2015年7月10日金曜日

非制作状況

先週は猛暑が続いて制作が順調に続いたかというと、その逆でほぼ「挫折」状態。前回写真紹介した作品は「象徴的な形」が光で浮かび上がる。その形があまりに表意的でも、自分が作り出した抽象的形状にしてしまってもしっくりこない。

わかるでしょうか?
そしてその輪郭の中は「静かな結晶」にしたい。勿論何層か重ねて刺繍をした白いドレスの様なものもできるのだが、そういう「装飾」を私は好かない。結晶は静かに積もった雪のように満遍なく一様、あるいは一様に薄くなったり濃くなったりしてほしい。つまり「完璧な理科実験」を追求してしまう。例えば写真の様に一様な結晶の粒の中に水玉の落ちたような細かい結晶部分が一カ所でも見つかると作家としてはそれだけが目につくようになって、、、かつそれがおそらく海水内に落ちていた黒い塵を拾い出す為にその部分を筆で攪乱した結果ではないかと思い後悔、だが塵が残っていたら残っていたで不満だったろうから、結局ICチップ工場のような「無塵室」で制作せねばならなくなる。つまり今やっているようなことは「ラポで白い特別作業服を着込み。吸塵器をつけ温度湿度を管理すれば良いのだ」と思うと面白くも何ともなくなる(多分その方が「すごい」と思う現代アートファンもいるだろうが、、、)。
さて、この行き詰まり、どういう解決法があるだろうか?

「形の探求」では久しぶりにジャン=シャルル・ブレ(Jean-Charles Blais)を思い出した。彼は80年代初頭メトロのポスターの裏にイラスト的な絵を描いて人気者になったが、それから太い線描になりその頃大スター、以降急速にシルエットだけを求めるようになり、それが抽象化しそこで発展が止まってしまった。(とはいえデビューから変わらず同じようなマンガを書き続ける同時代の作家たちよりずっと高く評価しています)

ブレ、デビュー当時
それがこんな風になった

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