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2026年9月30日水曜日

こんなこと書いていいのかな〜? 私の優雅な「架空の年金生活」

朝市でもう終わりに近づいたトマト、そしてインゲン豆、それからイチジク、加えて今年はちょっと遅めで盛りを迎えているミラベル、あと何を買ったか?そうそう野菜屋さんのお姉さんの自家製のジャム、そんなものじゃない?それで会計が25ユーロつまり5000円ってどうなってんのこれ。まあともかくすごく物価が上がって野菜果物高くなっている(ググったらトマト、インゲン、ズッキーニの値上がり30〜70%とあった)。戦争と酷暑の夏のため致し方ないと言えばそれまでだが、実は今の私はこんなスーパーの2倍以上するような朝市の八百屋さんで買うような身分ではなのだ。
 
と言うのも私には降って湧いた大借金があって、それが約6800ユーロつまり約136万円。借金といってもフランスの年金機構が私に間違えて(?)『払いすぎていた』!!! そう夏前に通知きて、「そんな馬鹿な」とすぐに書いた反論の手紙を書いたが(今から思えばいきり立たずAIに書いてもらったほうがよかった:最近誰でもそうしてるらしい)その非常に「人間的」な手紙にはまともな返事がなく「委員会で取立て額を検討します」という返事が8月末にあったが今でもまだそのままなのだ。
 
何が起こったかをわかりやすいように以下すべての金額をざっくりと暗算しやすい数にして説明すると、、、私の芸術家生活は収入が極めて少なかったので年金積立て金額が低く月に400€の年金しかもらえないのだが、フランス政府はそのような低額年金者に対しては最低金額800€に達するようにするよう補助金を支給する。こうして2025年1月以来私は400€の補助金を含めた800€が毎月口座に振り込まれていた。ところが去年私は何枚もドローイングを売ったのでそのお金をもらう資格が無くなったと言うのだ。つまり年収が「ある値」に達すると突然補助金ゼロになり、達しなければ100%貰えるという明快というか理不尽というか、まあ行政ではよくあるシステムなのだ。だから400x18ヶ月=7200 (先の金額と異なるのは数を全て計算しやすい大まかな値にしたから) 納得いくと言えば納得。というのは年金もらい始めてから「定収入あるとこんなに違うのか」とびっくりしたほど生活がすごく楽になったという自覚があったからだが、初めてもらった年金、年金機構から振込み月額いくらになりますと計算書が来てそんなもんかと払い込まれるままに金額を使っていたが(そこでお上に申し立てする人いないでしょ?)、年金をもらうと同時に芸術家活動を続けるのは申告済みだし、補助金にはもらえるための制限がありますなんて最初にもらった計算書には書いてなかった! 
 
ともかく急に言われても返済できる額でないし、相手が相手だから年金を何ヶ月間か払われなかったらそれでチャラなる。だから返済せずに済ませられるわけはない。お上の慈悲で減額を待つのみ。しかしこの猶予期間にもかかわらず新年度の年金額にはまたしても補助金が含まれていて、、、もうデッサンを売るなと言う意味か? 実際プッシュすればなんとか買ってもらえそうな話もあるのだが全然その気にならない、これは明らかに「援助」の弊害だ(でもそうならないようなシステムは簡単にできるのに)。
 
しかし逆にこの大借金を背負って以来、昔のように倹約する気がしなくなり財布の紐はかなり緩くなって、、、というのも来年も同じ問題が起こり借金解消までにだらだらと続くのなら毎年同じことになり最終決済は墓場に行ってから? だから気にするだけ損だという感じるからだ。この理屈自らどこかおかしいとは思うのだが、架空の収入が振り込まれるので私は文字通り現実の収入以上の生活をすることになり、細かな費用は気にせず、朝市にもヴェニスにも出かけ「私としては」分不相応の優雅な生活を送っているのである。変なの!?! 
つまり今はドーピング状態なのだけど架空の収入は私が払う社会保険費用の算出などに影響し、これは完全にマイナス要素。年金機構が間違えたからと言って遡って修正してくれるだろうか?こうしたことも毎年起きるとするとかなり面倒。一時的にはいいのだが(笑)やっぱりドーピングはよくない😅 
 
こんなこと書いてよかったかな〜?(大笑)
 
