2013年11月25日月曜日

日曜の会見

お陰さまでコレクター夫人は白い紙上に白い結晶が織りなす「注文」の海水ドレスデッサンを気に入ってくれ、かつ「額も本当はないほうが良い」というアーティストの意見にも納得してくれ、展示の予定は今のところないので、そのままの状態で納品すればいいことになった。バンザ~イ!

彼女と同じく南仏から来た彼女の友達と写真の「パリのモスク」で昼食を食べ(本当に礼拝するため回教寺院で、テールーム、レストラン、それに風呂まである。「名うてのサービスの悪さ」なのに人気があって、日曜日はおそらく植物園にきた家族連れなどで満席状態となる。ともかく日本では食べそうもないクスクスを食べた)。植物園内の博物館で開催されている写真展に行くという彼女ら(偉いな〜)と別れた後、アトリエに戻ってデッサンを整理し、最後の出発前の点検。時間があったので着替えついでにシャワーを浴びたらこれはやりすぎ、ちょっとぼーっとしてしまった。

実フランスは今週急に寒くなって低い山岳地帯でも雪が降っている。パリもユニクロのダウンでは間に合わなくなり、パーティーで色々押し込まれた物置から本物のダウンのコートを出すことにしたのだが、見つからない。おそらく秋に帰るつもりで日本で洗濯して置きっぱなしにした模様。でも勘違いだと困るのでアルプスで仕事するときに買ったこうマウンテン仕様のジャンパーを着こんだところ、意外に飛行場も機内も寒かったので助かった。

そして今はインチョン空港。3時間も待ち時間があって暇してます。乗換時間40分のフィンエアも忙しないがこれは長過ぎたか(注:私は名古屋行きなのでパリから今やあまりチョイスがないのです)

2013年11月23日土曜日

昨日今日明日

久しぶりのブログ、2週間以上何をしていたかと言うと、、、先ず第一は10月1日に写真入りで載せたわがアトリエでの海水デッサンの展覧会(?)、「FIAC(パリ・アートフェア)までは忙しい」という人に嫌みで月末まで、その後も来そうなことを言う人が数人いたので、これも難癖つけるようなものだが延々と延長し、結局ラ・ロシェルの海水を送ってくれたFさんが12日(火)に上京するというので、それまで延長した。歩いて5分もかからない学生寮に住むM嬢は再三のメールでついにその火曜に来たが、ウンともスンとも言わなくなった人も多い。嫌われたかな??? 
そしてそういう人はしかとして(あるいはしかとされて)、ちょうど誕生日が土曜だったので大パーティー。展覧会もどきのお陰でアトリエはだいたい片付いていたが、大事なデッサンにワインがかかったりしたら大変だから、全部外して違う品に掛け直し、いろんな物を物置に押し込んだ。なんだかんだと言ってこれも結構手間がかかる。
展覧会と違ってやっぱりパーティーは大勢人が来ましたね〜(喜んで良いものか???だが、パーティーは寂しいより賑やかでないと、、、☺)

 そしてこちらも再三催促をして気をこじらさせてしまった感のある、「海水デッサンプロジェクト」を応援してくれた「コレクター夫人」、彼女が遂に明日の朝デッサンを見に来る! だから一作はまた壁に直に掛けられるようにして、、、。ただの洗濯バサミだが私はこれが一番気に入っている。額はガラスでやはり塩の結晶が見にくくなるし、それ以上に額屋さん2軒をあたったところ600ユーロとか800ユーロとか法外な値段を言う(日本だと半額)。紫外線防止特別ガラスだと1500ユーロ!南仏までの運送を考えたら大赤字になってしまう、、、。だから作品のプレゼのみならず、契約の内容に触れる難しい問題をディスカスせねばならないのです。

そして明日の夜には(心も軽く?)日本に発つ。結構ギリ充実?!?

