2019年4月28日日曜日

展覧会に向けて

こうやって片付けるとアトリエ、ものすごく広く見える!
今度の7月に銀座の画廊で個展をさせてもらう*。秋に伺ったのだがだが、まさかすぐにさせてもらえるとは思わなかったので、何となくどんな空間だったか裏覚え。図面をもらったのだが、その時の印象とスペース感が合わなくて、、、結局アトリエの床に図面の寸法に合わせてテーピングし、やっと場の感じが再体験できた。その結果、縦1mの大きいドローイングでは圧迫感がありすぎるように思われ、、、。ミドルサイズが合うと思うのだが、「卵でも砂時計でも小さくすれば」と思われるかもしれないがそう簡単にいかない。 海水と墨が生み出す不思議なマチエールの繊細さとダイナミックさが中途半端となり、どうもミドルサイズでは成功したためしがないのだ。だから何か新しいモチーフで挑戦できないかなと試行錯誤する日々。

つまり自分の一番良い作品を飾ったからと言っていい展覧会にならない。「場所固有」とまでは言えないものの、展覧会も画廊空間との折り合いをつける為に頭を悩ます。凝る人は会場の縮小モデルを作るぐらいで、、、。つまり展覧会は準備するのもそれなりの仕事で、これは普通の人にはわかってもらえないだろう。

実は早くから作品を取りに来たいと言っていたドイツの画廊の個展のためにアトリエにての簡易シミュレーションをしていたのだが(こちらはずっと広かったので壁の部分部分を想定して。壁に飾ってあるのはそのための作品)、それがキャンセルになり、ギャラリーの下見に行く理由もなくなったのが、急にイタリア旅行へ行った原因だった。

ところで3/24に書いた本のクラウドファンディングだが、4日で目標達成!!!
目標は必要最低限予算で低めの設定だったが、そう簡単に行くとは思わなかったのでびっくり。その後イタリア旅行している間に150パーに達し、、、でもキックスターターから「アクティヴィティがありませんけど?」と毎日催促が来る。何をすればいいのか? 折角だから4ページ内容を増やしたのだが、急に増やすと全体の整合性が崩れたような感じもあって、ありがたいことですが、新たな悩みが生じた(笑)

というわけで頑張ってます(と言わないとそうは思われないので) 。

* 予告:7/3日から13日まで フォルム画廊にてですので宜しく応援ください。本もその時には見てもらえる予定です。


2019年4月19日金曜日

アマルフィかミノリか?

前回書いたソルジェート温泉以外に、「絵葉書」のようにあまりにも美しそうなアマルフィ海岸も、それから童話の国のような白亜の壁に円錐型のトンガリ屋根あるアルベロベッロも昔からの行ってみたい場所だった。 知らないうちに後者ニ箇所はユネスコ世界遺産のお墨付きをもらい、そのせいか昔からかは知らないが、行ってみたら大観光地だった。アルベロベッロは絵葉書の様な写真から勝手に寒村というイメージを抱いていたので、お墨付き地区が大きな都市の一区画でかなりびっくりした(本当に何も勉強せずに飛び出てしまうので、、、)。実際にはあの可愛い伝統家屋のトゥルッリ Trulli はアルベロベッロのみにあるのではなく、イトリア Itria の谷に広がっており、街周辺の農家、あるいは別荘風の家屋の半数以上はトンガリ屋根をキープしていて、その風景の方が旅心に馴染んだ。

これが現実?アルベロベッロの目抜き通り
こういうところもあったけど
またアマルフィの半島の絶壁海岸はあのぐらいの美しさなら地中海岸に幾つもあるような気がするのだけれど、、、アマルフィの特有なところはそこにカラフルな建物が段々に重っているところ、そのインスタ映えぶりは例がないかな?(最近風景もアートもインスタ映えだけで値打ちが決まるとますます思うようになって来た)。かえって私はドゥオモの正面とクリプタ(納骨堂)の立派さに驚いたけど。
と言う訳で双方ともにちょっとがっかり。

こんな風に田園にとんがり屋根が散らばっている
私はガイドブック片手のいとも平凡な旅行者だから完全に観光コースからそれてしまうことはないけれど、街の人で賑わっているキャフェやレストランを覗いて入ってみるのが好きだから、客引きも辞さないような土産屋の並ぶ「お墨付き」の街は遠慮してしまう。それでアマルフィではバスで10分のミノリ* Minori、アルベロベッロではバス20分の綺麗で華奢な白亜の建物がまるでオペラのセットのようなマルチナ・フランカ Martina Francaで泊まった。観光地であっても普通の生活の生きる街をという選択。

ミノリ* は名前が親しみやすいのと、ブッキングサイトで山の上みたいな写真を載せる宿に興味が惹かれ予約したのだが、庶民的な小さな村で「わたくし的」には大正解。街の人も買いに来るテークアウトの店から、(私の嫌いなスパまであるからか)一流のレストランもある。崖の上からアマルフィ海岸を望めるラヴェッロ村へハイキング路を登って行けるし(ゆっくり歩きでも1時間弱)、そこからアマルフィにも下りられる。アマルフィからバスは朝から晩まで少なくとも1時間に一本はある。ビーチもある。なかなかいい立地だと思うのだが、何と泊まった宿は4月開業して以来私が初めての客であることが発覚。売店で絵葉書を求めると棚の奥から黄ばんだ代物が出て来るし、、、楽しすぎるほどやばいよねー、「ここだ!」と思った我が選択のマージナルさも含め。だから何かの役に立てれば幸いと(そうなるとは思えないが)、同村の宣伝を買ってでているのです^ ^

宿から降りる階段から見たミノリの町とビーチ
ミノリは人が親切だったし、何故か夜中に花火も上がって余計印象を良くした(笑)
日本人団体もいたラヴェッロのヴィッラ・チンブローネの公園。珍しく記念撮影
マルチナ・フランカで若い兵隊さんたちが肉屋で串刺しを注文して
その場で焼いてもらっていたので、私も真似をした。
勿論私のは右端の小さいもの


マルチナ・フランカは目抜き通りから一歩入ると細い道が折りくねっており、
ナビを見ても何度も迷子になった。
 これはそれでで出会えたアートしてる不思議な飾りつけ。イースタだったからか??? 