と以上は昨日までに書いた草稿だったが、今日手紙が届いていて、、、額に冷や汗を感じつつ開封したところ、、、私の語学力のせいで読み違えしてるのではないかと何度も確かめねばならぬほどの情状酌量のお告げ=返済要求は借金の10%のみとのことで! 我がフランス愛がまたまた膨らみました😇 私はここでしか生きていけない!😀
 
もらって下さるならいくらでも作品寄贈するのですけどね〜😅 
 
緩慢エイゾウ、でもちょっと節約して前回はリドで泊まりました。ヴェニス本島はむちゃくちゃ高くていくらなんでも話にならん

 
 
 
 
 

2026年8月3日月曜日

猛暑と訃報

 今年のパリは5月にすでに猛暑第一波に襲われ、私はその所為かと疑っているのだがその直後に何人ものこちらでは馴染みのある著名人の逝去のニュースが続いた。そう人に言いつつ誰がなくなったか忘れてしまい、、、pcに尋ねていたら、そうそうこの人たちだった。
 
  • Edgar Morin 5月29日 104歳:社会学、哲学者で104歳、最後まで頭脳明晰、現代世界に向かって発言をし続ける座標となる最後まで尊敬された知識人だった ウィキ どんな人だったのかわかりやすく知るのはこの方がいいかな?
  • André Santini 6月1日 85歳:シラク内閣で大臣職にもついた右派の政治家だが、有名なのはイッシー・レ・ムリノというパリの西南に位置する町の市長職を1980年から死ぬまで46年間も続けた!市政的にはセーヌ河沿いの工場跡地に大企業、先進企業を誘致して再生させた。ユーモアに富む昔タイプの政治家。外国語学院で日本語も学んでおり、非常に親日家だった
  • Areski Belkacem 6月1日 86歳:音楽家、作曲  ブリジット・フォンテーヌの連れ。
  • Marjane Satrapi : 6月3日 54歳 映画化もされた自叙伝BD(フランス式漫画)ペルセポリスを描いたイラン生まれのBD作家 Vogue Japonの記事
  • Bernadette Chirac : 6月5日 93歳: ジャック・シラク元大統領の夫人、地方議会員でもあった
  • 四人目のSatrapiさんは近親者の発表で「悲嘆で亡くなった」というので政治的闘士の彼女なのでイランの現状のためだと思い込んだら最愛の夫を1年前亡くしたその後の悲しみということ。何にせよ私には想像できないドラマチックな死因でまだ若くて話は全く別だが、他の方々は高齢だったのでやはり猛暑が堪えたのではないかと私は思い込んだのだった。しかしその後6月、7月に再度2波の猛暑が襲ったが鬼籍に入る有名人が続いたということはなかったので本人および周囲が体調管理に特に気をつけるようになった、あるいは単純にただの偶然だったのかもしれない。

    その後最近になって私の近親、リト(石版画)を習い出したときに同じく生徒だったイギリス人のSさんの訃報がアメリカから、そして小学校からの親友だったY君の訃報が日本から相次いで届き、心にぽっかり穴が開いた。二人のことを追想すると上記の有名人たちのような簡略な羅歴ではすまなくなるので今日も簡単にこれまで。

    遠くより二人に合掌

     

    写真はKyo_Pasの趣味の水彩絵葉書 この教会は5年前に亡くなった舞踏ダンサーの岩名さん参考投稿のスタジオ近くにある田舎の村の教会。横で手をあげているのはフランスではどんな小さな村にでもある、第一次大戦で亡くなった村出身の兵士への記念碑の像です   

    (追記:前回気掛かりと書いたFさんは元気だとのお便りをもらった。よかった〜。それにブログを読んでの便りなので嬉しい)

     


    2026年7月5日日曜日

    アートもスポーツも全ては政治に関わる!

    今年のヴェニスビエンナーレは「マイナー・コード」というテーマで聞こえぬ声を汲み上げようとしたチーフ・キューレーター故コヨ・クオの意図に反して開幕早々政治的な大きな声が圧倒する結果になった。それはやはりビエンナーレが国を代表したパビリオンを持っているということに起因している。スポーツや音楽でも国の代表となると国のプロパガンダの一環になりかねないが、現代アートは政治社会的問題はそのテーマであること多々であり、独裁的政権下でプロパガンダとして使われた歴史を持つアートにおいてアーティストは常に虐げられる側の表現であろうとし、決して政治とは関係ないとは表明できない。

