2014年12月12日金曜日

グランパレのハイチ

手前がGeorges Liautaudの彫刻
シャンゼリゼに行ったのはグランパレでのハイチの歌手の無料コンサート。

グランパレは北斎の素晴らしい「超」大回顧展と、これも何故か大人気のニキ・ド・サンファールの回顧展(行っていません)と思っていたらハイチのアートの展覧会をやっていると言うではないか。そこでサイトをみたらコンサート情報がおそらく直前だったので一面に出て来た。James Germain、全く知らないミュージシャン(スタンダードなジャズ・ポップ系)でしたが「これが無料で聴ける?!」と驚くほどの歌唱力のある実力派だった。かつ南国の人は陽気で、、、!!!

メインの展覧会の方はどうかというと、ヴードゥー教的なシャーマニックなナイーブ系のアートが並ぶはずと期待していたが、何か面白くなかった。小さいスペースに植民地時代の肖像画や80年代のニューヨーク絵画シーンの寵児だったバスキアウィキ(父がハイチ系移民)まで色々混ぜ過ぎなのかなとも思ったが、その二つは他よりも私の眼を引き、逆に70年代にアンドレ・マルローウィキが絶賛したサン・ソレイユ(Saint Soleil)グループなどのナイーブ系のほうが久しぶりに見てインパクトが欠けて感じた。

いい線行ってると思ったら作者不明
よく書いているように最近アウトサーダー・アートが大流行り。しょっちゅう見ているので素人絵画的な作品に飽きが来たところもあるが、考えてみるとサン・ソレイユ・グループ、そのずっと以前、40年代にアンドレ・ブルトンに評価されシュールレアリストに含められたHector Hyppolite1894-1948、そしてこれも良く引き合いに出す「大地の魔術師」展参考投稿でも紹介された金属彫刻のGeorges Liautaud(1889-1991)らの造形はあくまでも素朴で、近年の強迫症、偏執狂的なアウトサーダーとは趣を異にする。つまり現代アート界が望むアウトサーダーは後者なので、私もその傾向に少しは染まっているようだ。と反省しつつも、私の総合評価は、そうですねー、ステージから「是非見てくれ」と言っていたJamesさんには悪いけど「わざわざ見に行くほどでもない」でしょう。

2月15日まで

0 件のコメント:

コメントを投稿