2020年4月9日木曜日

マスクの復讐 II

何でこうなのかな〜。

マクロンが国民を叱っていると思ったらパリ市長まで。何故か「禁足令」が出て以来好天続き、そして週末から一挙に夏の陽気になってしまい(今日の最高気温はなんと25度以上)、かつ子供たちは春休みとなりネットを通した授業もなくなったので「蟄居」している市民の少々タガが外れたらしい。そしてジョガーが人の間を走る写真を見てパリの社会党女性市長イダルゴさんは「ジョギングは10時から19時まで禁止」という令をだした!
その初日の昨日、昼間走っていた人も夕方の7時を待って走り出し、普通より混み合うことになった。こんな結果、火を見るより明らかだと思うのだが、、、
パリ市庁舎はその現象を認めていないらしい(笑)

私の聞いたインタビューでは「ジョギング」と言っていたが、スポーツ全てが禁止されたのかよくわからなくて、、、。私自身は以前書いたように散歩も兼ねて縄跳びを持って国立図書館のテラスまで行く(景色が良いし、木の板なので膝に負担がかからない)のだが、散歩はいいが縄跳も禁止かも? 警官の判断に任されると困るよね。
それから市長さんによれば「マスクは絶対必要」。200万枚の布製マスクが市民に配られるそうだ。

そしてさっき世論調査の結果を報道していたが(よく書くがフランスは世論調査が大好きで、大きな民間企業がそれにあたる)、国民の4分の3は「マスクに関して政府は嘘をついていた」と思っているとのこと! そして37%がマスクを使っており、その中の59%は外科用あるいはFFP2の、医療機関で不足しているとされる「いいマスク」をしている!(前回の復習参考)
アヒルの嘴型のFFP2マスク
実は市長はマスク義務化も示唆し、以来急にマスクが街角に増えたのだが、青い外科用マスクと思わしきものや丸いフィルターが付いた「いいマスク」をしている通行人が多いのでびっくりした。この医療に回すべきマスクを買い物ごときで使う方がジョギングするよりよっぽど犯罪的ではないか? かつ「いったいどこで買ったのだ?」と正直者の私は思うのだが、それほど闇の販売が多いということらしい。
政府も市民も「信用ならん」で張り合ってる(笑)

マクロンも大失態だが、私の「ゆるいルール」もずたずたですわ。

しかし「マスクなんぞは安い中国で作れば良い」「病院のベッドは空きが多いから減らした方が良い」という利潤追求思考のツケが直撃というのはまったく正しいけれど、今それを言っても「禁足」が解けるわけでもないし、「禁足解除」へのルールも示してくれない。でも上記の経済優先政策を進めてきたのはこの数十年にわたる右・左・中道の歴代政府としても、それを補佐する厚生保健官僚は同一。政府は専門家の意見を聞いてというが、聞く人間違ってるんじゃないか?

ところで私が住むパリ13区はパリのチャイナタウンがあって有名で、毎年正月(つまり旧正月)は大きなパレードがあってアジア系でないフランス人も大勢集まるが、今年は直前にキャンセルされた。まだ1月末でピンとこなかったけど今から思うとこれは大いに英断だった。そうでなかったら13区がクラスターになっていたかも。これは市長あるいは区長というより中国系コミュニティの裁断だろう。やっぱり相談相手が大事ですよ




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