    まあ普通の情報ソースに信をおく人ならロシアはウクライナに侵略戦争を行い、イスラエルはガザで虐殺を続けると考え、そのパビリオンにはブーミングしたくなるだろう。

    私としては、いくらちゃんと機能していないとはいえ国際法を国家が守る国連体制は実際の制裁機能がないとしても、それゆえになおさら人民を治める国家としては法治体制の見本を示す意味でも当然のことだと思うので、その意味ではアメリカもブーミングするのが当然だと思っている。

    でもこんな優等生的な解釈は本来的にアートとは相反するのかもしれない。基本的には「現代アート」は一般的規範への逸脱行為をモットーとしているからだ。そういう意味ではちゃぶだいをひっくり返し続けるトランプは大アーティスト、アメリカパビリオンに彼が出てきたら面白かったかもだが彼はアートなんて興味ないから、、、まあ冗談はさておき「規範からの逸脱」といっても「人間の生命・生活を尊重する」というのは規範を超えた一般合意のはずなのだ。

    アートは世界と隔離されないという証左でもあろうが、「現代アート」の世界では女性差別、植民地主義、LGBTの権利とか社会・歴史・環境問題を扱うことが定番になってしまった感もある。イメージ、表現モードで観衆をギョエーと仰天させても、主旨は正しく、私にはそれは結局「良い子」になっているかの疑問に感じないではない。例えば環境問題に対して警鐘を鳴らすとスキャンダルなアート行為がおこなわれてもそんなこと誰でもわかってるのだから私は地道に産業資本の横暴ぶりや政府の欺瞞を具体的に告発する環境保護団体に耳を傾け支持した方が良いと確信している。まあ現代アートファンはアートの形をとらないと物が見えない人たち(例えば天井に四角い穴が開いて初めて青空や雲の流れを楽しめる人たち)だからその人たちへの警鐘になるかもしれないが。

    ともかく国際的規範の国際法を守る世界をよしとする私はアメリカなんぞもにビエンナーレに参加する権利なし!
    だからアメリカで主催される巨大主義の反エコロのワールドカップなぞ絶対にボイコット! 
     
    の心意気だったのだが、夜でサッカー中継してるとついついつられてみてしまうのは不甲斐ないと言おうか根性なしといおうか、昔のサッカー少年の致し方ないところ(弁明:私の世代は1968年メキシコオリンピックで釜石というその頃のレベルでは秀でたアタッカーがいて三位銅メダルになったという「事件」があって野球一辺倒だった子供のスポーツ志向に影響を与えた)。しかしなぜサッカーがそんなに面白いか? だらだらたらと90分も見てしまうのか?  私の思うところ、得点がはいりにくく、ちょっと見ていないうちに点数が入ってしまって「その時」を見ないと後悔 * が残る?! 録画見て納得というわけにはいかないのだ。そしてゲーム展開の予想はあっても結局その通りには行かない。これがスポーツがいわゆる「シナリオのある芸術」と違うところ。私は何につけてても薄情な人間なのでゲームの大勢が決まっているとどうでも良くなって最後まで見ないのだがW杯は接戦多いから、、、というわけ私はほぼ毎晩の如くサッカーの「罠」にはまっているのだ。なさけなや〜
     
    しかしそれ以上に、、、告白しますと:W杯より不甲斐ないことに私はビエンナーレの一般公開前での「駆け足メイン会場巡り」(参考投稿)で実はアメリカ館にもロシア館にも入ってしまったのだ! アメリカ館 ** は建物の前を通った時に作品が気になった:彫刻家アルマ・アレンの個展で純粋に造形性が追求されていて私のような現代アートの落ちこぼれにはこういう作品は嬉しい。それに対しロシアは何をしでかすかの興味本位:厳重な警備のパビリオンの中は花が飾られ合唱団が歌を歌っていてドリンクサービスもという「えせユートピア」でプロパガンダなのか、すごい皮肉なのか??? こうして両方楽しめ、またまたなさけなや〜。
     
    この反骨精神を全く貫けない私が周りの人にいくら推薦されても最近行く気がしないのがルイ・ヴィトン財団。2014年の開館時にフランク・ゲーリーの建築に感動してこのブログでも数回にわたり取り上げたが(ブーローニュの森の一等地に建設されることになる不思議な経緯も含め)、LVMHグループ所有者ベルナール・アルノーはトランプとは就任式に家族で招かれるほどの仲で、最近耳を疑うほどのイデオロギー的な発言をするので私はまだ矜持を保ちブーミング中(一庶民としてわずかにできることなので)
     
