2020年4月30日木曜日

おフランスの監禁アーティスト支援

細々と生きる私のようなアーティストが典型的な例だが、「生活必需」でない業務に携わる自営業者はロックダウンで収入ゼロになった。その場で売るというよりショーケース的役割を果たしてくれたらと期待した「La Ruche (蜂の巣)」でのグループ展は始まって3日目にてドアを閉め、何の期待もできない次元に。こんな私へのフランス政府の芸術家援助は如何に???

以前から「アーティストが展覧会をするのにペイされないのはおかしい」という私としては当然の議論があって、「展示報酬権」なるものが去る12月より認められた*。とはいっても今のところおそらく美術館とか公のアートセンターで適用されるに過ぎない。私はかなりびっくりしのだが、聞いてみるとパレ・ド・トウキョウなどで活躍していた若手アーティストなどは「させてもらえれば認められたことになる」からと自腹を切っていたらしい。やっぱりアートは幻想の世界? 私はというと意外にリアリストで、そんな自分の首を締めるような(そのために稼ぐための仕事をする)ことは絶対しないのが原則でずーっとやってきた。特にインスタレーションの仕事は「その場その時」限りの仕事なので主催者からの予算がつかないと絶対しなかったし、パリの遠い郊外のガニーでの展覧会でも自分にはほとんどメリットがないからと断るつもりだったらペイしてもらえた。そんな私が約2mの大きなドローイングを飾りたくなって(「壁がぴったり!」)と原則を破って参加したのが上記、クローズされた「蜂の巣」のグループ展だった。

話を戻すと政府の最初の発表は「アーティストはその『展示報酬』の契約に従って補償される」というもので、「あーあ、原則破ってはいけなかった」と反省したものであるが、それではほぼ100%のアーティストが救われないことが政府もわかったのか、3月は昨年の3月の収入に基づいて補償金を出すと発表。「やっぱりゼロか〜」と思ったけれど一応昨年度の月別所得申告** を見てみたら3月はデッサン一枚売れて500€の収入があった!(4月はもっとある!!)*** ロックダウンで仕事がなくなった給与所得者は、政府が大量解雇を防ぐため「臨時失業」ということで確か月給の8~9割の手当がもらえたはず。なので400€でも大助かりだと思っていたら500入金された!!! 加えて公団住宅から来た5月のアトリエ兼住居の家賃の請求書が寝耳に水の25€!(これは請求額以外に何も書いてないので緊急時で家賃が分割払いになったのか、本当に割引かれたのか不明、というか嬉しくて調べる気にならない)*****

家賃ほぼゼロ、外出禁止で交際費(?)皆無だから十分行けそうと、エコノミーで現金な私、「腐ってもおフランス!」と大感謝:(あまり褒めてることにならないか?)

まあ隣国のメルケルさんは何も言わずにアーティストに一律5000€だからなー。でも上を見てはキリがない。お国の懐事情が違うから私は理解いたしますし、以前書いているように私のアーティスト生活はフランスでなければ成り立たなかったかも****。 だからマクロン君にもフィリップ、悪口言っても感謝してまっせ(個人的にではなく、おフランスに)。

最後にまた「蜂の巣の展覧会のビデオ」。日本語、英語、スペイン語字幕も付けました。
展示は6月中旬に撤去すれば良いということなので、状況によっては再オープンできるかもというのが日本語だけで書く最新ニュースです。



注:

 

* 詳細知りたい方は:https://www.culture.gouv.fr/Sites-thematiques/Arts-plastiques/Actualites-du-reseau/La-remuneration-du-droit-de-presentation-publique


** 「黄色いベスト運動」の突き上げでマクロンが作った「手当」を貰うには3ヶ月ごとにネットで所得申告をする。私としてはこのこの100€ちょっともあるとないとでは大違い。これは「黄色いベスト」に参加すべきかな? 参考投稿:2019年1月23日すべては車から?

