2016年3月8日火曜日

失業率からの脱却

2/26にボーナスの話を出したのは、2014年に国と中国資本に助けられて息を繋いだ自動車のプジョー・シトロエンが12億ユーロの利益を上げて、社員に従業員に平均2000ユーロのボーナスをだすというニュースがあったから。労働組合に言わせると1万7千人の解雇された従業員の犠牲の上になるもの。しかし人員整理して1年足らずで経営が好転するなんて、経済ってそんな単純なものかとあきれてしまう。だから他に要因があると期待したいのだが、もし労働組合の言が正しいなら、それは逆にネオリベのみならぬ現オランド政府を含めた「改革派」の「低賃金・流動的雇用の促進をするしか将来はない」という論理を証明してしまうのでは???

そもそも経済発展すると人件費が高くなり、途上国の追い上げに対抗するために生産を機械化するのだと物心ついて以来ずーっと(私の世代は)教えられて来た。今やラインはロボットだらけ、ますます生産に人間が要らなくり、生産業以外でも私の銀行への不満でおわかりのように、電子化で第三産業でも人員は削減された。つまりこの方式で半世紀間「人減らし」政策を推し進めて来たのだが、経済のわからない私が不思議でならないのは、それなのに失業者の増加が問題になること。だってこれって失業者を生産してきた訳でしょ?
勿論「人間はもっと創造的な仕事に就くようになる」とか「経済発展で新しい仕事が生まれる」と説かれてきたが、そういうところはあっても万人みな創造的でもないし、数の上でも失業者が多くなるのは当たり前のような気が絶対しますよね(かつ歴史が証明しているように思いますが)。
だから「失業率との戦い」なんていうスローガンや政策はナンセンス。失業率と闘うより、高い率の失業者がいることを前提の社会を考えるべきなのでは?

そもそも「失業者」が「雇用を探す」のが仕事と見なされ、「活動していない」というカテゴリーに入れらるのがおかしい。人は雇用がなくても社会の一員として活動できるから、ある意味の「暇人」の存在をプラスにする社会システムを考えるべき(自己弁護かしら? 但し私は雇用を探していないので「失業者」ではありません。でもれっきとした社会の一員で、、、「少ない雇用」状況でそれを探すのは労多くして、、、でしょ。このエネルギーを別なことに向けた方がよい)。社会全体の生産が上がっているなら可能なはずでは?

算数的にはワーキングプアを増やせば失業率は少しは下がる:そんな法律案(だと思う)をめぐって明日は久しぶりの大規模なストになるかもしれません。
労働組合側などの反対要求は結局雇用確保云々だから、私の主張する「失業率からの脱却」とはほど遠いのですけど。

写真は1978年モロッコ生まれで去年の9月に就任した労働省大臣。El Khomri法と自分名をつけられてしまった労働条件自由化法案を弁護せねばならなくて、私は少し可哀想な気がしていますが、、、。 今日は「女性の日」ということだったので活躍する女性の一人として。

6 件のコメント:

  1. 昔、労働から解き放たれた立場で存在感のある「御隠居さん」っていたよね。失業者の一員だったのか?
    世間一般で言われる仕事というものに従事していないということに、後ろめたさを持てよ、と言わんばかりの雰囲気をださせるような社会は何だか窮屈・・・

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  2. 「親戚ですか?」って聞かれるんですよね?「大分違うでしょうがぁ、Komoriとel Khomriじゃぁ。」khomriってアラブ語でワインに関係ある言葉だとか。うちは祖父が戦時中砂糖の配給を優先的に受けるためにワインを作り始めた。勿論、ワインには加糖せず、配給の砂糖を贅沢に食べて、余った分は知り合いに売ってたのだが。

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  3. あ、本題に言及するの忘れてました。私は元々から嫌な事はしなくていいならしない方がいい、嫌な仕事は機械がやってくれるなら代わりにやって貰えばいい、世界の富を分かち合えば人類全員がほぼ健全に食事して、屋根のある場所で寝られて、好きな事の1つや2つは出来る位あるでしょうに派です。それをどうして無理やりPole emploi(ハローワーク)に登録させて「未だ仕事がないのか、まだか?」とプレッシャーかけるのでしょう?・・・そのくせ、学生やってるうちや60-65歳過ぎちゃえば急に仕事なくても良い事になるのも不思議な話です。まあ、この話は長ーーーーくなるのでまたそのうちに。

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  4. pommeさん、本名がバレましたね(笑)。「うちは祖父が、、、」ってコモリさんでなくてKhomri大臣の「家」の話ですよね?

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    1. いえ、岐阜の私の実家の祖父の話でした。出身地もバレてる・・・。大の甘党だった祖父は戦争で砂糖が手に入らなくなると、ワイン製造をして軍隊に供出すると届けを出して、砂糖を確保していました。でも醸造は一切加糖しない正真正銘のワインを作り、砂糖は自分用に保管。闇で物々交換もしてたようです。

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  5. Khomri大臣の父親はモロッコを離れてボルドー近辺に上陸(?)したはずなので、彼女の家のことかと思った。

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