2016年2月26日金曜日

さらば BNP

日本の皆さんは殆ど興味はないと思いますが、ストレス解消のため私の銀行BNP-Paribasのことを書かせてもらいます。
12/291/16に年間30ユーロの口座維持費が取られることになったことを書きましたが、その後支店の担当係からは連絡皆無。逆に本社のカスタマーサービスから「この維持費の支払を拒否することは口座の閉鎖を意味します。そのおつもりでしたら支店長にその由書簡でお伝えください」との手紙が来た。12/29に参考にした「銀行利用者の会」によると「各銀行評判も気にするから、、、」ということだったが、そんなことは全くなく、私のような「貧乏顧客」を引き止めるつもりはいささかもないことが見事に明らかにされた。

ここまでされて同銀行にいるというのは屈辱的でしょ? だから銀行探しました。知らなかったのだけれどインターネットバンクでも「小切手」が無料でもらえるそうで、「ここに申し込み!」と決めて手続きにかかると、口座開設には何千ユーロも振り込まなければならなかったり、月収1200ユーロなければいけなかったりで、バツバツ (>_<)。申し込みを中途で放り出すと後でちゃんとメール、加えて電話までかかってきて、、、こんなに熱心なのはやっぱり私みたいに銀行替えをしようとしている人が多いということだろうか? 収入制限もなく最初の敷居も低いところが一つあって、ネットだけってちょっと心配だけれどそれにほぼ決定。

そもそもですね、「デジタル化して口座の安全対策の為にお金がかかるようになったので管理費を取る」という(と銀行係員のみならずニュースでも言っていた)論理は絶対におかしい。オンライン化すれば人員、店舗数を大幅削減できるから、安全対策を天秤にかけても「大儲け」できるからそうしたんのでしょ? ハッカーの攻撃は「想定外だった」?? あるいは世の中の流れで仕方なく??? そんなことあり得ない!!! 

一昨日のTVニュースを見ていたら、BNPは私が心配したアメリカの罰金(12/29)をものともせず業績が好調らしく2300〜6100ユーロのボーナスがあるとのことで(ちなみに仏国鉄は400€のみ)*、、、 絶句、もう絶対これっきり Adieu BNP! とはいっても自動振込の変更とか色々あり、縁切り状を即叩き付ける訳にいかないのが悔しい。

最後にこの話のポジティブな面を書くと、支店に呼び出された時に「銀行経由で健康保険をかければ管理費ゼロ」と丸め込もうとされたが、保険費の見積もり段階で「非給与所得者」には優遇枠があることがわかり、劇場関係者とか芸術家とかは国家社会保険のシステムが特殊なので調べなさいと言われた。調べてみると画家は「優遇枠」に入り、かつ芸術家協会が某保険会社と契約して作ったBNPの見積もりに比べて格段に安い保険を発見。だから最もベーシックな「入院保険」に入りました。これで突然倒れても安心です☺

*http://www.francetvinfo.fr/economie/automobile/economie-a-quoi-correspond-une-prime-d-interessement_1329817.html

Photo prise de la page suivante ;
http://fr.ubergizmo.com/2013/03/19/windows-phone-7-8-windows-phone-8.html

2016年2月23日火曜日

胸一杯のストレス

どうも歯の具合がおかしくて、ふとした拍子に片顎全体に激痛が走るのだが、レントゲンを撮っても異常なし。全然虫歯がないというのは良いニュースなのだが、つまりは治療のしようがない。おそらくと私が疑う歯は神経も生きているので無闇に殺すのも、、、。
問題が発見できないのと問題がないのとは違う。そこで突如登場したのがストレス。
F先生によると私の歯には一杯微細な亀裂があるらしくて、それはストレスが原因だとか(つまり歯をくいしばる。全然頑張るタイプじゃないのですが)。

私は耳鳴りという問題もあって、これは穴蔵のライブハウスでパンクロックなんかを聞いていた所為と思っていたのだが(実際二十数年前の最初の兆候はコンサートの翌日だった)、これも治療の当てのない耳鼻科の先生にはよくストレスと言われ、、、。

うーん、私の生活、そんなにストレス一杯とは到底思えないのだが???  
というか、世間一般に比べれば全然ないはず。

確かに展覧会もインスタレーションも、恥ずかしい仕事はしたくないからそれなりに緊張はする。でもそれも長くて数日から1週間ぐらい。かつそれは自分の「アーティストとしての意識」の問題で、人や社会に謝罪するような問題には至る心配はないから、言ってみればごく軽いストレスでしかない。
困ったなー:解決の目安なし!