 

***「山あり谷あり」のアーティスト収入を考慮して4月は年収の月割りになった?:要調査(明日から申請可なので)

 

**** といいながらいつ書いたかわからない。基本的には社会補助制度(参考投稿:2019年8月18日例で見る所得再分配)と公団住宅アトリエの安い家賃のお陰(でも通常は25€の数十倍払ってますのでお間違えないように)

 

後記(5/13)

 

*****隣人に「違う違う」と言われて家賃明細書を見たら「負担金調整」とあり、どうも月々何十ユーロも余計に払っていたらしい。つまり経済援助では全く関係なかった!ちょうどそれが今月に当たったのは大助かりだが(苦笑)

2020年4月25日土曜日

夜空を仰いで数える星も

「あーあ、気が抜ける、フランスの感染度5.7%ですって」と書き出したのが月曜のこと。この数字はパスツール研究所のモデル解析による解禁予定日5/11の予想で、そのベースとなるデータは「ダイヤモンド…号」。日本は手を打たなかった結果、微妙な貢献(失笑)。イル・ド・フランス地方(パリとその外郭)は12.3%。「小数点以下まで出すか!?」と工学部くずれの私には思えてしまう誤差の大きそうな数値だが、とにかく感染拡大が防止されるとされる60〜70%とは程遠い。
私は勝手に感染済みではと期待していたのだが(参考3/19)、この数字の前で夢は粉砕。それにこの程度だと第二波が襲う可能性十分*。というか、もともと「監禁」は病院崩壊を防ぐのと治療法発見のための時間稼ぎに過ぎなかったのだから当たり前といえば当たり前だが、、、。

加えて連日晴天、初夏の陽気。1kmの制限を超えて行くベルシー公園を見下ろす旧高架鉄道路からは、公園内に早くも咲き出した牡丹の花がちらちらと遠くに。くやしい〜。あの牡丹たちの本当の美しさの盛りはやはり数日、5月11日(参考4/15)は遠い(かつ人が集いそうなところは目の敵にされているから公園がすぐ開かれるかわからないし)。

他の人も力が抜けたのか(?)、散歩する人も先週の2ー3倍は優にいる。セーヌ川沿いの自動車道の交通量もかなり戻ってきている。モラル的にも経済的にもやってられないのと、「解禁準備」という名目もできたからか? いつも橋のところで取り締まっていた警官もいない! 私が知らない「お達し」があったのか訝しく思ってしまうが、マスコミは「解禁」の話題ばかり:どのようになされるのかわからないので、いつもの通りああだこうだと。

その中木曜の朝のラジオで天文学者が「大気は澄んでいるし飛行機もいなくて星がよく見える。宵には金星が輝き、朝方は水星に木星、土星が、そしてこの3日間は流星群も通過する」と。そういえば禁足されて以来日が暮れてから外に出たことがなかった。そこで夜空を仰ぎに出てみたが、まずは暖かくてびっくり。本当に初夏だ。しかし通行人はほとんどいない。夜空の方はというと、我がアトリエの近くは大きなビルが多く、誰も仕事していないはずだがオフィスには明かりがあちこちついているし、第一街灯が高くてこちらは煌々と輝いてる。大学キャンパス近くに行くと、なぜか建物の上階に明かりがついていたが、いつもだと3つぐらいしか見えない星が少なくとも北斗七星は確認できたから20ぐらいは見えたかも(?)。結局こちらも通行人同様「淋しい」限りだったが、フランスの一般国民の100%がコロナ(およびその影響)にくよくよし 、広い視野のインテリの話題でも「コロナ後の世界」なのに、天文学者は超えている。

