前々回及び9月の設置時に私の蝶々のインスタレーションを紹介したが、そのタイトルは「蝶は常に舞い続ける」。展示期間が秋だったので「枯れ木に舞い続ける人造の蝶」という皮肉なテーマだったのだが、その仕事に行く前に蝶々のドローイングも幾つも描いた(勿論海水で)。

という訳で何か因縁がありそうなのだが、子供の頃は青虫には刺されて文字通り痛い思いをしているし、蝶々の身体は生柔らかくて 、よく見るとやはり幼虫を思わせるからあまり好きではない。蝶々で連想することと言えば、ごくフツウにあの煮え切らない話の「蝶々夫人」、学校をさぼってまでも鈴鹿の山に採集に行っていた中学の同級生、いえいえそれよりは初めて見た時驚いた(勿論フィルムで)、19世紀末から20世紀初頭にキャバレー劇場で一世を風靡したロイ・フラー Loïe Fuller(ウィキ)の衣装と照明を組み合わせた「蝶々ダンス」だろう。蝶々ドローイングの胴体は人間だからこれがモデルなのかとも思うが、自分のことながら心もとない。「どうして蝶々なんですか?」ときかれると「神のお告げ」とでも言いたくなるが、これでは現代作家としては失格でして、、、。
私が蝶々の好きなところといえば、風が吹くとフワッと流され、これでどうやって花の蜜を吸いに行くのだろうと不思議に思わせる「いかにも頼りない飛び方」に尽きるだろう。だからガニーの展覧会の天井から吊るした蝶々(右下写真)も人が通ると揺れ、ジロンド河口地方の蝶々も風でフラフラする。まあこの点が結局私の生き様と共通しているのかもしれない。

だが私の危惧に反し、大方の人は初めからそれらも「日本では知られた技術なのだろう」と私の試行錯誤の結果(純然たる発明?)とはつゆ思わない人の方が多くて、、、。
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「どうして蝶々なんですか?」ときかれると「神のお告げ」とでも言いたくなるが ; 「神のお告げ」ではなくeizo様のお告げです。Loïe Fuller映像は初めて見ました。作品と何かピッタリですね。
返信削除ユーンさん、日本語でコメント、すごいですね。ありがとうございます。
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