トゥールに行ったのはノルウェーのアーティストのペール・バークレイ(Per Barcley)の鏡面インスタレーションを見る為だった。建造物の床に黒いオイルを引きつめて、それが鏡となって空間全体が映る。パンフレットによれば89年以来、小さな部屋から巨大な工場跡や宮殿の間など、40近くの様々な箇所で制作されたらしい。何度も雑誌などで目にしたことがあるが本物は見たことがなく、ユー島へ行く道で丁度よい機会かと途中下車した。
さてその本物の印象は、、、「想像以上でも以下でもなかった」:失望もしないがあっと驚くこともなかった。
面白かったのはインタビュービデオ。いかにも現代アーティスト風で、難しい話をするのかと思って見始めたところ、随分率直で正直な話が飛び出してびっくり。というのも私は「ノルウェーは石油産国だから黒いオイルは原油で、、、」という話をどこかで読んだ覚えがあり、それも大きなコンセプトと思っていたら、黒いオイルはウリの種かなんかの植物油。床面に先ず水を張りその上にオイル、その層は1センチぐらいだそうで、、、。オイルの鏡面を初めて作ったのは自分の彫刻を見せるための工夫だった。それが独り立ちし、、、。黒面だけでなくミルクやワインで作ったり、、、。
かつ彼は自分が彫刻家であることを強調し、この油の鏡面インスタレーションも、インスタレーションではなく撮った写真が作品と主張。実際にはこのインスタレーションで世界的に知られているので、意にそぐわず? 「売れっ子アーティスト」の悲哀を感じないでもないですね〜(笑)。
私はベトベトの原油だと思い込んでいたから、表面が塵で汚れてしまうのではという疑問も「本物詣で」をした理由だったが、さらさらの植物性オイルの表面はきれいなもの。毎朝掃除するそうです。
ノルウェーのデブレ画伯 |
地下ではリー・ウーファンのインスタレーション。いつものようにアジア哲学していて(困)、、、「説明無用」と彼自身が言っていますのでノーコメント(笑)。
注意:ペール・バークレイの展示は9月3日、リー・ウーファンは17日で終わっています
0 件のコメント:
コメントを投稿