この他グループ展では、火事で真っ黒になった本棚とかを撮った「火好き」の私にはたまらない作品もあったがこの燃えた家は作家(Judith Baudiner)自身の家だとか。
画廊を入ってすぐのGilles Molinier(web)の幻想的な写真は、桑の紙に印画してそれに裏から光を当てて…と複雑な工程を彼は愛する「木」を撮る為に生み出したとか。
この写真展 "Si photographes ..."(駄洒落で6人展です)はパリ12区の Galerie Univer にて12月24日まで
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私が彼の写真が好きなのは鏡の反射や調度品が凝りに凝っているところ。かつ殆どの写真には自分が登場するから気が遠くなる「舞台設定」の仕事なのだが、彼の作品の出発点には自分の祖父がナチの協力者だったという大ショックがある。日頃は硬派の政治ジャーナリストの飛幡祐規さんが彼のことを有料メルマガのROADSIDERS' weekly 2014/11/19号に記事を書いているので、その祖父の人生のくだりを数行引用させてもらうと、、、
「多才で行動的なフォントノワ(注:祖父のこと)は貧しい環境に生まれたが、国の給費を受けて学業に励んだ。共産主義に惹かれて2年間でロシア語をマスターし、トルストイの『ハジ・ムラート』を訳した。1920年代なかば、ジャーナリストとしてモスクワに派遣されたが、そこで反共産主義者になって中国へ行く。上海ではフランス語の新聞を発刊し、蒋介石の顧問になるが、阿片にはまった。1934年、フランスに戻って小説を書き始めるが、1937年にフランスのファシスト党のメンバーになる。第二次大戦中はナチス協力者になり、最後はベルリンに行って、ヒットラーに先立って自殺した・・・」
レアンドロの作品もフェレデリックの作品も昨今の不気味な時代の流れの中で変に現代性を帯びて来たように思えるが、彼らの作品の発端のドラマを知れば知るほど、ますます「私の蝶々はいったい何なのだろう」とその「耐え難き軽さ」に忍ぶ私なのです(前投稿参考)。
会場にて上の写真(最後の晩餐?)の前で、飛幡さん、フレデリック君と
*後記:フレデリック君の個展は27日(日)まで会期延長だそうです!
L'expo de Frederic Fontenoy est prolongée jusqu'au dimanche 27 novembre.
LE BALLON ROUGE galerie : 10 Rue des Gravilliers 75003 Paris
Du mardi au samedi : de 12h à 19h & Le dimanche : de 15h à 19h
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