銀行にも腹が立つし、オランドにも腹が立つし、、、
とはいえそんなことで私の健康が蝕まれているとは思えない。ブログで書こうと思って全く書かずにいるのがストレスかも(笑)

写真は報告しようとしてまだしていない展覧会。健康のため今度書かねば:ストレス、ストレス、、、

「口と耳」、やはりフランス語が自由にならないというストレスか? あるいジュテームと言いたくなる人もいないストレスか? 考えれば考えるほど胸一杯にストレスが、、、ネンブツネンブツ、歯磨いて寝ましょう。

2016年2月13日土曜日

手向けの花

内閣改造があって、私のブログの文字通り(名前通り)「花」になりそうな勢いだった文化相フルール・ペルラン Fleur Pellerin が辞めさせられてしまった。「させられて」というのは、マスコミによると、失敗が多かったのに本人はそんな危惧はまったく感じていなかったそうで、、、。

昨日の大臣交代の挨拶で
「スラム街で見つかり質素な家族の養子になった子供がある日文化相になれる国は世界に少ししかないだろう」(抜粋)
と述べた。これは本当!
というわけで私のブログでも最後の花道を飾ってもらうことにしました。とはいえ若いしまだまだ野心満々でしょうのでどうなりますか。

替わった大臣もまた女性(オランド政権発足後既に3人目で全員女性)で、スクーターで逢引していた女優さんの親しい友達とか。これは週刊誌ネタなのでこれまで。 大体私には今頃何故内閣改造するのかもさっぱりわからないし。

彼女に関する過去の投稿:
2015年3月29日
2015年11月2日

新旧大臣です

2016年2月11日木曜日

むなしき論争

「歳をとると早起きをする」何て誰が言ったのだろう? 私は最近毎日眠たくて眠たくてね仕方がない。私はその一因を「国籍剥奪」論争の所為だと思っている。私が最初に書いたのが12月2日だが、元はと言えばテロ襲撃の直後11月16日(私は日本にいた)に議員を前に演説して発表、その時は全員が拍手喝采したらしいが、「憲法に入れる」という段になって法律的+歴史的背景からの反対が続出。それ以来ずーっとこれが国内政治の最重要課題となり、様々な発言がこの何かを決定的に欠いた「失敗連続ドラマ」を彩り、先月末には個人的には反対で進退をずーっと取りざたされて来たトビラ法相が辞任した。これが第一幕の終わり(?)

勿論「どうでもえいやないか」とは決して思わない。特に私は反対なのだから。「実際的な反テロ的効果がゼロ」なことは誰もが認めているのだが、政府は象徴的行為が必要だと言い張っている。私には国籍剥奪どころか「非常事態」の項目を憲法に定める必要があるとさえ思えない。憲法になくても実際11月以来「非常事態」は実施されているのだから。

火曜に下院で採択され、憲法に盛り込まれる予定のその「非常事態」の条項によると「国家秩序への重大な侵害から生じる差し迫った危機あるいは国家の惨禍」ということで(public:公共という単語はこの場合「国家」でよいのだと思うけどnationという言葉も使われるので、専門家でない私の解釈は正しくないかもしれないが国家にせよ公共にせよ国民にせよ)、これならテロでなくても重大な原発事故でも適用できそうと思う。国家に対し国民の権利を守ってくれるのは民主憲法、だからこそどんな状況でどんな風に使われるかわからないことを憲法に入れてはならないのだ。

かつこの私が国籍剥奪以上の大問題と思う改正案第一条の投票に議員441人が欠席して103人の投票で採択された。ええっ、国会議員もどうでもいいと思っている?
「憲法改正は60%の賛成が必要で」と何度もマスコミが言ってフィーバーしてたのでどういうことかと思ったら、実のところ下院、上院を過半数で通過した後に両院全議員の総集会がヴェルサイユであり、ここで60%が必要となる。だからそれまでは欠席でも影響なし???