宗教だって、復活祭もイスラムのラマダン(断食)もコロナの前には屈するしかなく、信者は教会にもモスクにも集えず、ローマ法王は聴衆ゼロのバチカン広場で「復活祭」を祝ったが、その祝福の言葉だって神様キリスト様を取っ払うと「病に伏せたあるいは亡くなった人に同情し、病院関係者と社会維持に必要な仕事をする勤労者に感謝し、対コロナで一致団結、弱者を援助し、最貧国の借金を帳消しにし、ヨーロッパは団結せよ」等々、すべて正しいにせよマクロンの演説と変わらないではないか。(勿論マクロンと違って「戦争」といいださないのには救われるが)
私としては「世俗を超えた」方には「私たちはいつかは死ぬのです。恐れてはいけません」とか言って欲しいのだが、このブログのために全文確認したところ ** 法王は「神は死を破り永遠の道を開いた。彼は我々人間の闇を霧散させ、衰えることなき永遠の栄光に私たちを導いてくれる」と締めくくっていた。あー、コンセプト違う、、、失礼致しました。

やっぱり天文学者か私の方がよっぽど「禅」だ(笑)

禁足になって以来明らかに鳥の声はよく聞こえる。
では最後に加山雄三から良寛へ昇華いたしましょう。
  

形見にて なにか残さん春は花 山ほととぎす 秋はもみじ葉

 
* さっき聞いたニュースだとWHOが免疫性はあるかどうかわからないと言い出したそうだから、まさに未来は暗中模索ですね
** 参考ソース:法王のスピーチの全文
https://eglise.catholique.fr/vatican/messages-du-saint-pere/497411-benediction-urbi-et-orbi-2020/


藤棚。本当に動く範囲がきまってまして、3/30掲載のツメクサと同じ公園です。



下は散歩で偶然出会った我がアトリエビルに住むアーティスト。
かくの如く一触感染と警戒してる人が一杯なのが今日のブログの伏線でした

2020年4月18日土曜日

政治家も人の子

日本の某大都市の衛生局に勤めている知り合いがいるのだが、そのKさんが新型コロナ対策の応援のため自宅隔離の感染者との連絡を仰せつかった。当然通信機器にて連絡をとる業務と思いきや、市は何を気が狂ったか「感染者宅を訪問して面談する」と指示してきたとのこと! 病院空間の医者・看護師ですら感染防御が難しい現状なのに、市職員が感染流布する可能性のある職務を遂行するとは??? フランスなら当然即「職務拒否」だが、日本のKさんの将来は如何に?(健康も仕事も) 

日本は「お上」がとんでもなくても、「日常レベル」での市民の衛生意識 と一般医療機関の充実度でなんとか「爆発」が妨げられているのだろうと推察していたのだが、日常レベルを超えて「危機管理」になるとかくも危ないので心配。以下に書くフランス事情のように危機は急に来ます。

さて、フランスでは初期から意外に政治家の感染が多く、亡くなった元大臣もいる。その大きな理由は市町村選挙(のはず)。

思いおこすに2/29(土)、3/1日( 日)に晩に「もうしてはいけないね」と言いながら握手や頬キスをした覚えがあるので、「握手はするな」という通達があったのはおそらく2月28日。それまで候補者及び運動家は選挙運動で数えきれない人と握手を交わしてきた。また地方の町村レベルではの投票、開票に関係していたし、政治家も人の子、当選発表に我を忘れて抱き合ったり、、、。

そんな状況を作ったのは「マクロンが悪い」と非難する声も多い。
3/12(木)の夜に大統領演説で保育園、学校、大学などを閉鎖を告げ、3/14(土)の夜には零時からレストランやバーをはじめ日常品以外の商店の閉鎖を命じたのに、3/15(日)に投票を予定通り行ったのはありえない、木曜に中止を発表すべきだった。
私は「それはそうだがマクロンもかわいそう」と結果論からの批判には同情的なのだが、これに関して面白い記事を見つけた*。

