お宅に着いてびっくり、庭にミラベルの木があるではないか! 早速採りながらパクパクと。私なら二、三日で食べ終えてしまえそうな実のなりだったが、大勢お客さんが来るというのでケーキを作ることとなり、一日目はタルト、二日目は残りでスフレへの挑戦がなされた。写真でミラベルの変身ぶりをご覧あれ。(左:オーブンで焼かれるタルト 右:出来上がったスフレ)
特に料理本のプラムのスフレのレシピを応用したミラベル・スフレは絶品でした。生で食べても、調理しても美味しいとは! 改めてミラベルを惚れ直した次第。
ところでご主人Aさんは有名な「知識人」で、会話では私の知らない作家の名前がどんどん出て来てしまう。無教養な私の入り込める世界ではない。従って私は「ご夫婦を良く知っている」とはまるで言えない間柄なのだが、今回招いて頂いたのは何とこのブログのお陰。実は日本人の奥さんが私のブログの大ファンで、日頃から「それ故の親近感」を抱いてもらっているから。我がペンの力、馬鹿にしたものではないのである!
難しいと思われた、もう高齢のご主人Aさん、ぎょろっと眼を剥いて私に唐突に難しい質問をするかと思うと、エネルギッシュに語呂合わせを連射。ただの駄洒落か高尚なる詩の世界か、、、戸惑ってしまう。アンドレ・ブルトンやアンリ・ミショーとの出会いの逸話なども聞かせてもらい、結局予定オーバーの一週間以上の楽しい滞在となった。
「シェルブールの雨傘」なる映画があるように、この地方は天候がすぐれないのが普通だが、今年はパリより天気が良くて、一日中雨に閉ざされるということもなく浜辺にも二度行った。
(但し気温は低くて泳ぐことはなかったが、デッサン用の海水は採集した。)
コタンタン半島西岸、シュールヴル Surville の閑散とした浜辺 沖に英領のジャージー Jersey島が見える
* 「バカンスの国フランス」といえど、統計では夏休みに旅行に出ない(出かけられない)人は四十数%を占めるらしい。私は国民の半数以上がバカンスに出られると言うのはすごいと思うけど、所得層別に見ると当然大きな格差がつく。
低所得層の私だが、今回のお世話になりっぱなしの滞在を切り上げて今朝戻って来たのは、週末からバカンス第二弾が待っているから。坂田英三「一人前」どころか実は大いに恵まれているのでした。
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