2020年1月16日木曜日

空前絶後の備忘録

一昨日ルーブル美術館のレオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年記念特別展について書いたが、ダ・ヴィンチは人気があるのだと思っていたが、ブログ管理者にはわかる統計によると普通より読者がずーっと少ない:キキスミスと変わらない(笑) 

日本人向けには「絶賛」しかないだろうから見てもいなかったが、どんな紹介があるのだろうとググってみたが、コチラ(Casa Brutus)の「空前絶後」は、読むと絶対来たくなりますよ〜:さすが宣伝のプロ。

満載の写真構成もうまくて、特別展にはないモナリザからはじまって、次の「ブノアの聖母」はエルミタージュから来たものだが、続く5点の絵画はルーブル所蔵でいつでも常設で見られるのです。

だから「空前絶後」はその他もろもろ。最近のキューレーターは絵画との一対一のご対面より「創造のプロセス」を重視するので、そういう方向性ということか。

ともかくこのCasa Brutusは展示の様子など思い出されて私の備忘録にもなるので特別掲載の価値あり。

当然会場はこんながら空きではありません。

ところで展覧会の始まる前の特集番組で面白いことを言っている人がいて「 ダ・ヴィンチの絵は現代人が見てなにがそんなにすごいのかわからなくなっている。それは巷に横行する複製イメージはもちろんだが、幽玄性を与えるぼかし技法などの絵画上の画期的発明も後世の画家にコピーされて陳腐化したから」(概略抜粋):これも私の備忘録

2020年1月14日火曜日

ルーブルのダ・ヴィンチ没後500年展

鳴り物入りで始まったルーブル美術館のレオナルド・ダ・ヴィンチの生涯を辿る没後500年記念の特別展、予約制で早くから満員御礼、絶対いけないものと思っていたら年末に突然新たな予約ができるようになり即予約。先週行ってきたのだが、、、「なんか期待外れ」

他国から多くの作品が集まったのかと思っていたら、メインとなる大作はいつものルーブルの所蔵品(ただしモナリザはこの展覧会外)。所蔵庫からデッサンをふんだんに出して見せてくれるが、当然大勢の人の中では見辛いし、ありすぎて、悪く言えば「虫干し」みたいな感じがしないでもない。ダ・ヴィンチの作品でないものも沢山ある:師匠の彫刻家ヴェロッキオの作品、初期に影響を与えた画家の作品、後期になると彼の工房の作、共同制作画家の作品などなど、見切れないほど盛り沢山で、ルネッサンスの大美術展にいったという感じ。それから不思議なのは有名な絵の「実物大赤外線写真」というのが幾つもあり、デッサンから支持体(主に木板)写され加筆された木炭の跡などが見えるという趣向。う〜ん、これは研究者向きではないかな〜?

結局絵との真剣なお見合い体験みたいなのはなかった(お見合いしたことないけど(笑)。どうしてこんな言葉を使うかと言うと、名画は大抵写真で知っているが、「これがご本人ですか」と精査するという意味で)

それにつけてもダ・ヴィンチとの出会いで素晴らしかったのはポーランドのクラクフの「白貂を抱く貴婦人」。私が行った時(2014年10月)は国立美術館が改修中で、クラクフの旧市街にある城砦に囲まれたヴェルヴェル城の中の小さめな控えめな一室(十畳間ぐらいしかなかったような)に一点のみで鎮座されていた。一点だけの観賞のためにお金を払う気がしなかった人が多かったのか、来場者はちらほら。いても2ー3分過ぎれば出ていくので一対一の時間が続き、綿密に描かれた皮膚のシワまで眺めつつ、、、のご面会でした。でもこの美人で才人だったらしいセシリアさん(貴婦人)は私の方はチラリとも見てくれないけど(笑)*

