去年から海水取りをかねてふらふら海岸地方に旅行するようになったが、ギリシャ、スペイン西岸の旅に比べて今回はもう一つだった。
一番の理由は最初に楽しさのピークを迎えてしまったことにありそうだ 。
そのピークとはナポリから30km沖合のイスキア Ischia 島の、岩場の波打ち際に温泉が湧くバイア・ディ・ソルジェート(Baia di Sorgeto)。温泉好きの私としては長年一度行ってみたいと思っていたところなのだが、ほんとうに火傷しそうな熱い湯が岩と岩のあいだからノズルで噴出したように出て来ており、そこに波がざんぶりことやって来てお湯と水が混ざる。だから適度な水温になりそうな場所を探す。でも熱くなったり冷たくなったり。一定の温度でゆっくりお湯につかるという習慣を持つ私ども日本人ならば岩でしっかり囲って適温の温水が貯まる場所を作ることになるのだろうが、ザブーンでお湯と水が混ざるどころか身体も揺られ、、、つまり「とても面倒な温泉」なのだ。
この野趣に加えて、流石イタリア、知らない人どうしでぺちゃくちゃぺちゃくちゃ、とても庶民的で、老人たちが健康の為プールの中を歩いたりマッサージを受けたりする所謂こちらの「スパ」(これで実はイスキア島は有名)とは全く違うし、日本の温泉とも違う。単にお湯の湧く変わった海岸と言った方が正しいだろう。勿論入浴料なんてないし、結局は甲羅干しをしている人の方が多い。最後に良い席を取ってずーっと入りっぱなしでしゃべりっぱなしの、風呂場を仕切っていたようなおじさんを記念撮影して機嫌良く帰って来たのだが、何故か写真がない。浮かれすぎて誤操作したか???
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© tripadvisor より転載 |
掲載写真がないのでインターネットで調べたら、ちゃんと岩で風呂場が囲ってあるような写真もある。私の行っていたときは満ち潮で、荒天のあとだったから波もそれなりに高かったということか? 右の写真は私の見たソルジェートに一番近い感じ。
場所の写真も行き方も次の日本語サイトに完璧に載っているのですべて譲ります:
https://amoitalia.com/naples_island/ischia_baia_sorgeto.html
今読むと「足下が滑るのでビーチサンダルを持って行くと便利かも」と書いてあるが靴みたいに履けるサンダル絶対あったほうが良い。幸い大事には至らなかったが、私は直ぐに滑って転んだ。岩場だから危険。それから左回り巡回バスCSのほかに1番、21番もパンツァに行く。小さい村落で乗り過ごさないか心配になるが、バスは内陸のパンツァからサンタンジェロというこぎれいな港町に下って、そこからまた戻ってくるのでもし降り損なってもあまり問題はないだろう。(私はそこへ行って海水採取(笑))
実はこの温泉海岸は私がいつも持ち歩く、フランスのすごく役立つ旅行ガイドブックの「ルター」(Routard)に記載がない(スパは紹介しているのに)。ちなみにtripadvisorサイトの「イスキア島のベストアトラクション」のトップ10にも入っていない! 他に大したものないはずなのだけど、、、。日本人以外の気はそそらないのかな?
先に触れたようにイスキア島を訪れる一般旅行者は健康施設の「スパ」(島内にいっぱいある)に来る人が多く、町を歩いて年寄りばかりでうんざりする(今や私も一員だが)。スパはお金の余裕のある欧州の年寄りの交際サイトでもあるようで、バスに乗っていると老人夫人ハンターの会話が聞こえて来た。うんざりうんざり。
ありがたいことに当然こういう人たちは長い階段を上り下りするソルジェート温泉海岸には来ない(来れない?)。
つまり島自体は好きにはなれなかったのだけれど、この温泉は格別だった。
今回の旅行は出発前の天気予報では天気の良いはずの南イタリアなのに例外的に雨が多かったのだが、実際そのとおりで、天気予報が翌日は良しとするのでそれを信じてナポリに着いて翌日荒れた海をフェリーで渡り(それがFBに載せた下のビデオ)、快晴の一日を午前は島の中心のエポメア山に登って(フォンタナFontanaという村から登山道が整っている。ゆっくりあるいても山頂まで1時間だろう)、午後は温泉で過ごしたのだった。
それに結局この一日がおそらく10日間の旅行で一番の好天だったのだ。。。
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エポメア山への山道こんなところも。ここは学校の遠足コース? |