前々回のカルチエ財団の展覧会の投稿で「15分のために15€!」と答えた女性に私が推薦したのはパリ市近代美術館のトワイヤン Toyen 展。彼女は見に行ってごく満足、感謝された(笑)。
この展覧会はかなり私のお気に入りで実は5月に行ったのだが携帯を忘れて写真が撮れず、かつヴェニスの女性シュールレアリスト展の投稿時に予告しながらずるずると遅れ、そのため最近もう一度見に行ったが、またまた大満足だった。でも女性シュール‥の時に紹介した3分でわかる美術史ブログのトワイヤンでは「作品もあまり個性的ではありません」と否定的な厳しい評価を下されているのだが、イマジネーション+技術力で全くそんなことないと私は思う。チェコの同胞ではなくエルンストとかシュールレアリストの中心にいる男の恋人になったらもっと有名になっていたと思うな〜(でもあいつら面喰いが多いから、、、)
まあそんな下世話な推測はさておき、トワイヤンは1902年チェコで生まれ、プラハのシュールレアリスム運動の中心で活動、戦後47年に共産主義国家を逃れてパリに移住、80年にパリで亡くなった(日本語ウィキで詳しいのでご参考に)。彼女の作品の核は「性」でチェコ語に翻訳したサドの「ジュスティーヌあるいは美徳の不幸」に挿画を描いた頃以降、女性、鳥、魚、猫、狼、貝、闇、霧、壁、漠なる地平などがモチーフのいわゆるシュールレアリスム絵画を描くようになり、時代とともにイメージを更新しつつ最後までそれを貫いた。それができるほど彼女のイマジネーションは豊かだったと思うし、確かな線で捉えるデッサン力がそれを支えた。第二次大戦中隠れて描いていたデッサンは秀逸だ。
ではそこから始めましょう。39〜40年の「射撃 (Tir) 」シリーズ(ウィキに石版画と書いてあったが???)
これもインスタレーション用?
「Avant printemps (春前)」45年 |
パリでも得意なモチーフをデッサンして新たな構想を練った(48年)
それがこんなになって?(鏡像的なのも彼女のテーマ)
「Nouent et dénouent (結んでと開いて)」1950年 |
縦長、横長、いろいろなサイズでシュールします
「La dame blanche (白い婦人)」1957年 |
「Enfouis dans leurs reflets (反映に埋もれて)」1956年 |
「Ils me frôlent dans le sommeil (私の眠りにかすめる)」(部分) 1957年 |
こんなソファー作れば売れそうではないでしょうか
「Les affinités électroniques (電子親和性)」1970年 |
そして最後は可愛いいエロティシズム。この歯磨きチューブも作れば‥と思うが今やMe tooで✖️でしょう
これで懸案のトワイヤン終了! 24日までだしバカンスだしでもう行ける人いないでしょうから今日はごく丁寧にガイドいたしました。これで私も来週から心置きなくエルベ島流しに甘んじることができます(一応仕事ですよ〜)
写真、ビデオもある近代美術館のトワイヤン展サイト
追記:この展覧会、延長にもならない、つまりあまり人気なさそうなんだけど、ポスターのイメージの選択を見事にミスったからじゃないかな〜(3月に始まったのに私も最初は全然行く気がなかった)
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