で、この肖像の赤外写真も来ていて、本物はクラクフだから、「ドレスの描写のベースとか袖の変更がわかる」とか説明あっても、専門家じゃあるまいし〜。

これが赤外線写真
これはクラコフ




















左下はロンドンナショナルギャラリーから来た「聖アンナと聖母子と幼児聖ヨハネ」のデッサン。これは「聖アンナと聖母子」(右下)の構想図らしいが、このぐらい違うと原画がなくても私でも「あれー?」 かつ「構想の方がおもしろかったんじゃない?」なんて考えますが。(もちろんこれはルーブル蔵なので原画が側にあります)


海外から来たダ・ヴィンチの秀作原画は、エルミタージュ美術館(サント・ペテルスブルグ)から来た、独り立ちして間もない28歳の時に描いたとされる、マリアがイエスより愛らしい「ブノアの聖母」(ウィキ)


それと素描的だがパルマ(伊)から来た「ほつれ髪の女性」ぐらいじゃなかったかなー。


こういう大展覧会は絶賛されているので、否定的意見を言うと「なんだー?!」ってことになるが、、、見にいく価値がないと解釈してもらうとそれは全くの誤解。
でも普通の方が日本からわざわざこのために来るほどのことはないでしょう (いずれにせよもう予約とれないでだろうが)
こう正直に書くと私の眼およびブログの評価がますます落ちそう、、、


注:今回の絵のタイトルはダ・ヴィンチのウィキペディアの使用で統一。

*「白貂を抱く貴婦人」、今は国立美術館なので行かれる方はこちらのページを参考


後記:一般的な紹介記事コチラ(Casa Brutus)でも参考に 1/16の投稿もご参考に)


参考:私の2014年のクラクフ紀行

2020年1月12日日曜日

昨日のデモ

前回の予告通り昨日も頭数一つでも増やして政府に考えを改めてもらうようにとデモに行った。
ナシオン広場からバスチーユまでの大通りは、私のような「お客様」的な人間が先へ行こうとしてもなかなか進めないほど人がいて、「木曜より盛況」と思ったのだが、その場にいた人も、あとの警察および組合側発表でも「下火」になっているとか。うーん、市民は諦めたのか? 
というのもその間に政府は妥協案を組合に提出。改良派の組合が折れたことはシナリオ通りだが、よく飲んだとおもうような達成不可能な条件付きで後日政府が主導をとれることは明白(詳細は日本の方には興味ないしフランス在住の方はご存知だろうから省く)。

これでストが素直におさまるとは思えないし、少しは沈下しても問題が先送りされてまた火がつくのか、ともかく「財務官僚」的な政府への不満は相当なものだから「黄色いベスト」運動同様何が突発するかわからない。

何もわからないエイゾウ、今日はこれまで。



私の写真が邪魔しているが、左上の立札には「マクロンの罠にかからないように憎しみも暴力もないレジスタンスを」と書かれている。昨日はいつもの労働者、公務員、教師に、黄色いベストも弁護士、判事も。前回「おまけ」で紹介したアルテルモンディアリスト(ウィキ)ATTACのフェミニスト合唱抗議団オフィシルビデオはこちらはバスチーユのオペラ座前で正面玄関階段に上り合唱した。

 楽しかったですよ〜(笑)



2020年1月9日木曜日

マクロンはサッチャーになるのか?

マクロンは頭が良さそうで抜けている。というと好感が湧きそうな印象を与えるかもしれないが、「下々の不満」に鈍感すぎるというのが正しいところ。

元旦に各界の有名人などに授けるレジオンドヌール勲章の受賞者を発表したのだが、その中にBlackRock(ウィキ)という世界最大の資金運用会社のフランス代表が入っていた。年金制度が、個人の積立金を資本運用していく方向になっていくとこうこういう会社は儲かるだろうが、実際政府にアドバイスを送っていたという話もある中、この1ヶ月以上続くストの下でこんなことする? 

