前々回(12月30日)に書いたオペラハウスギャラリーの松谷さんの回顧展も最終日に滑り込みだったが、先週の日曜日も最終日に滑り込み。こちらは京都嵐山の福田美術館で、私の今の日本の拠点からすぐ近く。しかしこの展覧会のタイトルはとてもとても変だった:
「京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!」
これってマジ? 私のような者は行く気が萎えてしまうが、これで若い人が呼べるのか??? そういえば昔「絵画史上最強の美少女」とか書いてある宣伝にもびっくりしたが、、、。何でも笑えればいい? 日本国は謎だ。
でもこの展覧会に行った人がFBに写真を上げていてこれが「マジ」そうな展覧会で、、、だから自転車で行きました(嵐山は太秦からすぐ。でも表参道みたいな感じのすごい人だからいつも敬遠していた)
若冲は綿密な描写の華麗な色彩画で知られるが、この展覧会では水墨画が多く、つまり当然白黒で筆使いも大胆、個人的には私の海水ドローイングも通常のテクニックとは違うとはいえ水墨画の一種(?)だからこちらの方がずっと興味をそそるし、参考にもなる。右写真の魚のうろこ、濃い墨が先で後で細筆でスイスイと墨を吸い取ったのだと思うけどどうやったのかなー? 若冲の発明みたいなこと(=その時代に彼以外できる人はいなかった)解説に書いてあったけど。
若冲に多大な影響を与えた清の沈南蘋(しん なんびん)の花鳥画を広めたと言われる、今まで私は知らなかった鶴亭浄光という長崎出身の坊さん絵描き(かつ彼には号が幾つもある)の水墨も紹介されていたが、大胆で非常に面白い(リンクのインスタの最後に7枚目と8枚目)
「激レア…マジ?!」ばかりか福田美術館は客引きに必死のようで、コピーよりはオーソドックスだがファン参加型でかつ副館長さんが「エモイ」なんていう私のよくわからない言葉を使うyoutubeも作っていた。
宣伝してるようですが、実は「一体ここ何なのかなー」とますます不思議に思ってウィキで調べたら創始者の福田さんは取立てが厳しくて問題になった民間金融業で財を築いた人だとかで、、、
美術品の価値は下がらないけど、う〜むですね。
この若冲展の話を美術通の友達に話したら「相国寺の承天閣美術館の若冲の襖絵も見なさい」と教えられ、早速美術館をググって見ると「この展覧会も終わるではないか!」
いそいそと今日見に行ったのだが、茶具が並び何だか変だ。それもそのはず、私が見たのは去年のこの時期の「若冲と応挙」という展覧会の情報だった!
でもここには若冲の手になる鹿苑寺(金閣寺)の大書院の一部(壁や畳、床の間など)を復元して展示していて、これは移動不可なので常設。つまりその2つの大胆な水墨の大襖を堪能して戻ってきた。これは撮影不可だったので承天閣美術館を紹介したこのリンクをご参考に。これがいつでもみられるというのはいい!
禅 vs コンセプチュアルアート は面白い企画になると思うけど
そう言えば7年前若冲の代表作パリに来たのです。大人気でした。その時の投稿はコチラ