納骨堂って簡素なことが多いと思うが、アマルフィのデゥオモは違って、流石バロック、絢爛豪華。
 海洋王国時代の繁栄を伺わせる。
でもこれで驚いていたら実はサレルモは同じ様式でもっとすごかった(笑)


今日書いたところ、地名をググれば色々丁寧な案内ブログが出て来ますので旅のメインストリームはそちらをご参考に。 

*ミノリはないと思っていたら、一般的表記(発音?)はミノーリらしく、幾つも出て来た(心配することなかった!でもあのゲストハウスは心配だな→部屋は広いし、景色よし:花火の写真も宿の窓からです)

さてここまで言われて皆さんはどちらに行くか?
 

2019年4月17日水曜日

ソルジェート温泉海岸(イスキア島)

 去年から海水取りをかねてふらふら海岸地方に旅行するようになったが、ギリシャ、スペイン西岸の旅に比べて今回はもう一つだった。

一番の理由は最初に楽しさのピークを迎えてしまったことにありそうだ 。

そのピークとはナポリから30km沖合のイスキア Ischia 島の、岩場の波打ち際に温泉が湧くバイア・ディ・ソルジェート(Baia di Sorgeto)。温泉好きの私としては長年一度行ってみたいと思っていたところなのだが、ほんとうに火傷しそうな熱い湯が岩と岩のあいだからノズルで噴出したように出て来ており、そこに波がざんぶりことやって来てお湯と水が混ざる。だから適度な水温になりそうな場所を探す。でも熱くなったり冷たくなったり。一定の温度でゆっくりお湯につかるという習慣を持つ私ども日本人ならば岩でしっかり囲って適温の温水が貯まる場所を作ることになるのだろうが、ザブーンでお湯と水が混ざるどころか身体も揺られ、、、つまり「とても面倒な温泉」なのだ。

この野趣に加えて、流石イタリア、知らない人どうしでぺちゃくちゃぺちゃくちゃ、とても庶民的で、老人たちが健康の為プールの中を歩いたりマッサージを受けたりする所謂こちらの「スパ」(これで実はイスキア島は有名)とは全く違うし、日本の温泉とも違う。単にお湯の湧く変わった海岸と言った方が正しいだろう。勿論入浴料なんてないし、結局は甲羅干しをしている人の方が多い。最後に良い席を取ってずーっと入りっぱなしでしゃべりっぱなしの、風呂場を仕切っていたようなおじさんを記念撮影して機嫌良く帰って来たのだが、何故か写真がない。浮かれすぎて誤操作したか???

© tripadvisor より転載
掲載写真がないのでインターネットで調べたら、ちゃんと岩で風呂場が囲ってあるような写真もある。私の行っていたときは満ち潮で、荒天のあとだったから波もそれなりに高かったということか? 右の写真は私の見たソルジェートに一番近い感じ。

場所の写真も行き方も次の日本語サイトに完璧に載っているのですべて譲ります:

https://amoitalia.com/naples_island/ischia_baia_sorgeto.html

今読むと「足下が滑るのでビーチサンダルを持って行くと便利かも」と書いてあるが靴みたいに履けるサンダル絶対あったほうが良い。幸い大事には至らなかったが、私は直ぐに滑って転んだ。岩場だから危険。それから左回り巡回バスCSのほかに1番、21番もパンツァに行く。小さい村落で乗り過ごさないか心配になるが、バスは内陸のパンツァからサンタンジェロというこぎれいな港町に下って、そこからまた戻ってくるのでもし降り損なってもあまり問題はないだろう。(私はそこへ行って海水採取(笑))

実はこの温泉海岸は私がいつも持ち歩く、フランスのすごく役立つ旅行ガイドブックの「ルター」(Routard)に記載がない(スパは紹介しているのに)。ちなみにtripadvisorサイトの「イスキア島のベストアトラクション」のトップ10にも入っていない! 他に大したものないはずなのだけど、、、。日本人以外の気はそそらないのかな?

先に触れたようにイスキア島を訪れる一般旅行者は健康施設の「スパ」(島内にいっぱいある)に来る人が多く、町を歩いて年寄りばかりでうんざりする(今や私も一員だが)。スパはお金の余裕のある欧州の年寄りの交際サイトでもあるようで、バスに乗っていると老人夫人ハンターの会話が聞こえて来た。うんざりうんざり。
ありがたいことに当然こういう人たちは長い階段を上り下りするソルジェート温泉海岸には来ない(来れない?)。

つまり島自体は好きにはなれなかったのだけれど、この温泉は格別だった。

今回の旅行は出発前の天気予報では天気の良いはずの南イタリアなのに例外的に雨が多かったのだが、実際そのとおりで、天気予報が翌日は良しとするのでそれを信じてナポリに着いて翌日荒れた海をフェリーで渡り(それがFBに載せた下のビデオ)、快晴の一日を午前は島の中心のエポメア山に登って(フォンタナFontanaという村から登山道が整っている。ゆっくりあるいても山頂まで1時間だろう)、午後は温泉で過ごしたのだった。
それに結局この一日がおそらく10日間の旅行で一番の好天だったのだ。。。

エポメア山への山道こんなところも。ここは学校の遠足コース?