2017年5月11日木曜日

お告げのデルフィ

私はヨーロッパに来て三十有余年になるのに一度もギリシャに行かなかったのは、遺跡で感動のあまり足を踏み外し、転んで大理石に頭をぶつけて死ぬという、ありありとしたお告げのような夢を大昔(日本にいた頃)にみたのが実は大きな理由の一つだった。場所はアテネのパンテオンかデルフィあたりかと推測していたのだが、もうそろそろ死んでも悔いはないので気を楽にして(?)デルフィへ。

だが遺跡に着いたときはびびった。夢の話で始めた割に、私は霊よりもずっと理性に捉われた人間なのだが、心臓ドキドキ、身体ピリピリ、バイブレーションが伝わってくる。ギリシャの神々(=人々)が聖域としたのが当然。人がわざわざ「名所旧跡」に足を運ぶのは、「見る」以上に場所を「感じる」為ではないか。殆ど見もせずセルフィで喜んでいるツーリストが大多数の今日だが、のんびり土地に親しみ「観」から「感」への旅を試みる人もまだいるはず。そうした人の役に少しでもたてばと連日「旅行情報」を書いているのです。

残るは数本の柱のみ。一番下の再現モデルとお比べあれ
「こんなところで転んで、、、」と思っていたのだが、現在は立ち入り禁止

 私はメテオラの麓のカランバカからデルフィにバスで向かったが、何と3回も乗換。最初のトリカラ(Trikala)は待ち時間15分、次のラミア(Lamia)では30分待ち(運行会社が変わるのかここで切符を買い替える)、ここまではメテオラの切符窓口で言われていたとおりだった。2時過ぎにデルフィまであと10km少々というアンフィサ(Amphissa)に到着したところ、そこでの乗換は想定外の1時間半待ち!(土曜だったからか?)。バスターミナルは郊外で周りに何もなさそう。途方に暮れたが、バスオフィスで荷物を預かってもらい同じバスで難破してしまった二人組と大通りまで出たら(100mぐらい?)地獄に仏(笑)、カフェバーがあり小魚のフライなどを食べていたらあっというまに時間は経った。カランバカを9時に発ってデルフィに着いたのは午後4時20分。1日がかりだったがバスからの景色は山越え谷越え、花に囲まれた道もあり、ずーっときれいだった。

私はそれからホテルを選び、人影少ない夕暮れの時のデルフィの遺跡(夏時間でまだまだ明るいけど)に向かったのでした(20時まで)。

人、柱を見に来るのみにあらず
思わず走りたくなってしまうような競技場。でもこれも立ち入り禁止、残念
 そのデルフィでは私の目の前で子供が転んで、ほんの数センチで石の角に頭をぶつけそうになった。私としては珍しくお母さんを叱ったら子供がびっくりして泣き止んだ。私の正夢(?)ではないが、どこの遺跡も石畳は滑りやすいので気をつけましょう。

本当にこのようにぎっしりと石の建物が立ち並んでいたら威圧的と言おうか、ちょとうんざりしそうだけど
 
世界文化遺産ですので歴史等は次のサイトなどをご参考に
デルフィの考古遺跡


  これはデルフィから昔の「デルフィ詣」の港だったイテアを望んだところ。バスでも40分はかかるからここまで登るのは大変だったでしょう。長居する人にはハイキングコースがあるそうです。ここは所詮観光の街なので私は翌日の午後さっさと引き上げましたが、、、。


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