マクロンと「黄色いベスト(gilets jaunes)」のこと、12月10日以来書いていなかったけど、笑っていいのか悲嘆すべきか、あるいは怒るべきなのかわからないような事件がありすぎて〜。「黄色いベスト」のデモは土曜ごと、私のサンドニの画廊のイベントも土曜ごと、「黄色いベスト」たちの実態はインタビューや統計では「個」か「平均」かになって私にはやっぱりよくわからなくて、、、かつ運動メンバーも変わって来たとかでなかなか手に負えないのだが、まだまだ続きそうなので中間報告(?)。
12/10に戻ると、マクロン、12/10のTV演説で、その前の発言で私はそうとしか解釈できないと思ったガソリン税引き上げを取り下げを確約、また最低賃金100ユーロ引上げ:これは演説ではそうとしかとれない内容だったが、その後一律に上げるのではなくて「手当」で、例えばカップルでもう一人が収入が多い場合は対象外となる。理にはかなっているのだが「運動」の大きさ、激しさに対応するには分かり難い。加えて「黄色いベスト」運動の主体は最低賃金より少し稼ぎが多い層とされているのでこれだとその層に対する波及効果はあるのだろうか? これまでも「住宅援助を減らすけど住宅税をなくしますから」とかで、プラスマイナス分かり難いんだよなー。そう思っていたら、そんな私をなじるかのように、マクロンの政党のLRMの議員代表のルジャンルLe
Gendreって男が「財政上の理由から購買力増大対策は分断されすぎていたので理解されなかった。われわれの誤りはあまりに知的で微妙で技術的過ぎたこと」と正しいとしても人を馬鹿にした発言をして(12/18)** 小スキャンダル。私がこの男を聞いたのは実はマクロンのTV演説の直後の討論会が初めてだったが、このときも人を見下した態度で「黄色いベスト」を応援する訳でもない私の気分をも悪くさせるような発言を繰り返した。こいつは早く「代表」から降ろした方がと思ったのだが、もっと強力に足を引っ張るのが元マクロンのお付きのガードマンのベナラBenalla君。彼は昨年のメーデーでデモ警備隊を随行し(勿論こんなことは職務管轄外)、デモに参加したアベックに暴力を加えた。その後のマクロンの彼に対する処置が明快ではなく、この事件でマクロンの人気はグッと下がった(世論調査のグラ
フを見た記憶があるのだが、再発見できず)。そのベナラ君、仕事を辞めさせられた後も外交官パスポートを保持したままで、12月にマクロンが行く前にチャドに行って大統領と面会していた(かつ入国時に外交官パスポートを使ったらしい)という事実が発覚。マクロンはベナラと切れていないのではとの疑惑が。。。一昨日のニュースではベナラはバスポートの一冊を偽の申請書で作ったとか!(爆笑)
それから5日(土)のデモでは、元ボクサー(元仏チャンピオン)が 「黄色いベスト」の参加して警備隊(憲兵)に素手で殴り掛かり、そのビデオが流れて翌日自首し拘留されたのだが、この「勇士」の為にサイトで募金が組織され1日たらずで10万ユーロ(1300万円)を越えるお金が集まった。(圧力で確か募金ページは自主閉鎖? 法律により募金は罰金には使えないが裁判費用などには使えるらしい)かつ本人は自首する前に自己を弁護し「黄色いベスト」運動を擁護するビデオも録音していて。。。
日本的に見ると「とんでもない」だが、フランスでは以前から、エコロジーの闘士がマクドナルドの店を壊したり、労働組合員が社長の服を引っ剥がしたり、暴力行為に至ることは後が絶たず、「抑えきれない怒りの爆発」は情状酌量の対象になるようで、、、この続きはどうなりますやら。
私が12/10に「マクロンショー」と呼んだTV演説は先に述べたように、運動を何とか抑えようと緩和政策を神妙に訴えて生彩がなかったが、今週まさにマクロンショーと呼べそうな 全国ツアーが始まった。
皮切りは火曜日、ノルマンディーの人口4000人に満たない小さな村で653人の同地方の市町村長と6時間に渡り討論会(というか質問要望への応答演説会)、今日は南西部の同じような田舎で同規模で。
そもそも「黄色いベスト」運動「政府は田舎の現状をわかっていない」という住民の不満に火がついたのだが、これに対しマクロンは役場に「陳情書」を置いて国民の声を聞くことにしてそれをもとに市町村長と討論する。こういうことをやるとマクロンは水を得た魚と言おうか、元気にしゃべりまくって勢力を持ち直すようにも見えるが、、、市町村長はマクロンを「嫌悪」する「黄色いベスト」たちとは違うからなー。
だから国民が誰でも参加できる「全国大討論」というのも企画されていて、既にサイトで各人意見が言えるが、これがどういう風に終決できるのだろう?いかに政策に反映するか?成功すれば未来の政治モデルともなりかねない試みだが、討論が始まる前から企画責任者に任命された元スポーツ大臣への手当が高給(月180万円)すぎると非難され、早々辞退してしまった(笑)
10日にはカルロス・ゴーンが所得税を減らすため2012年以オランダ住民であったというニュースもあったなー。
本当に書ききれないほどの楽しいニュースの連続で、、、これがフランス暮らしやめられない理由かなぁ?(このハチャメチャさはダンマリの某国に比べて「自由」の証ともいえますからね。でもつかれるな〜)
**この種の大衆を見下した態度はマクロン自身にも昔からつきまとっていて、経済大臣の時に例えば「交渉する労働者のなかには文盲もいるから難しい」という内容の「大発言」をした。「それを言っちゃあおしまいだよ」と私は思ったが、「事実」だからなのか大したバッシングがなかった。それほど若い大臣には勢いがあったのかもしれない。
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