2020年4月25日土曜日

夜空を仰いで数える星も

「あーあ、気が抜ける、フランスの感染度5.7%ですって」と書き出したのが月曜のこと。この数字はパスツール研究所のモデル解析による解禁予定日5/11の予想で、そのベースとなるデータは「ダイヤモンド…号」。日本は手を打たなかった結果、微妙な貢献(失笑)。イル・ド・フランス地方(パリとその外郭)は12.3%。「小数点以下まで出すか!?」と工学部くずれの私には思えてしまう誤差の大きそうな数値だが、とにかく感染拡大が防止されるとされる60〜70%とは程遠い。
私は勝手に感染済みではと期待していたのだが(参考3/19)、この数字の前で夢は粉砕。それにこの程度だと第二波が襲う可能性十分*。というか、もともと「監禁」は病院崩壊を防ぐのと治療法発見のための時間稼ぎに過ぎなかったのだから当たり前といえば当たり前だが、、、。

加えて連日晴天、初夏の陽気。1kmの制限を超えて行くベルシー公園を見下ろす旧高架鉄道路からは、公園内に早くも咲き出した牡丹の花がちらちらと遠くに。くやしい〜。あの牡丹たちの本当の美しさの盛りはやはり数日、5月11日(参考4/15)は遠い(かつ人が集いそうなところは目の敵にされているから公園がすぐ開かれるかわからないし)。

他の人も力が抜けたのか(?)、散歩する人も先週の2ー3倍は優にいる。セーヌ川沿いの自動車道の交通量もかなり戻ってきている。モラル的にも経済的にもやってられないのと、「解禁準備」という名目もできたからか? いつも橋のところで取り締まっていた警官もいない! 私が知らない「お達し」があったのか訝しく思ってしまうが、マスコミは「解禁」の話題ばかり:どのようになされるのかわからないので、いつもの通りああだこうだと。

その中木曜の朝のラジオで天文学者が「大気は澄んでいるし飛行機もいなくて星がよく見える。宵には金星が輝き、朝方は水星に木星、土星が、そしてこの3日間は流星群も通過する」と。そういえば禁足されて以来日が暮れてから外に出たことがなかった。そこで夜空を仰ぎに出てみたが、まずは暖かくてびっくり。本当に初夏だ。しかし通行人はほとんどいない。夜空の方はというと、我がアトリエの近くは大きなビルが多く、誰も仕事していないはずだがオフィスには明かりがあちこちついているし、第一街灯が高くてこちらは煌々と輝いてる。大学キャンパス近くに行くと、なぜか建物の上階に明かりがついていたが、いつもだと3つぐらいしか見えない星が少なくとも北斗七星は確認できたから20ぐらいは見えたかも(?)。結局こちらも通行人同様「淋しい」限りだったが、フランスの一般国民の100%がコロナ(およびその影響)にくよくよし 、広い視野のインテリの話題でも「コロナ後の世界」なのに、天文学者は超えている。

宗教だって、復活祭もイスラムのラマダン(断食)もコロナの前には屈するしかなく、信者は教会にもモスクにも集えず、ローマ法王は聴衆ゼロのバチカン広場で「復活祭」を祝ったが、その祝福の言葉だって神様キリスト様を取っ払うと「病に伏せたあるいは亡くなった人に同情し、病院関係者と社会維持に必要な仕事をする勤労者に感謝し、対コロナで一致団結、弱者を援助し、最貧国の借金を帳消しにし、ヨーロッパは団結せよ」等々、すべて正しいにせよマクロンの演説と変わらないではないか。(勿論マクロンと違って「戦争」といいださないのには救われるが)
私としては「世俗を超えた」方には「私たちはいつかは死ぬのです。恐れてはいけません」とか言って欲しいのだが、このブログのために全文確認したところ ** 法王は「神は死を破り永遠の道を開いた。彼は我々人間の闇を霧散させ、衰えることなき永遠の栄光に私たちを導いてくれる」と締めくくっていた。あー、コンセプト違う、、、失礼致しました。

やっぱり天文学者か私の方がよっぽど「禅」だ(笑)

禁足になって以来明らかに鳥の声はよく聞こえる。
では最後に加山雄三から良寛へ昇華いたしましょう。
  

形見にて なにか残さん春は花 山ほととぎす 秋はもみじ葉

 
* さっき聞いたニュースだとWHOが免疫性はあるかどうかわからないと言い出したそうだから、まさに未来は暗中模索ですね
** 参考ソース:法王のスピーチの全文
https://eglise.catholique.fr/vatican/messages-du-saint-pere/497411-benediction-urbi-et-orbi-2020/


藤棚。本当に動く範囲がきまってまして、3/30掲載のツメクサと同じ公園です。



下は散歩で偶然出会った我がアトリエビルに住むアーティスト。
かくの如く一触感染と警戒してる人が一杯なのが今日のブログの伏線でした

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