2020年1月9日木曜日

マクロンはサッチャーになるのか?

マクロンは頭が良さそうで抜けている。というと好感が湧きそうな印象を与えるかもしれないが、「下々の不満」に鈍感すぎるというのが正しいところ。

元旦に各界の有名人などに授けるレジオンドヌール勲章の受賞者を発表したのだが、その中にBlackRock(ウィキ)という世界最大の資金運用会社のフランス代表が入っていた。年金制度が、個人の積立金を資本運用していく方向になっていくとこうこういう会社は儲かるだろうが、実際政府にアドバイスを送っていたという話もある中、この1ヶ月以上続くストの下でこんなことする? 

その時にニュースでBlackRockはXX億ユーロ儲かるとか具体的に数字が出ていて、その説明が、高額所得者=月収1万ユーロ以上は負担金を一律2.8%にする法律がすでに政府は通していて、その分の見返りはないためお金持ち達は困ってそのお金を民間年金会社に預けるからというものだった。私はお金持ちの気持ちはわからないが、分担金が低くなった分収入が増えたなら喜んで違うことにパーっと使うとか(どうせ財産家だろうから)、彼らの趣味(人生の目的?)のお金儲けのためにもっと良い投資するのではないか? この私の素朴な疑問の検証は、意外に時間がかかったが見当違いではなかったようで、かつBlackRockは保険会社でなくて、保険会社がお客さんだから100%BlackRockに回るわけでは全然ないしで、批難の根拠が薄い」という記事が見つかった(参考 souce)。だが私がこれを書くのはその経済系のサイトを支持するためでは全くない。逆にこの事件のおかげで知ったのだが、大切なのは、このため28億ユーロと想定される金額が年金金庫から足りなくなるという事実。こんな法律を通しておいて年金制度の赤字の是正も何もあったものではないじゃないか! かつ月収1万ユーロ以上の人たちの分担額が極端に減るのは「マクロンは大金持ちの大統領」という批判を絵に描いたようなもの!

当初はそれほど興味がなかった年金問題だが、ストが続いて疑問を抱くにつれどんどん私の嫌疑は深まり反マクロンになってしまった:本当にマクロンはサッチャーになるのを夢見ているのか? 私が子供の頃「ゆりかごから墓場まで」と習ったの福祉国家の英国が、ケン・ローチの映画のようになったんですからね〜。どうして〜マクロンく〜ん?

ここで中途半端な妥協をしたらマクロン政府の思う壺。長引く通勤困難で民意が少し離れてきているようだから、せめて頭数一つでも増やせればと今日初めて反年金改正デモに行ってきた。土曜もまた行くしかないな〜

年金制度改正問題に関わる過去の掲載
12/19 消えたモンブラン
12/29 バレリーナ、見直したぜ!


ここまで読んでくださった方へのおまけ

日本だと暴力的映像ばかり流されるフランスのデモですが、こんな楽しい工夫(?)もあるのですよ〜。自分でも撮ったつもりだったけどi-phoneで撮影すると失敗ばかり。人の借りたほうがよっぽどいいですね。


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