写真は残り物を集めての今日の昼食。クレッソン、カブ、ゆで卵のサラダ。右は創作「柿にモツァレーラ」 といっても私の発明ではなく、アメリカから来てくれたSさんを誘って先日行った、近所のレストランで発見したメニュー。何か簡単すぎて注文する気にならず、自分で作って人を驚かせている(パーティーにも出しました)。前菜のようなデザートのような、微妙ですが、色が美しい。レストランではもっと凝っているかもしれません。(一度確かめたいけど、あそこ私にはちょっと高めで、、、)


2013年11月7日木曜日

悲しい食卓

先ほどフランスTV2チャンネルのEnvoyé Spécial(特派員)というルポルタージュ番組を見ていたら、ノルウェーの養殖サケ(世界の養殖サケの60%を占める)にはダイオキシンなどの危険な物質が、いかにも危なそうに感じられるハンバーガーなどのスーパーに並ぶ他の食品に比べて5倍は多いとのこと。TVではガスマスクで防備して殺虫剤を放水している様子が映ったが、いかにも汚染のなさそうな美しいフィヨルドの養殖場で育ったサケに何故PCBやダイオキシンが? これは工業国で囲まれた内海といえるバルト海で捕れた魚(特に脂肪の多いウナギなど:ダイオキシンは脂肪に貯まる)から製造される「餌」が原因。詳細はぼけっとTVを見ていた記憶だから書けないが、ノルウェーの当局も「幼児、妊婦は、サケのような脂肪分の多い養殖魚は週に2度以下にしなさい」と既に勧告している。(知りませんでした)
フランスではお寿司もサケが大半ですが、、、
こんなことに何故なったかというと、ただただ「馬肉スキャンダル」同様すべては食品産業の利益追求がゆえ。先週(10/31)にひき肉に比べて形ある物は安心かなんて書いたが、油の乗ったおいしそうなサケの切り身がこんなにひどい状況にあるとは。実は今日も朝市で買った鯛を食べたのだが、鯛も養殖が多いらしく(私の魚屋さんは安いし、、、)、原因が餌だと「尾頭付きなら大丈夫」とは全く言えない。鯛は脂肪がないからなーというのがせめてもの慰めという悲しい食卓となりました。

追記:今(8日朝)調べたところによりますと、私が通常買っている安価な dorade grise(直訳:灰色の鯛)は養殖でない。やった〜! でも昨日は小さいのしかなかったから奮発して dorade royale(王様の鯛)にしたのだった。ぐっすん。

2013年11月1日金曜日

信頼できないフランスの郵便

去年の今頃は名古屋のLギャラリーの個展のため、毎日箸と爪楊枝の生活だったが(意味のわからない方はここをクリック)、今年は「アミアンの白夜」で私の公式行事は終わり、アトリエで「海水デッサン」を展示中だが、見たい人はごく少ないのでのんびりしたものだ。

しかし「海水デッサン」での大ショックがあった:ニースに近いカーニュから海水を送ってくれたJさんに10月6日に既に載せた右写真の「お椀デッサン」を送ったところ到着しなかった(郵便局のお詫びとくしゃくしゃになった封筒のみが届いたとのこと)。このデッサンは気温が低くなった故に写真のようにガラスに付く霜のような結晶ができ、珍しかったからショックが大きい(結局これは今年最後の海水の作品)。
Sさんが8月に浜辺から送ったという海水ボトルの小包も届かなかった。加えて一目見て中身に価値はないとわかる銀行からの手紙もなくなり、銀行から住所変更手数料を取られたのはブログに書かなかったかな? これは当然文句を言って払い戻しを受けましたが、最近かなり高い確率で郵便物がなくなる。
そのくせ郵便局はしきりに変な「近代化」をしていて、手紙・小包は発送人(つまり我々)が機械で処理することになり、郵便局員は手持ち無沙汰でだべっている。彼らに不明になった郵送物の消息を尋ねても、地方間は下請けが運送するので「ここに電話しなさい」と匙を預けるのみ。まったくどうしようもないサービス業。本当に日本の宅急便は「奇跡」です。

さてこんなバカな愚痴を言うのではなく、「塩の芸術」の総括をするつもりだったのだが「お椀喪失」で元気がでない。というわけでまたこんど。