もちろん木曜日の大統領演説前には顧問専門家との間では熱い議論がなされ、理系(?)は「投票所で人と人の距離を置き、投票状などに触れなければ感染はない」と結論、そして文系(?)は「今選挙をやめれば政治的策謀と思われる」と。ここまでは今までも言われていたことだが、この記事には「もう一回ひねり」があって「中止した暁には策謀説にマスコミが炎上し、コロナの危機が忘れられてしまう!」という、つまり選挙しなかったらコロナ的にももっと悪い結果になったかもしれないと。
考える人は考えるねーというか、うまいこと自己正当化したみたいな気もするが、全ては結果論と予測、こんな仮定法大過去(もしXXしていたらZZとなった)の話しても仕方ないのだけど、こんなことを面白がってしまうのは「蟄居」の儚さとかなしさとご推察あれ。

地方選挙といえば汚職・脱税の罪で出馬を断念を余儀なくされたパリ近郊の富裕な町を金権政治で30年に及び君臨した市長夫婦(奥さんが副市長!)がいるのだけど**、旦那はそれこそ去年秋から「法的に監禁」され、奥さんが代わりに出馬することになっていた(勝利の可能性も高かった)が結局二人とも裁判で、、、選挙活動していたら彼らに「コロナの鉄拳」が落ちたかもしれないが、おかげで天罰をうまく逃れた?(笑)

やっぱり仮定法大過去は楽しい♫

「やってられん」人は私だけではない(でも他人との距離は守っている):木曜撮影。でもずーっと好天続き


* 注1:
https://www.francebleu.fr/infos/politique/coronavirus-les-conseils-municipaux-decimes-par-le-covid-19-1586967524?fbclid=IwAR1IdtkQxwpdMTnuZzof-lCEBJfBU43EWcpKupfMuXhmTeSxp46ov8vG_K0

** 注2:言わずと知れたBalkany夫婦のことです (wiki)

2020年4月15日水曜日

時々切れる「監禁生活」

月曜日の晩にマクロンの演説があって、他に何もすることないからすごい視聴率だったそうだ(笑)。内容はほぼ予定されていた通り(矢印左が数日前から予期されていたこと):

1)政府も準備が足りなかったと謙虚に→でも他の国々と同様と言っていた
2)国民を叱ってばかりではいけない→よくがんばってると褒められました
3)監禁延長:2週間2週間の小出しでは行けない→5月11日まで

 1ヶ月延長、わかっていたけど長い。それに希望が持てなくて。

 最初の頃言われていた感染期間が正しければ4週間禁足はもっと効果があっていいと思う。効果がないのは守られてないケースもあるからかもしれないが、大多数が真面目に蟄居している現在、感染テストを沢山すれば減らない理由のトレースもしやすくなっていると思う。だが「テストは症状がある人のみで症状のない人にする意味がない」とマクロンは断言した。これってマスクの時と似ている。素人の私の意見では、今症状がある人はコロナに違いないからパス、健康に見えるが多くの人と接触のある人を優先したほうが良いのでは?(もちろん陽性ならば追跡調査)。結局はテストが足りないのでしょ?

ここまではそうびっくりもしなかったが、料理をしながらラジオで聴いていて思わずフライパンを落としそうになったのは、解禁早々学校を開くということ。それもその理由が学校閉鎖で導入されたインターネット教育で格差がついているから! もうノーコメント。(流石に国民の多数も、最初に閉鎖された学校が最初に解禁されるのは納得できないみたい)

解禁は段階的で「ヨーロッパ外への渡航もすぐにはできない」と言っていたが、他国もこんな感染国を受け入れたくないでしょうが。 自己中め!

こうして翌朝は桜の大木が花の咲いたまま切り倒された夢を見て、また昼まで起きられず、 起きてから雑煮を作った。イースターで日月連休、買い物しなかったので餅があることを思い出し、あとはじゃがいも人参、玉ねぎのみ。「復活祭」!

