なかなか上に上がれない。やっぱり落ちて振り出し?😅 |
アートだけではありません。35年以上も住んでしまったパリから、役立つ展覧会案内、アトリエの日常生活、旅日記、それにフランスの政治社会問題など、色々とりあげる、美術作家、坂田英三の正直な主観的ブログです。 C'est un blog d'Eizo SAKATA, un artiste-plasticien japonais de Paris. Les articles sont quelquefois écrits avec son français : cliquez "bilingue" sur la colonne de droite.
2024年12月1日日曜日
パリの本屋さんでの個展(回顧編)
2024年11月26日火曜日
オルガ・デ・アマラルの回顧展
オルガ・デ・アマラルは1932年コロンビア、ボゴタで生まれ。1954年に政治変動のためアメリカのミシガンに移住。そこのアートスクールでテキスタイルデザインに出会う。ミシガンで出会ったポルトガル出身のご主人とその後ボゴダに戻り装飾テキスタルの会社を始める。60年代になって新しいテキスタイル技術を実験して異なる素材を混ぜて3次元的要素を導入した大規模な作品を作るようになる。1973年に奨学金を得てパリに滞在。81年にはパリ近代美術館でも大作が発表されるが、その割にはその後フランスであまり作品を大規模に発表される事はなかった。つまり今回のカルティエ財団の展覧会が初めての大回顧展で、 コロンビア以外では今まで発表されたことのなかった作品も数多く含めれている。
研究された「技術」に裏づけされた彼女の作品だが、それは幾何学的なモダンアートとともに南米の伝統的な色彩豊かな織物、それに中南米古代文化を思い起こさせる世界を作り出していることも目を引く。
特に下に掲載するビデオのような、通常は数学的で冷たい感じのするオプティックな効果をソフトな糸・布で再現し、自然な光や波のような親しい感じのものとしたのはとてもユニークだと思う。
作品解説でおおっと思ったのは、テキスタイルとテキストは「織る」と「物語る」という二つの意味を持つtexereを語源としていて、このことはすでにインカ文明が文字がわりに結び目で記録をしたことに現れている! でもラテン語語源だから我田引水みたいな気がするが、、、アマラルには一本の糸は一つの単語であり、コードを知った人しか理解できないインカの結び目文字の意味的表現を言及するとか、、、そういう難しいことは言わずもがなの直截的に理解可能な作品と思えるが、皆さんいかがでしょうか?
2024年11月1日金曜日
私の細腕とカイユボット展
小さな習作。左の男性のポーズが違いますね |
あまり俯瞰してない床磨き。窓の光の床への反射お見事。この段階では男性がシャツ着ている |
これもパステル。川遊びにしてはあまり楽しそうに見えないが、遊びより筋力トレーニング??? |
ボートシリーズでは油絵もルノワールを思わせるような色彩になる |
構図だけではなく実際に飛び込むのも好きだった😁 |
古典写実的と思われたカイユボットだが絵具ベトベト、この辺完全モネしている |
2024年10月5日土曜日
アリシア・クワデの個展
他の作品もインスタ写真ではわかりにくいのでコメントを加えると:
金属製のカエデの種の螺旋(一部) |
これが時計の針のピン立ての作品(一部) |
先日見た下にリンクしたサウジのZahrah Al Ghamdi(b.1977)といい、40歳代の素晴らしい女性作家がいるのですね〜。二人とも今までよく知らなかったけど、シンプルで鋭い。感心するばかり。(注:アラブ文化会館の展覧会は彼女以外は私には面白くなかったです)
2024年9月29日日曜日
パリの本屋さんでの個展(予告編)
2024年9月10日火曜日
続 女性シュールレアリスト列伝 (ポンピドーセンター発)
アンドレ・ブルトンの「シュールレアリズム宣言」発行100周年に因んでポンピドーセンターで大規模な展覧会が始まった。その名も単に「シュールレアリズム」、副題はSurréalisme d'abord et toujours「まずは、そして常にシュールレアリズム」とでも訳そうか。
真ん中に「シュールレアリズム宣言」の本があって螺旋形にぐるぐるとテーマ別(つまり時系列ではない)に展示ホールを巡る。テーマは夢とか化け物とか夜とか、まあシュールレアリズムならそうでしょうという感じで、ポンピドーセンターとパリの近代美術館の持つコレクション、特に写真とドローイングがこれでもかというほど並べられている。そしてフランス国外からも私が何十年も見ていなかった代表作が来ているのでしっかり紹介を!
ということには私のブログはならない。というのも私以上の専門の方々が色々書いてくださるに決まっているから(笑)
そこで今日はですね〜、2年前のヴェニスのビエンナーレの女性シュールレアリスト展に続き(その時の投稿)、こんな人知らなかった(あるいは記憶から消えていた)というビエンナーレにいなかったと思う女性画家をまず二人紹介(ただの受け売りですが)。
Ithell Colquhoun |
では最後にローテクな錬金術士を描く私が結構お気に入りのレメディオス・ヴァロ
Remedios Varo |
Remedios Varo |
以上何回もリンクを貼ったヴェニスからの過去投稿を見てもらわないと意味がわからないと思います。
そのページでリンクを貼った「3分でわかる」ブログも必読必見です。
以上で今度のあまりにも手に余る展覧会の紹介は「サヨナラ、サヨナラ」のはずだったのだが、出口のブックコーナーでびっくり、エルンストの絵を使った展覧会のポスターが「売り切れ、入荷待ち」だそうで。