パリ郊外に生まれた彼だが、90年代にアルプスの山奥深くに居を構え(最近ピレネーに引っ越したらしい)、話しといえば魚釣りの物語とかをトクトクと、、、この彼、実はポンピドー、カルチエ財団からベニス・ビエンナーレまで一流どころ総なめの超有名フランス人アーティストなのだ。
「自然児エリック」、だから多いに作品も褒めたいところなのだが、今日の原稿は書くのが難しい。大げさにアピールするものではなく環境と溶け込む、私の好きなタイプなはずなのに、正直に言って私にはピンと来ないのだ。
ホタルたちの石 |
近年は音だけでなく「ホタル」シリーズとしてLEDを光らせていて、今回のロダン美術館は「ホタルたちの石」と女性(実は美術館員)のつぶやきが木立から聴こえてくる「イチイの声」の二本立て。 日本の某「ホタルの里」の温泉で LEDホタルが光っていたが、エリックさんの虫の音や光はもっとソフィスティケートした「対話型」で人が近づくと鳴き止んだり、、、勿論音の編集も凝っているが、、、。加えて今回使った大きな花崗岩はポルトガルまで探しに行って、、、というのは話としては面白いが、煙に巻かれたような、、、。彼の人間性、生き方は好きだが、なんでそんなに作品がすごいのか(評価が高いのか)私にはわからない。だから評論家のコメントを以下引用すると:
「エリック・サマクは自然環境と、ハイテク装置という自然には無縁な要素との相互作用を探求し、自然の価値を高め、聴衆の知覚を変容させる。彼は密やかな技術システムと植物動物界の自然現象を組み合わせ、純粋に芸術的なアプローチにおいてばかりか音響エコロジーの視点からも、聴衆が自然に注意深くなり、自然を聴き、自然と対話するようになることへ誘う」
録音がなくても私には呟きが聴こえてしまうのだが (作品のある木ではありません) |
どうです、納得できましたでしょうか? ガッテン、ガッテン!?
9月29日までしていますのでご自身でお確かめあれ。(ロダン美術館はこじんまりして庭もきれいだし、私推薦の美術館です。館内は通常通りの展示、ゴッホの有名な絵もあるんですよ)
今日の文章はつらかったな〜(時間も異常にかかった、、、)
*注:パリは寒くて、昨日の朝の3.4° は1887年のパリ観測所始まって以来:同日(5/24)比での最低気温の記録を破りました!
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