2019年6月24日月曜日

エイゾウ、モットハッキリ!

普通の人に比べたらまったくのグータラな私だが、最近結構仕事をしている(普段に比較して)。
パリを発つ前に「7月の画廊のグループ展に展示したい」という話があったのでそれを再確認し、「でもどれを?」という話をして、留守中に来る甥に持って行ってもらえるように梱包したのが出発前日の午後(実はどうせ留守中ウダンの展覧会から「卵」が戻ってくるのでそれを回したかったのだがそうは問屋が許さなかった。あれは個人的には最高傑作なのだが)。そして名古屋では空港から直接「本」の企画の最終校正に向かい即仕事。でも実はもうOKと思っていたが結局良く見るとその後も少しばかり訂正箇所が出て来て、印刷は東京の個展初日に間に合うかどうか??? そして実家で展覧会の準備(主に額装&梱包)。

実家はエアコンなどない。汗だくだく状態だと仕事にならないからどうしようと思っていたのだが、今の気候なら軽く凌げる。でもお店なんかに入ると「蒸し暑いですね〜」とか言われて、、、私が思うにはこれ梅雨期のマニュアル的条件反射ではないか? 今朝ラジオでは「西日本・東海地方は梅雨入りしてない」と言っていたぐらいで、高湿度でないのは私のドローイングの塩も溶ける気配が微塵だにないのがその何よりの証拠。私はもうこれに大満足。

加えて「はっきりしないお天気ですね」なんて言われると「はっきりしないのはテメーラだろう!」と心で呟く。お店の人には文句無いけど曖昧表現が多すぎる。日本にして思うとイスキア島の海岸温泉に関して「足下が滑るのでビーチサンダルを持って行くと便利かも」というのは「絶対に持って行かねばなりません」という意味だったのだと今更納得(参考投稿)。しかし何なんだろう曖昧模糊たる言い回しの一般化は。外交会議なんかでは通訳さんどうするのかと心配になってしまう。

私は、こんな歳になったのでもっとはっきり物事言いたいと思う。「エイゾウ、モットハッキリ!」とフランスで耳にタコができるほど言われたのは一義的には「発音」のことではあるが「考え」自体もはっきりしてないこと多い。だから 「はっきりすること」を人生最後の目標に致しますので皆様ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。

でも今回空港の税関で「失礼ですがお帰りの目的は?」なんていう珍しい質問をされて、はっきりした答えはしませんでしたが、、、(笑) まあこれは決意を新たにする前の話ですけど。事実は皆さんご存知の通り、これです:


今になってもEXITMELSAのフォルムギャラリーの告知に私の個展はないし、パリのグループ展の出展者の名前にもなくて、、、いったいどうなってるのかね、この業界は?

でもやはり日本の湿度は馬鹿に出来ない。一巻きあるからと思っていた数年前に買った額装用の水張りテープがカチカチに固まっていた。今日はこれを買いに名古屋まで出ねばならないので、仕事は一旦停止、余裕でブログでした

2019年6月7日金曜日

大津絵とカタロニア・プリミティブ


上の投稿の簡単な補足。

この日本文化会館の展覧会で初めて知ったのはピカソ、ミロなどカタロニアのアーティストが大津絵を大いに評価したと言うこと。そこで突然想ったのはカタロニアの中世絵画。これも私は大好きなのだが、素朴な感じと色彩、そして決まったテーマの様式化方法には確かに共通点がある。下はカタロニアの中世の装飾写本だが「黙示録」なのに何かユーモラスで楽しい、と同時に所謂「遠近法」のない上下にダイナミックに広がる空間構成、ちょっと似てませんか? 簡単ですが今日はこれまで。




パリ日本文化会館の大津絵展は6月15日まで

2019年6月5日水曜日

エイゾウには投資しからざるべし

先週の月曜日、知合いコレクターが某アーティストを紹介するらしいのでサンシュルピス教会広場のにテントを立てたサロンにでかけた。ここには我がアトリエビルの隣人3名が参加していたのでまず彼らのスタンドに行き、ちょっと見に来ないかと一緒に我が知合いのスタンドに出かけたらびっくり、上の写真の用に私の「卵」が展示してあるのだ!
ベン*の「笑っちゃえ」というのが上にありセザール(ウィキ)のデッサンが横にありと豪華な取り巻きに嬉しさ半分、わだかまり半分。だってここは「売る」場所で、この卵は去年の秋に買って貰ったばかり。気に入って買って貰ったのならそう簡単に手放して欲しくないんだけど。。。最近はアーティストの権利が守られて、作品が転売されるとアーティストに一部利益が還元されるからなんて言ってくれる人がいたけど、そういう問題じゃないんだよな。

前回書いた肉屋さんからは、私の出したオファーに対して「この条件なら2枚買う」。それに対して私の答えは「ダメ」。ちょっと彼の関心の「意外性」に感動し、かつ黒豚に誘惑された結果のスペシャルオファーだったが、ダブルに使われてはかなわないのだ。
その後「美術への投資にも興味がわき出した」というので、「美術品は自分が傍らに置いて毎日見て楽しむ為に買って下さい。投資のつもりなら私の作品は値上がりする見込みないから止めた方がよい」と答えた。
あーあ、黒豚が遠のいた。仕方ないっすね。

そんなかんだで、ウダンで展示している作品、「あれは名作だから売れると困る」と心配になってきた。あそこで売れる筈ない(アートセンターみたいなところだから買うつもりで作品を見る人はほぼいない)と自信はあるが、この値段なら投資しておこうなんて考える人が出て来るとも限らない(私にはお金持ちの考えることは想像できない)ので。。。あと二週末。

そうそう、他のニュースとしてはキックスターターから本の企画に集まったお金の振込ありました!でもまだ国際書籍番号が届かない。日本の梅雨が怖いので持って帰るドローイング保護用にアマゾンで買ったシリカゲルは約1ケ月かかった。面白い国

* 注:ベンについてはすごく詳しいブログがありました。ご参考に。
私もポンピドー入りしているベンのブティックを初めて見たときは感動したけど70年代からスタイルも主張もずーっと同じだから(それがすごいと言えばすごいのだけど)飽きがきた。昔はベンの新聞が画廊によく置いてあって面白いから集めていたが、あの言葉の洪水はツイッターを先取りしていたと言えようか。インターネット時代になるとますます頻繁にニュースレターで配布されるようになり、「飽き」から「ウンザリ」になり最近は直ゴミ箱入り。いつものボルテージ高さには感心しますが、、、。

後記:昔ベンのことを書いたことがあるのを思い出した。5年前でした>こちら