2021年9月24日金曜日

残された映画

本当は反時計方向90度回転
「夏はどうだった?」ときかれて「Belle-Ileに行ってきた」と言うのだけど、それは8月末。7、8月の大半は何をしていたのかと首を傾げてしまうが、考えてみると昨年秋に亡くなった岩名さんへの罪償い(?)で翻訳の大仕事をした。償いというのは銀座のフォルム画廊での個展で「芋虫」(右写真)を買ってもらいながら、1/22の投稿に書いたようにアトリエに保管したままにして生前にほとんど楽しんでもらえなかったという後ろめたさがあるからだ *

岩名さん(岩名雅記)は舞踏家なのだが晩年「パッション」であった映画を自主制作し出し、この夏前その長編映画全4作品が日本国立映画アーカイブの申し出により永久保存とされ、アーカイブで企画された「逝ける映画人を偲んで 2019-2020」に最後の完成作品「シャルロット・すさび」が選ばれるという、「なんで生前にそうならなかったの」と思う嬉しくもあり残念でもある大ニュースがあったのだが、彼は亡くなる前の2019年に長編の新作「ニオンのオルゴール」を撮影を初めていて、日本ロケは終え、昨年春にヨーロッパ部分の撮影の予定だった。だがコロナのために果たせず、そして昨年秋に急死してしまった。
こうしたなか奥さんやスタッフの努力で、プロデューサーがついてヨーロッパ撮影をして映画を完成させられるかもしれないという話が出てきて、日本語シナリオの仏訳が必要になったのだ **
 
シナリオの内容は明かせないが、今までに比べて一番「普通のストーリー」で、その意味訳しやすかったかな。そのため島に出る前にほぼ完成はしていたが、天気が悪い時はその仕上げをしてと思っていたらあら不思議、私の滞在中は島の気象観測史上の記録を破る好天気。だから結局先週やっとやり終えた(ホっ)
 
そして今は「ドラ・マールの家」の展覧会の作品撤去のためのTGVの車中。南仏行きTGVは他の路線に比べて一番景色が良い。晴天でブルゴーニュの田舎には朝の霞がうっすりとたなびいている。天気予報では今日明日のメネルブの最高気温は28度、最後の夏が楽しめそうだ。最近ついてるな〜(実際岩名さんのシナリオと格闘中の7、8月は概して天気が悪かったのだ)
 
 
 
* 注1:私のドローイングは10年ぐらい壁にかけて楽しんでもらえば元が取れるという想定で値段設定がされているのです(笑)

** 注2 :勿論私は「正しいフランス語」は書けないから岩名さんのお友達のフランス人女性に
これまたボランティアで校正してもらっています
 
 
 
 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