    フランスでよく言われ、日本では全く耳にすることない言葉に「tout est politique : すべては政治に関わる」というのがあるが、アートもスポーツも政治と関わらないものはないのです。

    ところで「規範からの逸脱」なぞと難しいことを言わなくても一般的に芸術家は自由な生き方をする=規則を守らないと解釈される風潮があるらしく、「我がアトリエ正面のゴミ捨て場が臭いし捨て方がむちゃくちゃだ」と文句を言って張り紙をしたアパートのガーデイアンにその後状況が良くなったか尋ねてみたら、よっぽどご機嫌斜めだったのか「あんたの側はアーティストたちが住んでいるから、、、」なんてどう見ても偏見としか思えない意見が飛び出してきてびっくり。「私はちゃんと捨ててるよ」と言ったら「あんたのことじゃない」と → 私はアーティストじゃないのか〜😅

     

    この投稿の写真には腐心しました(笑)アメリカ館もロシア館のコーラスも撮っているのだけど日本語読めない人に大きな誤解を与えかねないし。で、写真は我が団地に住むお兄さんのTシャツ、ハンバーガー店で働いていて仕事着らしいが、バーガー好き(といわれる)トランプにはいいメッセージじゃないでしょうか。 フランスではハンバーガー作りも政治に関わる???(笑)

     

    注

    * 5月16日の投稿でビエンナーレでの後悔を書いたが、ここでの「後悔」も言葉としては強すぎるような。私の日本語ボキャブラリーが貧弱なせいか?フランス語だと〜し損なったという意味に繋がるmanquer、英語のmissを使うのがいいのかな?と今更ながら考えましたがどうでしょうね? 

    ** アメリカ館に関して:「これがアメリカの最善か」https://artnewsjapan.com/article/70028
    (アートに関して「最善」とかいうのは意味ないと思いますが)

     

     

    2026年2月13日金曜日

    キミはトウフ屋を見たか?

    我が街太秦には昔懐かしいコロッケをその場で揚げてくれる肉屋さんや野菜を一笊いくらで売る八百屋さんがあり(これは一昨年引っ越して間もない日の投稿で書いた)、それに学校の下校時間のみ開く古びたみたらし団子屋さん、それに裏道に入ると畑があって野菜の直売の店がちょくちょくあるという楽しいタイムスリップ地区なのだが、なぜか豆腐屋さんが見つからない。

    京豆腐というわりに街の豆腐屋はもう存在しないのかなと思っていたのだが、今日正真正銘、写真のような薪の燃える釜のある豆腐屋さんが京都御所から遠くない裏通りで出くわせ急ブレーキ(注:自転車です)。三角の揚げ豆腐を見たら大根おろしと醤油でそれがおかずになっていた子供の頃の記憶が湧き上がり、今晩はそれで済ませた(笑)  


    この豆腐屋さん、数十年前のフランスの田舎のチーズ屋と似たところもあるなー(これも懐かしい)。「いつ頃からあるの」ときくと「100年ぐらいかな〜」と。でも通りから見ると暖簾に『創業文政年間』とあるではないか! 問い直してみると「書いてあるものがないからそれはあてにならんよ」とあっさりと言われ、、、創業10年や20年で宣伝したがるお店の多い日本でのコレ、感服いたしました。 

    本当は私の名古屋の個展「キミはタコを見たか?」のこと書くつもりだったのだけれど、それはまた今度 

    付記:右写真の昔ながらの揚げ豆腐に比べ、普通の豆腐は時代は変わり、水から掬い出すことはなく既にパックにされていた。しかしこの豆腐屋さんは懐かしい以上、こんな店は子供の頃も見たことなかったかも。

     

    2025年10月2日木曜日

    牡蠣拾い エクス島の日々

    エクス島(Ile d'Aix)の滞在はなかなか面白かった!
    毎日海岸を歩き、スケッチをしたり宝物(=貝殻や穴のたくさん開いた石)を探したり、天気が良くて遅ればせながら今年初の海水浴もできたし、、、それに我が人生初めての経験としては、「転がる牡蠣」を採取してほぼ毎日それを食べ、、、 
     