2日続きで透き通る青空の下、制限距離1キロをしっかり超えてセーヌ川を渡り写真のベルシー公園際の遊歩道まで散歩、しかし遠方に警官軍団を確認し中途で踝を返した。私は若きマクロン君と違って芽吹き出す若葉や花があと何度見られるかわからない。高齢者を守ると言いながら何が幸せかは考慮されてないのようだ。(とはいっても通りであった隣人は外には出るが「理由なく散歩するのは苦手だ」と言っていたから何が一般的に幸せかはわからないが→法律的にはこういう立ち話も禁止)実は私は「身寄りのない一人暮らしの老人」のカテゴリーに入っているらしくボランティアの人から携帯に電話が入り、何か不足がないか心配してもらえる。ありがたいと同時にちょっとショック。でも同時にちゃんと蟄居しているか確かめられているみたい(笑)

先週厚生庁総長が蟄居の重要性をすため「8分家にいることが一人の生命を救うことになる」とよくわからないことを言ってマスコミ受け(?)していた。禁足令が全くなかったとした場合のモデルと比較したものらしいが、1時間以上散歩したから9人ぐらい殺したってこと???だと大罪人だね私は。動詞が不定形でどうとでも取れる:多分国民全員ででしょう。このサロモン先生はマクロンの一番のご意見役であるだけに、私は能力を非常に疑問視しているのですが、、、

そうそう、マスクも11日以降国民全員に配られるって。
それから翌朝早速関連大臣が「 5月11日は解禁目標に過ぎない」と追加コメント

2020年4月11日土曜日

グループ展の日本語字幕付きビデオ

コロナのことを書きすぎたからか、患者の増大とは全く反対に数少ないこのブログの読者はどんどん減少中!(まさか感染したとか???)
でも捨てる神あれば拾う神あり(?)、3月のブログの抜粋が東京のフリータウン誌に載せてもらえることになりました。まだ未出版、どの辺で配布とか詳しいことはまたこんど。

ところで3月20日に書いたパリ15区のLa Rucheラ・リューシュで展示したままクローズしているグループ展ですが、La Rucheに住んでいるレジス君が撮影し、私が編集して展覧会の「全貌」を紹介するビデオを作りました(注:蟄居令により1キロ以上の移動は禁止されているので私はLa Rucheには行けません)。

次のYouTubeバージョンは日本語字幕付きです。日本の方は画面下の字幕マークをクリックすれば出てくるはずです。
でない場合はYouTubeページに行って画面下の歯車マークのパラメーターをクリックし字幕>日本語を選択してください



2020年4月9日木曜日

マスクの復讐 II

何でこうなのかな〜。

マクロンが国民を叱っていると思ったらパリ市長まで。何故か「禁足令」が出て以来好天続き、そして週末から一挙に夏の陽気になってしまい(今日の最高気温はなんと25度以上)、かつ子供たちは春休みとなりネットを通した授業もなくなったので「蟄居」している市民の少々タガが外れたらしい。そしてジョガーが人の間を走る写真を見てパリの社会党女性市長イダルゴさんは「ジョギングは10時から19時まで禁止」という令をだした!
その初日の昨日、昼間走っていた人も夕方の7時を待って走り出し、普通より混み合うことになった。こんな結果、火を見るより明らかだと思うのだが、、、
パリ市庁舎はその現象を認めていないらしい(笑)

私の聞いたインタビューでは「ジョギング」と言っていたが、スポーツ全てが禁止されたのかよくわからなくて、、、。私自身は以前書いたように散歩も兼ねて縄跳びを持って国立図書館のテラスまで行く(景色が良いし、木の板なので膝に負担がかからない)のだが、散歩はいいが縄跳も禁止かも? 警官の判断に任されると困るよね。
それから市長さんによれば「マスクは絶対必要」。200万枚の布製マスクが市民に配られるそうだ。

