2014年9月21日日曜日

最後の夏の日 傲慢とぐうたら

7日にパリに戻った時、南仏に劣らぬ「夏」の気候だったので驚いたが、それからずぅーと好天と暑さが続き、結局今日が最後の夏の日の雰囲気。
たっぷりバカンスを楽しんだし、この例年にない高温、まだ海水デッサンの大作に挑むチャンスと意気高揚していたが、画材屋さんに注文の「紙」はどうなったか問い合わせたところ「10月初旬入荷予定」とのことで、がっかり。

と言う訳で帰パリ1週間はバカンスブログをいつになく丹念に書き、そして今週は???いったい何をしたのだろう? 先週金曜に久しぶりにクスクスを食べた以外の記憶が、、、勿論一応「一日一作」は続けているが、あまり満足も行かず、どうもやる気がしない。

一方新学期(=新年度)が始まり、毎日の様にお友達の展覧会案内メールが届く。こんなにだらだらしているぐらいならグループ展にでも参加した方がいいのかしら? 気弱になっていると意外にそういうお誘いが来るもので、Fさんから自分のアトリエでの企画に関し(参加者が足りないのか?)電話があったと思ったら、今度はバスチーユ界隈のアーティスト協会の友人にばったり会ったら、「アトリエが『界隈』にあろうがなかろうが、関係なし(確かにバ地区は家賃が上がりアトリエはなくなりつつある)。お前みたいな良いアーティストが会員になってくれた方がいい」とおだてられ〜、少しよろめいて、、、確かにより大勢の人に見てもらうチャンスにはなる、でも本当に参加したいかというと、正直どうかな〜。先に述べたようにグループは性格上その地区から発生したから、芸術的方向の共通性などない。特に最近公園で行っている企画は「野外インスタレーション」という言葉で一緒くたにしてもらうと困るような類いが多いようで、絶対参加したくない。傲慢かな〜? グループ展ではハーモニーがあるかどうか、そして各作品の表現が伝わるかどうかは「箱」にもよる。何でも「参加することに意義がある」みたいなアクティブ思考にはなかなかついて行けなくて、、、。それに加えインスタレーションとかパーフォーマンスはペイされるべきという主張を(ほぼ)貫いているから一層傲慢。
「何もしないよりもいいか?」と私が勝手に思っても、一応入会には「審査」があるようで、私の場合案に相違して不思議に「落とされる」可能性も大いにありで、、、。

これも作品?
これも作品
 ところで南仏では10年前に参加したno-made展その時の作品を準備中のモナコの西に接するキャップダーユCap d'Ailの豪華ヴィラにも顔を出し、ついでにツバをつけて来た:P君が浜辺で拾ったビーチボールが苗木の上にあって風に揺れていたのが気に入って、ナイロン糸で固定写真左。no-madeは2012年にも参加し「無垢のツバメの巣」写真右をニースの大学の図書館に設置参考。それを撤収したとき旧ブログ、いつも泊めてもらっているCさん家の子供部屋に一つ取り付けのだが、コウモリだけでなく野鳥保護もする彼女、巣から落ちて養育中のツバメが空になった水入れにくるまっているのを見て、「巣が要る!、何かないか」と考えを巡らせ、私の作品が候補となり、鳥小屋の中に入れられることになってしまった。「本当の巣になったらすてきじゃない!」と言うCさんだったが、結局ツバメは金網にへばりつき、彼らの好みには合わなかったようだ。そういえばウエルベックの「地図と領土」7/29, 8/3, 8/11で、主人公と常に距離があった建築家のお父さんがなくなる前「子供のときに『ツバメの巣』を作ったのに、ツバメは寄り付かなかったのに心傷ついた」という予期せぬ吐露に主人公は「ツバメは自分の作った巣にしか住まないそうだ」という作り話(?)で答えた。これが平坦な描写の同小説で一番人間的なエピソードだったが、私の「殺菌漂白」されたような巣にツバメが眠るかもしれないというのは、どこまでもポジティブなCさんならではの発想だった。それ以前に「作品」と思われていなかったかもしれないけど、、、☺

ちなみに「ツバメの巣」は12年秋の名古屋Lギャラリーの個展でも天井近くにつけられていたが、それに気がついた人は何人いたか?

注:一度手を離れた作品はその運命にまかせます

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