    岩は牡蠣に覆われ
     
    「転がる牡蠣」とは島で習った言葉 "les huîtres roulantes" の直訳。普通は岩にしっかりくっついている牡蠣が何かの拍子で落ちたり、養殖場から波にさらわれたりして海岸に達し、岩の間の水たまりに転がっているものがそれで、私はこれを拾いに行くのが島滞在後半の毎日の日課になった(笑)
    エクス島の海岸の多くは浜辺にも岩にも牡蠣の貝殻にあふれていて、牡蠣が沢山いたから養殖が始まったのか、養殖があってそれから流れて牡蠣が海岸にいっぱい生植することになったのかよくわからないが、オイスタースポットは岩肌が牡蠣だらけ。それに私と趣味を同じくする海鳥たちがたむろしているからすぐわかる。もし岩から牡蠣を剥がすハンマーナイフみたいなものがあったらあっというまに膨大な量を取れるだろうが、それのない私は水底を観察し、海藻の下をまさぐり「転がる牡蠣」を拾う。 

    こういう岩と岩の間の水たまりに転がる牡蠣がいる。沖に見えるは後述のFort Boyard
     
    牡蠣は自然に幾つもがくっ付き合う習性があって、そんな複合体や海藻やフジツボがいっぱい付着した野性味あるものなら結構簡単に見つかるが、商店に並ぶような平らな単体の牡蠣を見つけるのはなかなか難しい。しかしその変な牡蠣を開くのが結構面白かった(実は「牡蠣が島の名産だけれど私は開けられない」というこの島でアーティスト・レジデンスをできることになった友人画家に言われて「それでは」といつも使っている牡蠣開け用ナイフと手袋を持参してレスキューに行ったのだったのだ😄 その時点での牡蠣は養殖業者で売っている牡蠣だったのだが、、、)。毎日やると変形牡蠣を開くのも結構早くなる。けれども薬局すらもない小島で怪我するとやばいので慎重にゆっくりと眺めて楽しみながら:そんなに数食べられないし→一応これは前菜で毎日その後に炭焼きのバーベキューが待っているので。
     
    と書くと別天地だが、実際には島の住民があまりにも少なすぎてか、港で漁師が魚を売るとか、島で野菜を栽培直売する店もなく、これにはがっかり。 島唯一の小スーパーの価格はべらぼうに高く、島民も島のレストランもすべて大陸で買い出してくるようだった。私がよくお邪魔するユ島(Ile d'Yeu)のぐらいの大きさがあり、ある程度の市場規模がないと現地直売経済が成り立たないことを実感した。 つまり私の牡蠣拾いは生活防御だったのだ😅
     
    砂浜の小さな岩にも牡蠣がひしめきシュールな光景が
     
    養殖はこういうプラスチックのトーテムに牡蠣をくっ付けるらしい

     
    牡蠣の話はこの辺にして以下少し島の説明 :
     
    エクス島がどのぐらい小さいかというと:人口は200人足らず、弓形をしていてその端から端まで3km、幅も600mしかないので、2〜3時間もあれば徒歩で一周できてしまう! 

    島の名前からフランス人でもエクサンプロヴァンス(通称エクス)の名に惑わされて南仏の島だと思うのだが、パリから南西に向かった大西洋岸の都市ラ・ロッシェル La Rochelle から船で1時間強(もっと海路の短い他のルートもあるが不便で自動車族用:島内はノーカー、観光客は大陸の駐車場に車を置いていくシステム)
     
    ユ島もそうだが、フランス南西部は13世紀以降イギリスの侵入を受けた地方で、この島も大陸を防御するための要塞が築かれた。そしてアラン・ドロンとリノ・ヴァンチュラ主演の映画「冒険者たち」や、フランスではテレビの競技娯楽(?)番組で有名な、これこそまさに要塞島のFort Boyardも東海岸の沖にある(以下の観光局のヴィデオをご参考に)
     
    歴史のエピソードとしてはワーテルローの戦いで破れたナポレオンが南大西洋のセントヘレナ島に送られる前に滞在し、ナポレオン博物館なるものもある(牡蠣拾いで忙しく(?)私は行かなかったが)。
     
    勇壮ないでたちで小海老を撮りに来た漁師たち。でも網の中を見せてもらったら1匹だけ。趣味なのかな〜?