そしてさっき世論調査の結果を報道していたが(よく書くがフランスは世論調査が大好きで、大きな民間企業がそれにあたる)、国民の4分の3は「マスクに関して政府は嘘をついていた」と思っているとのこと! そして37%がマスクを使っており、その中の59%は外科用あるいはFFP2の、医療機関で不足しているとされる「いいマスク」をしている!(前回の復習参考)
アヒルの嘴型のFFP2マスク
実は市長はマスク義務化も示唆し、以来急にマスクが街角に増えたのだが、青い外科用マスクと思わしきものや丸いフィルターが付いた「いいマスク」をしている通行人が多いのでびっくりした。この医療に回すべきマスクを買い物ごときで使う方がジョギングするよりよっぽど犯罪的ではないか? かつ「いったいどこで買ったのだ?」と正直者の私は思うのだが、それほど闇の販売が多いということらしい。
政府も市民も「信用ならん」で張り合ってる(笑)

マクロンも大失態だが、私の「ゆるいルール」もずたずたですわ。

しかし「マスクなんぞは安い中国で作れば良い」「病院のベッドは空きが多いから減らした方が良い」という利潤追求思考のツケが直撃というのはまったく正しいけれど、今それを言っても「禁足」が解けるわけでもないし、「禁足解除」へのルールも示してくれない。でも上記の経済優先政策を進めてきたのはこの数十年にわたる右・左・中道の歴代政府としても、それを補佐する厚生保健官僚は同一。政府は専門家の意見を聞いてというが、聞く人間違ってるんじゃないか?

ところで私が住むパリ13区はパリのチャイナタウンがあって有名で、毎年正月(つまり旧正月)は大きなパレードがあってアジア系でないフランス人も大勢集まるが、今年は直前にキャンセルされた。まだ1月末でピンとこなかったけど今から思うとこれは大いに英断だった。そうでなかったら13区がクラスターになっていたかも。これは市長あるいは区長というより中国系コミュニティの裁断だろう。やっぱり相談相手が大事ですよ




2020年4月4日土曜日

マスクの復讐(復習)

オーバードーズのため制限したラジオだが、昨晩つけてびっくり、医学国立アカデミーが、「監禁解禁の時期にはマスク着用は義務化すべき」と表明。3・23の投稿に書いたように、今まで政府は「感染してない人はしても意味がない」としていたのだが、これはマスクを本当に必要な「現場」にキープするためだろうという私の推察を完全に認める発言がそれに続いた。加えて「紙ナプキンの自家製マスクでも飛沫を妨げる効果はある。マスクをしていることで人と距離を置かねばならぬ状況にいるのだと認識させる心理的効果がある」と。私が書いていたことは間違えではなかった!と喜んでいいものか? だって私自身の「ゆるいルール」はマスクなしだったから。。。

これを機にまとめ:マスクも色々、普通の外科マスクと呼ばれるものは外科医が自分の息で菌を手術患者に「移さない」ことを目的にする。つまり相手を防御、しかしこのマスクを医師、看護師、患者全員がすれば医療空間がクリーンに保たれることになる。このマスクにもレベルはあるのだが、普通の状況なら薬局で数十円で買える。
しかし今コロナの重体患者がひしめく病院では空気中にウィルスが浮遊すると考えられるのでそれを吸い込むまないマスクでなければならない。これがFFP2、3と言われるもの。この両方向(他者も自分も)防御可能なマスクが世界中で不足、普通なら何千円のものだが今や値千金。中国からフランス向けだったマスクが上海の飛行場で高値の現金取引でアメリカに買い取られてしまったとか、、、(当然合衆国政府はそれを否定)。
このスキャンダルの前に中国からイタリアへ向かうマスクが経由地のチェコで没収されてしまったという「ユーロッパの脆き団結」を物語る事件が起きたのだが、このブログを書くにあたり参考にした記事を読んでて納得(?)。チェコはすでに「公共の場でのマスク着用」を義務化していた(これは聞いたことがなかった。フランスの方針に合わなかったからかも?)。そしてその政令がでたのはCNNで追ってみたら3月17日で、マスク没収(チェコ政府によると盗難)事件と同じ日だった!

