2015年12月5日土曜日

二重国籍 誤謬訂正

前回「テロ対策二重国籍廃止を検討」としたのは正しくなかった。「国籍失効」でした。

フランスでは仏国内で生まれた外国の子は親の国籍(「血の国籍」)とフランス国籍(「地の国籍」)が得られる。日本のように二重国籍を認めない国だと18歳の時に片方を選ばねばならないが、そうでなければ二重国籍となる。二重国籍は、ほかにはフランスに住んで naturalisation つまり帰化申請をして「国籍取得」してもなりうる(フランス人と結婚してももらえるけどこれも申請が必要だと思う)。これまでの法律だと「重罪」を置かした場合、後者の二重国籍者は仏国籍を剥奪される可能性があった(ごく稀)。これを前者にも適応するのが新しい法案だった。(大誤り失礼しました)

もちろんテロ犯を前提にした改正だが、勿論「容疑」で国籍剥奪はできない。つまり犯罪を犯し、求刑された後の話。かつ聖戦テロは自爆犯だし、テロ抑止に効果があるとは到底思えない。そんなことで今までの「国の基本原理」を変えていいのかというので物議をかましている。(単一民族の「血の原理」にしか馴染みのない日本人にはピンと来ないかもしれない。私が改正法案の箇条書きを見て誤解したのもその所為だろう)

さて、そもそも今まで「国籍剥奪」は極右が得意になって振りかざすプロパガンダだった。それを社会党政権が実現する???  この現政権の「超右滑り政策」は選挙対策。実は明日「地方選挙第一次投票があるのだが、極右FNが幾つかの地方で第一党になるという大事態が起きうる。私の想像するところ、オランド君は超右派政策をとることにより、「極右対民主勢力」という図式を明らかにさせて(ひょっとしたら極右の馬鹿者どもがもっと逸脱するかもしれない。それは大チャンス)、FN支持層をサルコジに吸収させ、来る大統領選では反サルコジ票をまとめて再当選(可能性はこれしかない)という筋書きか? 私の想像が正しいとしたら、大統領の大計としてあまりにも悲しいですよね。
僕はサルコジが大嫌いだったが、彼の「策略」は読めず、大失態がいつも人気上昇につながるという怖い人間だった。オランド君はその点読めてしまって(?)、政治劇と傍観するに決めても本当にツマラナイ。ともかくこれ以上サルコジ(保守党支持者では常に大人気)を起こしてもらいたくない。

ところで秋のノーベル賞の発表の時、日本で「ノーベル賞受賞の日本人は米国籍取得者を含めこれでXX人」と報道されていたが、これって何なんでしょう。米国籍とったら米人でないの?二重国籍認めないんなら。

 サルコジ関連投稿:2013/7/5 ここに書いてあるタピのことも2年ぶりに進展ありました、また報告しなきゃ?(政治はどんどんニュースがあるからしんどいなぁ。やっぱり「美術」のほうが楽だ)

1 件のコメント:

  1. 私の知人(仏国籍も持っている)が最近の安倍風日本に絶望して、パリの日本大使館へわざわざ出向いて、「日本国籍捨てますので、手続きして下さい。」と言ったら「そういう手続きはありません、出来ません。」と窓口の人に断られたそうです。と言う事は表向きは重国籍認めないと言いながら、現実には重国籍目をつぶって知らないふりしてるんだ・・・と最近思ったところ。まあ、ノーベル賞取ったら、3-4代前の日本人でしかなくても日本人に数えて、犯罪者とかだと、日本人じゃない事にするんでしょうねぇ、性根すわってない役人多いから。


    返信削除