    この地方特有カルレという網漁の小屋。これも漁している時はお目にかからなかった。(もちろん写真は干潮時だが)
    これはオイスタースポットの反対側の長い砂浜
     
     
     上空から撮影された観光局のヴィデオです


    こちらは私のデッサン。インスタ京巴ページに投稿中で他にもあります 

    2025年8月24日日曜日

    暑い夏の些細な近況

    わかり難いかもしれませんが、歩道をご覧あれ
    地球温暖化の影響顕著、フランス南西部では毎日40度を超える酷暑だったが、数日前急に涼しくなった日には前日との気温差20度もあったそうだ!南西部ほど暑くはなかったがパリも急にずいぶん涼しくなり、近くの大通りの並木のイチョウ(新しいビル街なのでまだまだ小さい)が急に黄色くなって落葉しているので驚いた。色づくというより暑さ枯れ? 
     
    これも暑さ故だろう、自然空調の我がアトリエでも蚊にかまれる。これは今までそうはなかった。アトリエ内はまだしも、周りの人は馬鹿ンスだから私の責務?特に暑かった日々に中庭の木々に水をやったら近所にまだ水田がある愛知の実家かと思われるぐらい蚊に刺された。
     
    加えてこれは暑さと関係ないと思うのだが小鼠が再登場、赤ん坊で世間知らずなのか私の足元を平気で駆けていく。ちゃんと仕掛けた毒の餌も食べているようなのにピンピンしているのは何匹もいるということなのか??? 自分で考案したネズミ取りばかりか市販のネズミ取りも餌を取られるばかりで子供ながら賢い??? ともかく原因はバカンスで住民がいないので大した食べ物も他地にないからムッシュサカタ宅にでもと潜入したのであろう。来週他の住人たちが戻ってきたら去っていくのではないかと期待するばかり。
     
    こういう色合いのを買ってください
    良いニュースはロレーヌ地方の気候がどうだったかは知らないがミラベルが美味しい。3回買って3回ともだから当たり年だ!(実は去年は完全ハズレだった)。
    こういうのしか買ってはならないのだけど、赤みを帯びてぷりぷりして美味しそうなのが並んでいる。これだけでネズミも忘れハッピー😇
     
    注:私とミラベルの仲を知らない方はいろいろ書いてますが次のかつての投稿からお読みください 

     
    フランスも体温以上の気温が何週間も続くようになるとエアコンを買う家庭が増えるだろう。この誰が考えても自分は良いが周囲の気温を高めるばかりの機械が一般化してしまうと「こんな風になってしまうのですよ〜」と日本国は自身の愚かさ加減を世界に伝えて警鐘を鳴らしてほしい。
     
    しかしそんな日本にパン屋のお兄さんをはじめ知っている人が何人も旅行に行き、皆さんまた行きたいと喜んでいる。 北海道や石垣島とか私の行きたいようなところまで行ってしまうのだからこれならなかなか魅力ありそう。
    私は最近の日本旅行ブームは一重に円安の所為と思っていたのだが、隅田川、鴨川沿いがセーヌ川畔より美しいと言われるとどうしてそう見えるのかな〜と首を傾げてしまう。マンガ、グルメなど全てを含め、このブームの全体像、社会学の研究対象になりそうだ。
     

    2024年11月1日金曜日

    私の細腕とカイユボット展

    今やっているパリ15区(モンパルナス駅方面)の本屋さんの展覧会の近くの薬局にインフルエンザ用のワクチン接種予定の張り紙がしてあった。実は私の家の近くでは経営者の顔がわかるような古い薬局が次々とコンビニののような雰囲気の薬局に代わり、まさに「店員」という感じの若いスタッフに事務的に応対されることが多くなった。と同時に(?)ワクチン接種もしなくなった。こうなると薬局でワクチンを買って看護師さんを予約して接種してもらいに行くことになって、めんどくさがりの私にはぐっと敷居が高くなる😅
    65歳以上はワクチンが奨励されていて無料接種用のレターをもらっているのでそれを持って出直し。
    若い店員に「何を打つか」ときかれて「抗インフルエンザでしょ?」 実はワクチンは「インフルエンザ+」となっていて、+とはコロナ用だった。いつものように「右左どちらの腕に打つか?」ときかれて「左」と答えたところ、横にいたおばさん薬剤師から「2つ打つなら右と左一つずつ」と訂正が入った。えっ、ひょっとしたら初めての経験かな?
    それはいいのだがそのおばさん薬剤師がワクチンを打つ段になって、「あなたすごく痩せてるじゃない。骨まで行ったら大変、ちゃんと打てるかな〜」と言い出した。それはないでしょ今更。血液摂取で「痩せてて静脈がわかりにくい」と言って何回も注射された嫌な経験を思い出した。しかしこういう受け手の心情を配慮しない言葉が出てくるってのはどういうことだろう。一応警告したと言うことで問題の可能性に私は黙認したことになるのだろうか???
    心配させられたがまあ多少両腕だるいぐらいで後遺症もまったくなく、結果オーライでいいのだが、痩身のエイゾウにはフランス医療機関は怖いところ。もう少し筋力つかなきゃ!? ってことに関係あるのが今オルセー美術館で開催中の Gustave Caillebotte (日本でのカタカナ表記はカイユボットらしい) 展(ウィキ 絵も沢山掲載されている)。
     