その時にニュースでBlackRockはXX億ユーロ儲かるとか具体的に数字が出ていて、その説明が、高額所得者=月収1万ユーロ以上は負担金を一律2.8%にする法律がすでに政府は通していて、その分の見返りはないためお金持ち達は困ってそのお金を民間年金会社に預けるからというものだった。私はお金持ちの気持ちはわからないが、分担金が低くなった分収入が増えたなら喜んで違うことにパーっと使うとか(どうせ財産家だろうから)、彼らの趣味(人生の目的?)のお金儲けのためにもっと良い投資するのではないか? この私の素朴な疑問の検証は、意外に時間がかかったが見当違いではなかったようで、かつBlackRockは保険会社でなくて、保険会社がお客さんだから100%BlackRockに回るわけでは全然ないしで、批難の根拠が薄い」という記事が見つかった(参考 souce)。だが私がこれを書くのはその経済系のサイトを支持するためでは全くない。逆にこの事件のおかげで知ったのだが、大切なのは、このため28億ユーロと想定される金額が年金金庫から足りなくなるという事実。こんな法律を通しておいて年金制度の赤字の是正も何もあったものではないじゃないか! かつ月収1万ユーロ以上の人たちの分担額が極端に減るのは「マクロンは大金持ちの大統領」という批判を絵に描いたようなもの!

当初はそれほど興味がなかった年金問題だが、ストが続いて疑問を抱くにつれどんどん私の嫌疑は深まり反マクロンになってしまった:本当にマクロンはサッチャーになるのを夢見ているのか? 私が子供の頃「ゆりかごから墓場まで」と習ったの福祉国家の英国が、ケン・ローチの映画のようになったんですからね〜。どうして〜マクロンく〜ん?

ここで中途半端な妥協をしたらマクロン政府の思う壺。長引く通勤困難で民意が少し離れてきているようだから、せめて頭数一つでも増やせればと今日初めて反年金改正デモに行ってきた。土曜もまた行くしかないな〜

年金制度改正問題に関わる過去の掲載
12/19 消えたモンブラン
12/29 バレリーナ、見直したぜ!


ここまで読んでくださった方へのおまけ

日本だと暴力的映像ばかり流されるフランスのデモですが、こんな楽しい工夫(?)もあるのですよ〜。自分でも撮ったつもりだったけどi-phoneで撮影すると失敗ばかり。人の借りたほうがよっぽどいいですね。


2020年1月3日金曜日

かじり続けた12年

私は毎年兄の年賀状のための絵(漫画)を作っているのだが、この下の地球をかじるネズミが今年のもの。


兄および年賀状をもらった人の記憶にあるかははなはだ疑問だが、これは12年前の賀状の「続き」もので、2008年には下の漫画を描いた。つまり情況はみごとに全然問題は変わっておらず、そのお陰で今年のマンガは非常に簡単に出来上がった(実際には変わるらないどころか、悪くなる一方だが)。
まあ絶望するには遅すぎる。生活習慣改善して破局をなるべくソフトランディングにするよう努めましょう。その間にひょっとしったら人類新たな知恵を発見するかもしれませんので。


 

といいながら年末は、「世に棹させない」エイゾウはそれなりに節度ない生活を送ってしまったが。。。

私はグレタ嬢に「クリスマスの異常な浪費はもうやめましょう」とも言って欲しかったのだけど。実は今回のカードにはグレタネズミがいるのだが、日本人でわかった人いるのかな〜? 興味なさそうだものね。でもこのまま行くと東京オリンピックで世界に大恥かくよー。ちなみにフランスでは元旦からプラスチック棒を使った綿棒は販売禁止になりました。スポーツ選手も日本人もこんなことには関心ゼロかな(悲)

今年はアトリエで大晦日のパーティーをしなかったので、元旦早々床掃除なんてしなくてよくて楽勝。でも一方では昨年から今年へとアトリエの状況が全く変わらないのもけじめに欠くような。

「兄用に」といっても私も自分の年賀メールにも使っているのだが、返事に「チーズの後はまだデザートがある。でもその後は、、、?」というのがあった。やっぱりフランス人にはうまく切り返す人いて楽しいね〜。