2020年6月15日月曜日

「もろきもの」:再開したグループ展

前回書いたパリ市から無料配給された鴨の嘴型マスク、「使いにくい」と文句をつけたが、口の先に空間が広いので話しやすいことを確認。おしゃべり好きで、日本人が苦手とする母音 u のように口を突き出す必要のある言語を話すこの国ではこのマスクが流布するのは当然かと使ってみて納得した。

というのも3月の「蟄居令」が出る直前に開幕して3日で閉鎖となったグループ展(「蜂の巣」の「もろきもの」展)を6月5日から公に再開し昨日まで展示していたのだが、画廊や美術館と違い、我々の展覧会の場合作家が自ら会場にて、何もしないのも退屈なので(笑)、来場者には自ら作品解説。つまりマスクによって話しやすさの違いがよくわかった。

しかしながら作家が自ら作品解説という滅多にないチャンスなのにどうしてこんなに来場者が少ないのか不思議に思ってしまうが、「それが無名作家の宿命か」と観念するしかない。有名だと最近はやりのマスタークラスだからなー。残念ですね〜(二重の意味で)

今回は「我らが無名性」以外にも、まだ高年齢層を中心に外出を控える人は多いし、富裕層では田舎で蟄居したままパリに戻ってきていない人もいる。また私が会場に行く時間と戻る時間は関係なかっこともあり、もうとっくの昔からと思いこんでいたのだが先ほどのラジオのニュースによると「やっと明日からラッシュアワーに通勤許可書なしで乗れる」ということで、これでは最後の週末以外盛況でなかったのは仕方ないかと言う感じ。 (下の二枚の写真は昨日の最終日) 再開が早すぎたか???

自らの作品を解説するRégis RIZZO君。今度の展覧会が開催できたのは「蜂の巣」にアトリエがある彼のお陰

こう書くと「なんとか目になんとか目」(言葉忘れました)と思われるだろうが、La Ruche「蜂の巣」のあるパリ15区は比較的リッチな人が多いからか近所の買い物片手に通りがかった人が美術品まで購入なんてこともあり、結果は作家5人皆作品が売れたし、実は私の作品は結構出た!(とはいえ展示のメインは売れるはずのいない超大作なのでしれてますが)。しかしこれに加えて3〜5月はフランス政府のアーティスト支援4/30記 があるので、個人的には今のところ見事に世界的経済危機をクリアしていますのでどうぞご心配なく。本当にどうなってるのかね〜😀 ひょっとすると有名アーティストたちが「危機」を声高に叫んでくれるおかげで「芸術家は大変、サポートするなら今」という支援意識が生まれているのではないかというのが私の推察。


下はもう既にリンクした日本語字幕付きの「禁足」中に作ったグループ展の紹介ビデオ。Régis君は「ビデオをうまく作りすぎてみんな展覧会に来た気になって逆効果だったのではないか?」と疑問を投げかけていたが、先週末、週の前半は本当にそのぐらい心配になるほどの来場者数だった。

しかしなんだかんだと3ヶ月間展覧会をしていたような気がする不思議さ。。。ある意味終わってスッキリです。


2 件のコメント:

  1. 本当に忘れた?『弱り目に祟り目』。
    『泣きっ面に蜂』でも。

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