    資産家で仲間の印象派の画家の援助もしたカイユボットの代表作は『床削り』(超名作は写真とりませんでしたのでクリックして参考に)。この作品でわかるように古典的なテクニックを持った彼だが、端的な特徴は極端なまでの俯瞰的構図を使うところ。私はドガ、カイユボット、それにボナールと連なるこういうこういう構図が大好きなのだが、なぜこれが私の細腕問題に繋がるかと言うと、この働く男性の肉体。
    全然筋肉モリモリということはないが、カイユボットは初期には軍人を描き、その後このような肉体労働者、そして晩年はボート、水泳のスポーツマンを描き、モデルは圧倒的に男性で、女性ヌードは展示作品にあった一作しかないとのことで、19世紀末の戦争が背景となる時代が求めた強い男性像、その時代のブルジョワ社会の男性優先性、それと彼の個人的指向 * というジェンダーの問題という視点でこの展覧会は構成、企画されているので。
    だから絵の横の解説とか読むと「なんだこれ?」の連続。「アートには社会性がなければ」という現代美術の金科玉条がここまで遡及することになったということか。
     
    そんなことは良しにして絵画と対面してください。素晴らしい作品が並んでいます。
    習作などもあり勉強になります😅 

    まずは『床削り』から
     
    小さな習作。左の男性のポーズが違いますね

    あまり俯瞰してない床磨き。窓の光の床への反射お見事。この段階では男性がシャツ着ている
     
    都市風景も自分のアパートから俯瞰

    完全に飛び込むような斬新な俯瞰構図。テーマ、色彩的にもボナールを思わせる

     
    ブルジョワのカイユボット家の食卓:お母さん、召使、それに肉を切る弟
     
    大俯瞰で手前の皿もナイフも滑り落ちそう。ボナールのみならずひょっとしたらピカソがピンときたかも?
     
    パリ近郊のカイユボットの家に行くとこの食卓がこんな感じで残っているらしい(会場にいた日本人観光客の情報で、リンクしたサイトも日本語!)
     
     
    パステルだとこんなふうにナビ的な明るい色使い

     
    これもパステル。川遊びにしてはあまり楽しそうに見えないが、遊びより筋力トレーニング???

    ボートシリーズでは油絵もルノワールを思わせるような色彩になる

    構図だけではなく実際に飛び込むのも好きだった😁

    古典写実的と思われたカイユボットだが絵具ベトベト、この辺完全モネしている
     
    しかしやっぱり男の世界かな〜? 
     
    オルセー美術館のカイユボット展、サブタイトルはずばり「男を描く」 1月19日まで
    美術館のサイトはこちら
     
    注* 兄弟仲がずいぶん良かったようだが、アン・マリというブルジョワなカイユボット家からは疎まれた恋人がいて彼女は絵の中にもしばしば登場する。女性蔑視的ブルジョワ階級の社会環境で育ったから「男を描いた」のか。彼の性的指向があったのかはよくわかりませんね。私としてはどうでもいい問題に思えるけど(笑)
     
     
    なんか変な視点のカイユボット展だったがおわかりのように私はカイユボットも昔から大好きで、下の絵を見て浜松で務めていた時に寮の近くの田舎の農夫を見てこんな感じでもっと俯瞰を極端にした油絵を書いたことを思い出した。あの絵はどうしたのかな?
    実家の整理のときに私の高校時代に描いたボナールのコピーはリサイクルショップにあげてしまったが、買い手があって新しい人生を生きているのか?はたまた廃棄されてしまったか???😅  そして私が名作と思っているアトリエにある数多くの作品はどうなってしまうのかな〜
     
     
     
     

