月末になって下がり止まりで到底達成不可能(どころかその2倍以上で停滞または増加傾向)、「人の言葉を信じる(信じたいと思う)」ナイーブな私は「こりゃダメだ」と絶望していたのだけど、結局政府は「国民がクリスマスを祝えるように*」移動の自由を認めた。何たって原則としては(実際面では街頭に人が多すぎてかほとんどチェックがなかったが)今までは自己申告だけど外出許可書要で、蟄居住所から移動制限が最初は1km、先月末から20kmだったが、明日からは全国どこへでも行けるようになるので確かに解禁だ。だがまた「夜間外出禁止令」が敷かれ、夜8時以降の外出禁止となる。ただイブの晩だけは例外。伝統的にフランスではクリスマスは家族の大集会なので、田舎の両親のところへ集まったりはできるが「会食メンバーは6人以下にしましょう」なんていう勧告付き。大晦日は我がアトリエのみならず、大勢の人が集まって騒いで12時にキスし合う習慣があるが、もちろんそれを妨ぐべく例外にはならなかった。

それから文化・スポーツ施設(例えば美術館)なども閉められたまま(書き忘れたが本屋さんなどのいわゆる「お店」(画廊も含め)は11月28日から開店)。もちろんカフェ・レストランなどははじめから1月20日とされており、私はクリスマス休みが終わってまた感染者が増えるだろうからここで5千人の壁にぶつかると思っていたのだが、もうこれだ。今回のロックダウン中のピークは開始から1週間から10日でその後下がっていったのだが、これはちょっと早すぎて、多分ロックダウンではなくそれに先行した「外出禁止令」の効果だったのではとも推測されている。

上のグラフは私が参考にする各国ごとのデータが集められているworldometersのサイトより。毎日の変化(棒グラフ)で一喜一憂しても意味がないからだろう、7日平均の折れ線グラフも出してくれる

 

一方厚生大臣は、クリスマス前に国民が検査に殺到してラボがパンクする可能性もあるという背景から、「すぐに結果が出る抗原検査」は無症状の感染者をパスしてしまうことが多いので、陰性だったからと言ってそれを過信して近親者を感染させてしまう危険は大きく、テストを受けるのが必ずしも良いアイデアではない」と、正しくはあるが微妙なことを言い(マスクの時と同じく不足しているのをカバーするような論理)、当然諸種の政令も職種などでぶった切るから矛盾は当然。当事者からは「政府は国民を子ども扱いにしてけしからん」(罰則ばかりでコントロールしようとする)文句が吹き出し、、、でも今までの経過を見ていてフランス国民が一般的にそれほど裁量ある「大人」とも思えないのが。。。

しかしコロナというのは誰でも自分の意見が言えて百家争鳴とさせる話題のスーパースターだろう。マスコミ関係者には願ったり叶ったり? 私とてもたまに人に会ってもロックダウン下の食っちゃあ寝の「家畜生活」では大した話題もなく、共通項はコロナで因数分解されてしまい、だからもう話したくも書きたくもないのだが、我が心するにあらずこんな記事を書いてしまった。残念無念。もうやめます。お後がよろしいようで 

 


 

注*:宗教心の毛頭ない私はどこら辺が政教分離なのかと訝しく思ってしまうのだが、そういうことで批判する声は聞いたことがない。高校の地理歴史の先生がマホメットの風刺画を扱った所為で教鞭を持つ学校の前でテロ虐殺されるというおぞましい事件は起き、ロックダウン直前にコロナを第一面から数日間消し去った。この大事件でLaicitéというフランスの政教分離の原則が再度議論されたが、やっぱり私はその意味がわかってないのかな〜 

 

後記:長いテーマをつけたので補足。基本的にボージョレ・ヌーボーはカフェなんかで話の種に解禁日あたりに飲むもので、今年はカフェは閉まっているし、かつボーヌ市での「お祭り」も開催できなかったから何の話題にもならなかったです


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