2015年12月12日土曜日

明日の選挙

前々回書いたように、日曜に現内閣で13の広域地方にまとめられたフランス地方議会選挙の第1回投票があり、極右のFNが全13の地域圏のうち6地方で第1党となった。
全国の得票率でもFNが約28%で首位。サルコジが党首の共和党中心の候補者リストが約27%で続き、オランドの社会党中心のリストは約23%。

この地方選挙では第一投票の得票率10%超の政党が明日の決選投票に進出。ここで首位に立った党が議席の25%を獲得し、残る 75%の議席は首位等も含め得票率に応じて割り振られる。つまり首位に立つと安定多数が得られる仕組み。だから一層FNが単独与党になると大変と、社会党は3位になった地方から撤退(但し中央からの指令に造反1名)、つまりその地方では6年間議席ゼロとなる決断をしたが、逆にサルコジは反FN戦線結成を拒否した(党内にも反論が多く、いまのところは失策。いつも書くようにやっぱり彼の考えていることは読めない)。

極右のFN支持でも政権を取らせるつもりはないという層が多い不思議なFN投票者、および社会党も共和党も国民(特に51%の棄権者)に「民主主義を守れ」と強く訴えており*、広い連合をすればFNより投票数は多くなるので、決選投票の世論調査ではFNが与党になる地方はないということだが、私はそれを当てにしていて良いか疑問を持っているし、そもそも多くの地方議会が与党と極右しかないということになるのが考えに余るほど異常なこと。やっとのことで洪水を土嚢を積んで押さえているような。。。

* 首相のヴァルス君は危機感あまってか士気高揚にか「内戦になる」とまで言って、、、どうも「戦争」という恐ろしい言葉が最近インフレ気味で私は気分が悪い)

「洪水の水位上昇」を所為を連続テロにするのはあまりにも安易すぎる。党首で次期大統領選候補であるマリー・ルペンは北部で主に失業問題により労働者層をうまく懐柔し、南部地中海地方の筋金入りのナショナリストの姪のマリオン・マレシャル・ルペンは主に移民と保安問題で富裕層に支持され共に40%を越す投票率。共に大衆受けしやすいプロパガンダが両側からに浸食している。

「人を変えて体制を変えよう」というマリー・ルペン(どういう体制なのかが問題なのだが)に対し、オランドもサルコジも再選戦略ばかり練って、彼女を応援しているとしか私には思えないのだが、、、国民の大多数も望んでいないのだから二人とも「出馬しない」と即宣言しなさい。それだけでも水位が下がる。これがフランスの将来を憂う私の今日の御神託です。

(最近のマリー・ルペンはニコニコ顔が多くて、、、写真掲載して右傾化した日本で人気が上がると困りますので今回も写真なしです)

2 件のコメント:

  1. 息子が怒って、「FNが嫌だ嫌だと言うなら、お前も仏国籍取って投票して来い。」と怒鳴っていまする。パリ市内は常に左寄りなんですよね。FNの強いところで投票権得ないと意味が無いけど・・・。

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  2. どうして怒っているのかな? 投票も出来ない外国人は口を挟むなという意味でしょうか? 同様にフランス人はアメリカや中国や日本の政治にとやかくコメントする権利はないと?

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