    2024年8月5日月曜日

    牡蠣の産地のサン・ヴァー紀行

     
    フランス北西部、コタンタン地方(最も知られた町は半島の北端のシェルブール)の、Saint-Vaastと書いてサン・ヴァーとしか読まない町の本屋の上のアパート的スペースでグループ展を企画してもらっている。小さな空間に10人ものアーティストで一体どうなるやらと思ったが、私の協力もあり(笑)、上のFBに出したビデオの様になかなかうまく展示された。といっても水曜には私の作品を中心にし(それで私は来たのだが)、3日後の土曜には違う画家にスポットをと、しょっちゅう模様替えをするという変わった形式の展覧会。こういうのが作品販売(もちろんそれが目的)にプラスするのかどうか私にはよくわからないが、私としては夏のバカンスの展覧会で作品が売れるなんてことはほぼ皆無なので、まあ好きなようにやってみてくださいという感じ。 

     
    水から牡蠣の殻のかけらを除くのが意外に大変だった
    知らなかったけどこの
    サン・ヴァーは2019年にフランス人に最も好まれる町に選ばれるという栄誉を得たらしいが、どうなんだろうなー? 問題はこの「最も」というところ。
    普通のレベルのきれいな漁港+マリーナの街に思えてしまうが。
     
    今回の滞在の結果で私がサン・ヴァーに与える好得点は、フランス全土猛暑だったのに涼しかった〜!(天気予報を見るといつもコタンタン半島だけが温度が低い)
    それに加えてあるいはそれ以上にここは牡蠣の養殖で知られる地で、展覧会を企画してくれた夫婦宅で最初は牡蠣三昧。生牡蠣に始まって、牡蠣のジュレ(牡蠣はさっと湯通し、牡蠣の殻の中に入っている海水をゼリーにして牡蠣に添える!)、牡蠣とネギのクリームスープ、それに台湾発祥らしい牡蠣のオムレツと、このまま行くとどうなるかというデビューだったが夫婦宅に同宿だった大の料理好きのL君がカスレを作って去った後は普通に戻った(笑)
     
    出身地の名物料理カスレを調理中のL君
    牡蠣の養殖にメリットがあるのかどうか知らないが、砂の浜辺が浅く長いので引き潮だと牡蠣の養殖の棚があらわになり、沖にあるかつての要塞のあるタティウ島へ歩いてわたれるようになる。この満ち引きのため4輪のついたヘンテコなボートが運行している。 その他タティウ島 (L'ile Tatihou) とサン・ヴァーに関しては日本語ウィキがあったのでご参考に
     
    着いたそうそうオリンピックの開会式についての意見を聞かれ「テレビのショービズの世界じゃないの 」と批判的な意見を言ってシラ〜という雰囲気で始まった滞在だったが、(家の人ばかりか実際滞在中会った人は100パー開会式に絶賛の言葉を惜しまないひとばかりだった。私は盲目か? 「ながら」で見ててもスゴイ時はわかるはずだけど、、、。 困ったことに批判しているのは極右の人たちぐらいしかいないらしくて、、、(私とは理由が違うが)😅)
     
    とはいえ皆さん親切だから無事に終わった滞在だったが、最後の最後に〜〜〜
     
    港の臨時遊園地のために経路変更となってバス停が変わったバスに荷物を引き引き走ってやっと間に合ったと思ったら、そのバスの遅れで電車に間一髪間で合わず(多分あと10秒早かったら???)、、、
    只今一本遅い列車でパリに向かい中(最近はローカル線の特急でもWiFiが使えます)。
     遅れたバスは地方が運営している(財源を割いている)。1.5 € で随分遠くまでいける素晴らしいバスなのだけど、仏国鉄はそのバスの乗り換えが来ようが来まいが全くおかまいなし。これじゃせっかく整備しても公共交通に乗る人少ないの当たり前!(実際仏国鉄の駅まで乗ったバスの乗客は私一人だった。ちなみに仏国鉄サイトでサン・ヴァーからパリで探索するとバスと電車が連絡しているケースとしてでてきます) 
     
     
    しかしこんなことで展覧会しつつ赤字を増やすなんて、つらいな〜(悲) :楽しくバカンスさせてもらったから仕方ないって声が聞こえてきそうだけど、プロフェッショナルたるプライドが許さんです。
     
     

     
    後記:会期が終わって本屋から会計報告、結果はしっかり黒字になっていました🎵