いかんいいかん、こんなことをしていてはまたオーバードーズになる。しかし今日から私はどうしようかな(勿論マスクのこと) 。WHOも見解を変えたということをチラッと先ほど耳にしたがもうやめます。ご自身でお確かめください。

写真がないのでフランスのお医者さんのマスク制作指南でもお楽しみください




仏語での参考サイト:

https://fr.wikipedia.org/wiki/Masque_chirurgical

https://sante.journaldesfemmes.fr/fiches-maladies/2609189-masque-coronavirus-covid-anti-virus-ffp2-chirurgical-blanc-fait-maison-tuto-patron-tissu-jetable-achat-prix/

2020年4月1日水曜日

マスクとコロナのオーバードーズ

ヨーロッパではインフルエンザに対するマスクは一般的ではないどころかほぼゼロに近かったが、この数日かなり見かけるようになった(でも50%は行っていないだろう:但しこれは今の禁足令で私に許された我が家から1キロ以内での話)。

そもそもマスクではウィルスを防げない(ウィルスは小さいので通過する)という仏政府の公式見解を私も妥当と信じて、自分が咳・クシャミをしてるわけでないのでマスクをしていない。ところが「マスク不足」への社会批判から、ウィルスも防げる医療用マスクを大量に国内でも生産するのに加え、それとは「異なるマスク」を繊維業界の協力で日産100万までの生産できるようにして一般労働者(運転手など)に付与すると大統領は演説した。普通のマスクじゃないの? 私には少し論理に無理があるように思えるけど、、、。

そもそもヨーロッパ各国のみならず、WHOもマスクの有用性は認めていないようで、アジア各国でマスクをするのは文化性の違いと片付ける傾向がある。でも政府のお達しの「咳・クシャミをするときは肘で押さえろ」を鑑みると、その程度の次元なら初めからマスクを奨励した方が絶対に効果あるのは明白。なんか衛生論理のレベルが無茶苦茶なんだよなー。
ある記事では、マスクのウィルスからの防御力はさておき、大勢の人がしていることは社会的に病気への警戒感を高める効果があるとしていたが、パリに来てはや37年、「マスクが常識」という「文化」をすっかり忘れた私、昨日久々に着用してみたところ、効果覿面(?)、急にしていない人が危険に見えてきて警戒感一気にアップ。
これはいいことにも思えたが、、、

実は今朝、全然起きられなかった。といってもコロナにかかって節々が痛いわけではない。単に起きる気がしなかった。「パリの朝は新たな患者数・死者から始まる」(実際には前夜発表だが)。中国からのマスク空輸便の到着やTGVで患者をベッド数が足りないパリ地域から地方に輸送するという華々しいニュースがあるかと思うと、それに憤慨する医者がいたり、世界からのコロナニュース、良いものは殆どない。デッサンするときは当然やめるが、やっぱり気になるのでお茶の度にまたラジオを付ける。かつFBでもコロナの花盛り、この毎日流れ込む大量の情報と付き合っていたら明らかにオーバードーズ、切れた! これにはどうも昨日のマスク体験も影響しているような気がする。

鬱陶しい気分の転換にマスクなしで散歩(今日も晴天)。マスクをした人からは警戒の目で睨まれているような気がする。そんな中、(マスクなしの)通りで出会った見も知らぬ人がニコッとしてこちらもニッコリ。少し気分軽快に。考えてみるにマスクした人もひょっとしたらニッコリしてくれているかもしれないけど表情現れないからなー。(友達とは電話したりしているが、赤の他人との関係ってのも同じほど大事だと思う)
やっとこれで2週間でまだ2週間、かつそれで終わるはずがない。ウィルスへの警戒も必要だが、蟄居はメンタルな健康にも気をつけねば。多分色々なコロナ症候群が出てきそう。

建物に閉じ込められた国立図書館の庭も春らしくなってきた。ここが散歩可能1kmの限界地点