Non seulement le carillon à vent
mais aussi ma femme se tait,
la grande chaleur
風鈴も
妻も黙る
猛暑かな
我がアトリエには風鈴もないし奥さんもいないので勝手な想像の句だが、考えてみるとこれはものすごく日本的。フランス人では旦那のほうがおしゃべりなことも多いので:
Non seulement le carillon à vent
mais aussi mon mari se tait,
la grande chaleur
風鈴も
夫も黙る
猛暑かな
のほうが理解が得られるかもしれない。
実は我が地下アトリエは自然冷房で猛暑のときは快適この上なしなのだが、一歩外に出ると、、、:
La tenue léger
Je faillis demander :
Comment vous avez réussi à grossir autant?
これは和訳が難しい。
作家本人ということで超訳してしまうと
夏服の
薄着で太る
仏女たち
この感覚はパリに来て実感してもらうしかない。またまた「女性にやさしくない」句だが、川柳は元来皮肉なものということでお許しを(?)
ケ・ブランリ美術館では今「ピカソとアフリカ」という展覧会をやっているはずだが、テーマが安易だし、暑くて遠くまで行く気がしない。という訳で行ってもいないのに、同美術館のあの暗〜い空間からまたまた勝手に想像、日本語で言葉をそのまま並べ:
薄暗い
ギャラリーで涼む
ケ・ブランリ
なんて遊んでいたら昨日の晩は暑さが一挙に炸裂したかの猛雷雨。第一句の反省もあり(?):
Quel tonnerre !
Il terrifie mon chien
et mon mari aussi.
大雷鳴
おびえる犬に
我が夫
市電の駅からアトリエまで歩いて5分もないのに突如の大雨でカフェに避難、前のパテ通りはみるみる川になり:
Epaté
l'eau coule ce soir
sur la rue de Patay
これはただの駄洒落なので、また超訳すると
稲妻に
流れる川は
パテ通り
猛暑中は連日のように大きな「海水ドローイング」を描き、その後は雨と風に見舞われた田舎のインスタレーション、疲れたので仏語川柳で遊んで休養中というところ。思った以上に楽しめてびっくりしているが、無論文学的野心など一切ないのでご心配なく。
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