蟄居以来結構「仕事一筋」なのでまた短いブレーク、これも何回か誘われていたパリから1時間少しの田舎にあるお宅に伺った。いそいそと先週行った一つの理由は7月末まではNeowise彗星が観察可能ということがあった(天気も良好)。実は太陽に近く一番輝いていた月の初頭も田舎にいたのだが(城の生活参考)、朝焼け前という条件でパスしてしまったのだ。今や一晩中見られるということで北西の方角で灯りがない条件で観測地にしたのが墓地に接する駐車場。「星の友(?)」* 向け記事で見た北斗七星の下あたりを双眼鏡で丹念に見回したがそれらしいものは見当たらず、とぼとぼ宿泊先のお宅に戻って2ー30分した夜中ごろ、扉がドンドンと強く叩かれた。田舎では想定外のこと:私のホストの引退夫婦は多少パニック。
それが扉を叩いたのはなんと3人の憲兵で「パーキングにいた不審人物」がこの家に入ったので調査(?)に来た、「その人物を出せ!」。私はサロンにいて夫婦が玄関から戻ってこないのでどうしたのかとおもったら左派夫婦の奥さんは「とんでもない私生活の侵害」と結構カッカして抵抗していたようで、私が出て行ってすんなり身分証明を見せてお引き取り願えたが、夜の街頭で呼び止められるならともかく誰かが家まで追跡して通報したとは!?!
私としては見知らぬ人物が夜中のパーキングを歩いているのを怪しいと思う田舎の人の気持ちもわかるし、通報されたら放って置けない憲兵の事情もまあわかるし、「犯罪」も存在しないのにただの通報に夜中に家に憲兵が来るのは「権力の横行」という意見も正しいと思う。このあほらしい「事件」の影に、「異邦人は敵」vs「警察は暴徒」という特に最近のフランス社会で強まりつつある「相互不信」「敵対思考」の風潮を見るのは「中庸」たる私の被害妄想だろうか?
ところで数日前、スーパーの自動レジで長蛇の列。やっと私の番が回ってきたと思ったらある商品のバーコードをスキャナしたらビーっとブザーが鳴って、仏海外県系(レユニオンとか?)の守衛さんが「あんたはカゴに品物を入れなおして横で待っていなさい」と言う。フランスでは自分がトラブルメーカーとなっても後の人に順を譲るなんてことはありえない。なんで私だけが〜と怒ったら急に目が覚めた。
つまりこのエピソードは夢だったのだがその日の午後、実際のスーパーに買い物に行くと自動レジは順調に進んだが、勘定の段階になって財布がないことを判明、「あれれ夢の再現?」と思いつつ出口を見張る巨体のアフリカ系ガードマンにおそるおそる「財布を忘れた」を言ったら「誰にでもあることだ」と寛容。家から財布を取って戻ってくるとキャディに買ったものが全部入れてあり、プリントされた総額のバーコードを使って決済すればよいだけになっていた。
「おー、つまり現実の方が夢より優しい!」 そんなことあっていいのかな? いいのです。結局勝手な被害妄想(無意識も含め)、疑心暗鬼が生きにくくしていると、今日は健康ライフコーチ的に締めくくりましょう(でもホントですよ)
注:大人の「星の友」は少ない。彗星観察は単独行動。夫婦の旦那さんも「そんなものみてどうなるの?」と質問したぐらいだから、警官に言って夜の徘徊が正当化できたかは甚だ疑問(笑)。私がお宅に戻ったときは夫婦は昔のNYセントラルパークでのサイモンとガーファンクルのコンサートの録画を見ていて、奥さんが待ちに待った「サウンドオブサイレンス」が始まり静かなイントロから有名な最初のフレーズが歌われたその瞬間に憲兵が扉を荒々しく叩いたというタイミングの素晴らしさが彼女のお怒りを一層高めたのは明らか。翌日は事件を街で出会う人に流布し、その怒りは彗星のように尾を引いている感じ。
「事件」はfbで報告済み
私はにわか「星の友」だからよく知らないが、結局彗星とは一度も遭遇せずに人生終わりそう、、、「ちょっと悲しくないですか?」と思うのが「友」?
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