とはいえ第二項「国籍剥奪」の条項採決では出席議員が増えて317人集まった。私の知らぬ間に「二重国籍に限るという」という条件がなくなって、平等に仏人だれでも国籍剥奪される。でも無国籍は出せないので実際には「投票権などの国民の権利の剥奪」ということになるようだ。というように内容が二転三転して、はなっから改正必要なしと思っている私は聞く気にもならないのだが、私が一番興味があるのは、国民の大多数(11月には何と94%、その後下がったとはいえ1月でも70%を優に越す)が賛成していることとの極端な乖離。買いかぶってみれば、政治家は国民の「感情」よりももっと大局のことを議論していると言えるだろうが、どうみても不毛なことに彼らおよび関係各局の官僚たちのエネルギーが割かれている。反対の私も賛成の大多数もこれは一致した意見だと思う。

兎も角ですね、例えばモロッコ人移民の子供でフランスで生まれ育った若者が過激化してテロを起こした場合、仏国籍を奪って刑期後はモロッコに受け入れさせるということ? フランスの教育・社会問題でしょ、無責任にもほどがある! とかっかしても私には剥奪される国籍もないのですわー

後記:ごく少数派でがっかりしていた(1/16)のですが、昨日ラジオで私が日頃思っていたことを言っている人がいたので本日自信を取り戻して書きました。

写真は本稿とほぼ関係しませんが、FBに載せたら好評だった「パリの由井正雪」です


「国籍剥奪」に触れた以前の投稿
1/16 終わらない銀行と悲しい現実
12/5 二重国籍 誤謬訂正
12/2 これでは安倍政権と変わりない

 

 

2016年2月8日月曜日

ガニーのオープニング

Note : Je montre ici une photo avec Monsieur le Maire de Gagny, à la soirée du vernissage Ce n'est pas pour me vanter de l'expo, mais pour dire aux lecteurs japonais que j'ai bien apprécié son speech d'inauguration à la fois pertinent et aimable. 
 (Sur mon expo à Gagny, voir cette page)

今回の個展会場のガニー市は郊外線(RER-E)で25分、駅から歩いて5分もかからないだろう。だから簡単に行けると言えば簡単なのだが、パリジャンにとって知らない郊外の都市は地の果ての感がある。私にとってもそれは同様。だから来て下さった9名の友達、知人には大いに感謝するところ。加えてそれが尚更なことには、オープニングの来場者が意外に少なかったのだ。

私の経験では、市や区が行う展覧会のオープニングは「美術にまったく興味のなさそうな人がカクテル目立てにわんさと来るもの」であった。ある意味の市民サービス*なのか、市長が来るから関係各課の職員が動員に励まさせれるのか、、、加えて今回の会場は子供が音楽、ダンス、美術を習いにくる(フランスでは父兄が子を送ってくる)ところなので一般市民に馴染みの場所、だからきっと人数だけは大勢だろうから、わざわざパリから知人に来てもらわなくてもと思っていたのだが、閑散ということはないにしても私の想像とはかなり異なっていた。

写真右のミッシェル・トゥレ(Michel Teule)市長、名前に聞き覚えがあると思ったら、ミッテラン時代、国会の多数逆転でシラクが保守内閣首相であったとき(1986-88年)の首相官房補佐であり、保守党(当時はRPRなる名)の幹事長だった政治家だった。彼が到着する前に市の美術顧問に色々質問されたのだが、この人が話をまとめてスピーチするとなるとかなり心配になるざるえなく、先に書いた「公式行事」のもう一つの悪い面がでてきそうと天を見上げる思いだったのだが、、、
少し遅れて来た市長さん、私が係に送ったごく簡単な企画書と、ひょっとしたらサイトも見てもらったのかなぁー、何れにせよちらっと目を通しただけだろうはずだが、少々遅れて着いてまだ作品も見ていないのに、非常に的確に、かつユーモアも交え、私の作品を簡潔に紹介して下さった。それが見事で、私は要職に就いた政治家の「レベルの高さ」を感じた次第。公式行事嫌いの私がこんな新聞地方版のような写真を掲載するはそのためです。

という訳で市長さんにも、来て下さった知人にもメルシー、メルシーです(オープニングは先週の火曜日でした)。

*トゥレ氏は1995年以来ガニー市長、前回の選挙は第一次投票で60%を越す圧倒的スコアで再選したそうで、こういう「敵なし」という政治環境がひょっとすると「動員人数」の少なさに関係しているのかもしれませんね

前回も書きましたが展覧会の写真はコチラのイベントページもどうぞ
https://www.facebook.com/events/1715436908692087/

後記:人が少なかったのを惜しんでは全くいません。カナッペの奪合いのようなあさましい光景見られなくて良かったです☺