人にいただいたアルデッシュの田舎土産のイノシシのソーセージ。豚に比べて黒っぽくてカチカチしている。食卓ナイフで切ろうとしたらこのとおり、ナイフが折れてしまった。やっぱりこういう田舎モノを切るには、よくフランス人が持っている小刀みたいなナイフでなければダメなようだ。今日は前回の続きとして「やっぱりちょっと考えてもありえないことがありすぎる」というテーマで書くつもりだったが、ミーハーブログに習い、これでおしまい
アートだけではありません。40年以上も住んでしまったパリから、役立つ展覧会案内、アトリエの日常生活、旅日記、それにフランスの政治社会問題など、色々とりあげる、美術作家、坂田英三の正直な主観的ブログです。 C'est un blog d'Eizo SAKATA, un artiste-plasticien japonais de Paris. Les articles sont quelquefois écrits avec son français : cliquez "bilingue" sur la colonne de droite.
スーパーのモノプリに買い物に行ったら、冬のバーゲンテーブルの一角に意外なことにワインが10数本並んでいた。白とロゼだけかーと思った中に一本だけ赤が。何と10年以上前のポムロル(Pomerol)。ポムロルと言えばボルドーの中でも有名な赤ワインの産地、私のような庶民の口には年に一度、クリスマスにおよばれでもしない限り口に入らぬワインの一つ、それが何と4.5ユーロ 「ええっ、値段の付け間違え? やったー」とすぐさま買い物かごに入れた。
小沢香織さんの作品(写真)と飲み物のキャップから作ったFrançois Riou(フランソワ・リウ)の昆虫の標本は、当然「ゴミ利用」で私と関係してくるが、ごたごたとした「廃物利用アート」が多い中で、すっきりと決まっているところが良い。先日も写真で紹介した狐の仮面をかけられた肖像画ほどではないが、京都の吉川あつ子さんの紙の簾は、作家の了承も得ず、奥の壁にキューピーの頭が据えられ、エイゾウナイズされている。それからガーナで拾ったベニヤに書かれた絵(これも1/4参考)、ネットで色々調べた結果、特徴的なスタイルからしてきっと
Twins Seven
Sevenと名乗るナイジェリア人作家のもの。ポンピドーセンターにも所蔵されている有名作家のようです!(興味があればリンクのサイトで絵と比べてみて
下さい。本人は他界しているので尋ねようがありません)
かくしてポンピドーと肩を並べたエイゾウ美術館の最後に紹介する所蔵品は、杉浦誠さんのワンブロックから削り出した四葉のクローバ。これはおそらく私の「技術力ゼロ」の作品とは全く関係ない。対蹠地の灯台の光の役割を果たしているのかも。
久しぶりに「野外インスタレーション」の企画書を書いた。おそらくほぼ1年半ぶり。ランドアートという言葉がフランスで流行になって、野外作品展が増えたのだが、多くは「アトリエで制作したものを現地に設置する」形式のものが多く、「材料すべて現地調」でアイデアも変わりうる私のスタイルの出番がほぼなくなって、、、という不満は何度か書いている。しかしこの応募は制作期間約1ヶ月、現地の資材を使うことも明記されているし、フランスでも日本でもない外国に行けるのも魅力。但し子供とのアトリエがあって、そうした教育経験を書かねばならないことになっている。「私、先生じゃないからねー。現地の先生と相談してやりますよ」と率直に書いたのでバツかなー? そうでなくても世界から3人だけだから難しそう、、、。まあダメ元で、神様仏様、、、そんな訳で昨日は写真のようにアイデアを探しつつ漫画デッサンを幾つも描きました。
それから前回のトマト食べましたよ 〜(写真:真ん中に三切れあるだけ!)。やっぱり太陽浴びていませんから、味はもう一つ、オランダ産温室栽培レベルでした。
夏から勝手にアトリエ前の中庭のツゲを取っ払っては花を植え始めた。土の状態は意外に良くミミズなんかもいて、パンジーとかツリガネソウとか、それからバラ、トマトも植えた。トマトは同じ建物に住むグルジア人が、お父さんの菜園(遠く中央アジア!)から来た種を彼が育て、その苗を2本貰った。それがもう7月末だったから実がなるかどうかは半信半疑だったが、夏が暑かった所為か苗はすくすくと伸び、9月にやっと花が幾つか咲き、10月には3つ実がなった(写真は10/8時点)。でも冷たい雨の降る秋で大きくならず緑のまま。どうなるか実験でそのままにしておいたが、11月に日本に帰る前に採った。採って置いておくと赤くなると言われていたが、1ヶ月して日本から戻ったら赤みを帯びていて、新年にはこんな風になった。どんな味がするものか、興味津々だか貴重すぎてなかなか食べられない。
実はこの中庭を団地の共同菜園にしたらどうだろう(最近住民の相互理解を深めるとかでパリでは流行で、住宅公団からの援助もあり得る)と隣人の幾人かに話したりもしていたのだが、アーティストの中には「芸術的菜園」にしたいという人やら、子供達の遊び場になったらうるさくて仕事ができないという意見やら、、、私の草花も一度心なき子供達にむしり取られた。私は人の意見を調停してなんてことには全く向いていないので、「応援するから」とも言われていたが、結局一人で細々と「不法栽培」を続けている。
クリスマスにパリに戻ってびっくりだったのは、入り口間近に立てかけられていた額の数々。一昨年前の南仏での展覧会を機に、今まで思ったこともないコテコテの額に自分のデッサンを入れる楽しみを覚え、絵の売買商(?)を営む隣人アーティストから要らない額を分けてもらっているのだが、彼のプレゼント?の沢山の大きな額が並んでいた。確かに帰国中留守を見てもらっていたGさんから、「どうします?」というお伺いメールが写真入りで来ていたが、その量を十分把握していなかった。
はじめはやっぱり「ゴミ箱行き」と思っていたが、パリも日本同様大きなものはすぐには捨てられない。かつ割れ物のガラスが入っている。パーティーもあるので大きさ別に分けて納屋にしまうかと作業しはじめて「何か合うのもあるかも?」と昔の絵や版画を物色し始めた。というわけで幾つか古い作品が「復活」!
アトリエ奥には一昨年のLギャラリーの個展でも飾った「英象ババール」、「不思議の国のアリス」の悲しき「亀もどき」の話のパロディーの「英三日本もどき」(2002年)が貰った額に見事ぴったり。奥には名古屋のLギャラリーの作家の小沢香織さんの作品がぶら下がり(よく見えませんけど)、その奥には20数年前に友達の子供がくれたアルデッシュ川の流木がかかっています。![]() |
| これは始まりの頃かな〜 もっともっと人が増えた |
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| その後シャンパンも一杯開いて、、、 |
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| 謹賀新年、日はまた昇る。今年も宜しく |