またアーティスト・レジデンスにでかけた。今回は「ドラ・マールの家」のように後ろ盾に財団のあるような”立派”なものではなく、夫婦が引退後田舎の家の家の別館にアーティストを招くという完全な個人ベースのもので、私としては初めて交通費も滞在費も自腹を切った。といっても別館(寝室、居間、台所)を一人で使って一泊15€:ベル・イル(Belle-Ile おフランスではリエゾン(?)して「ベリル」と発音される)という知名度の通ったバカンスの島での一般の宿泊費と比べるとタダみたいなもの♪ 「ドラ・マールの家」は本来招かれている外国からの作家が来れないという理由からの裏口入学だったが、今回は正面玄関からで(笑)、滞在プログラムは昨年12月から決まっていて、滞在2週間全日晴天で海水浴できるほど暖かいというのはひとえに日頃の品行方正さゆえではないかと思う。(ちなみにこのレジデンスはHors Saison=シーズンオフといって7ー8月の完璧なバカンスシーズンはやっていない)*
Belle-Ile 訳せば「美しい島」、いつ頃名付けられたか知らないが、自信満々の命名で、現在の住民も「我が島」の評価には自信満々。その美しさの噂は聞きながら、バカンスで行けるような身分でない。だから昨年このアーティスト・レジデンスをサイトで知ったとき、ちょうど Covidの再ロックダウンとかの欲求不満も手伝って赤字覚悟を承知で申し込んだ(かつ何度も言うように仏政府の「ロックダウンの被害にあったアーティストへの収入援助」で去年はいつになく安定収入があったのでへっちゃらのチャラ。 僕が「あれ〜、こんなのあったの」と募集情報を見て思ったのは当然、今年が初年で、私は初めての美術家。ホストの旦那さんはフォークが好きでミュージシャンを主体にセレクト、サロンにピアノもギター機器もあるが、画家用のアトリエはない。応募した時はすぐにその場のインスピレーションでの新しい作品をスタートすることなど無理なのはわかり切っているので、島歩きをして気に入ったところの海水を採取できれば十分、作品はパリでという計画だった(これで許可してもらえた)が、地元の画家がアルシュの大判のアートペーパーをくれるという”アクシデント”があって「一つぐらい挑戦した方がいいかな〜」というプレッシャーがかかり、ちょっと苦労。「海水ドローイング」、要るのは墨と海水のみで超簡単に思われるが、紙を板にピンと張らねばならないし、紙質は違うし、温度・湿度が大影響を及ぼしすで、朝夕は湿度が高く午後はかんかん照りという状況で野外制作(墨がこぼれても構わないというアトリエスペースがないので 。紙を張った板も実はテラス用食卓テーブル)、これでは日頃のドローイングプロセス通りではうまくいかないのはわかり切っていて新たな対応に迫られたのだった。この条件下10日間滞在で大作一枚見せられる作品ができたなんて我ながらよく頑張った。フェースブック見て毎日ホビーの水彩画を描いていると思う人にはこういう苦労わかってもらえないかもしれないけど、ホビーは風景見て何も考えずにスケッチして「はい終わり」だが、「ホビー外」となると始終考えることがあって、実際に筆を手にしたのはスケッチより短いかもしれないけど「生みの苦労」本当に大変なんです。(それなりにうまく行った時の満足度は大きい)。まあホビーの方が人気あるけどね(笑)
「ドラマールの家」ではパリのロックダウンの所為で1ヶ月間延長してもらったが、「海水墨画」を描き出したからか今回はホストの方からもう少しいればという提案があり、天気予報が異常に良いので、一人暮らしするホストの義理の兄弟宅で3日間滞在延長、彼が大の料理好きということがあって買い物・料理の心配からも解放され完璧にバカンスさせてもらった。でも「牛ちゃん」を出した例のパリの展示を片付けねばならないので(他の人は今日した)、バカンスはこれで終わりで〜す:「本当のバカンス」は3日だけですのでくれぐれもお間違えなく。
以上TGVのwifiを使って書いたのですがFBとの写真とのリンクがうまくいかなかった。置いておくとその気がなくなってしまうので今晩はこのまま投稿します 。私のFBページはアカウントなくても見られますのでよろしく
これは島に二つある大観光スポットの一つ、モネが描いた岩壁です。「ホビーの水彩」で挑戦しようと思ったけど観光客が多くて気が失せました(写真の下の浜辺は誰もいないけど崖を下らないとアクセスできない)
<以下は翌日9/9の追記 | > |
これは人気ないけど自分では好き:腹が減って途中でやめたのが良かった
これが「趣味外」の現地制作海水ドローイング。温度湿度の激しい変化のために紙のテーピングが破れ、朝の湿度で大部分の結晶が消滅したけど、、、> 自分の感じた島の海岸の印象です
これが先の写真の場所のモネの絵 |
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