フランス人にはなぜか80年代から人気のある画家のガルースト、人に推薦されるけど「見ないで批判はできないか」とポンピドーセンターに出かけたが、やっぱり嫌いなことを再確認(僕の嫌いな人物の描き方をし、僕の嫌いな色使いをし、神話、聖書、ユダヤの律法などを題材に謎めかせる。イヤダイヤダ)。私が無教養だから理解できないのかな? というわけでこれをあっという間に通過してしまったから、ついでに横で開かれている Christian Marclay(クリスチャン・マークレー)の回顧展を見たらこれは「教養なくても」見られて(笑)とても楽しかった。
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これはやっぱりロマンチックな音楽かな? |
マークレーは大の音楽ファン(ロック系)で私と同じ年代だというのは明白。というのは「彼の素材」は知っているものが多くて:33回転のレコードのジャケットを組み合わせて新たな「想像上のレコードジャケット」(音楽を想像してくださいってこと)を作ったり、レコードを使ってノイズ・ミュージックを作ったり、懐かしのカセットテープの茶色の磁気テープを編んでオブジェを作ったり。それから漫画の叫び声とか爆発音とかのあるコマを貼り合わせて楽譜を作ったり(パーフォーマーはイメージに合わせて声を上げるらしい)。数々の映画の電話の場面やドアの開け閉めの場面を繋いだモンタージュ作品とか、なかなかセンスがよくかつ笑いを誘う。
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こういう楽譜なら私も貴方も歌えそう? |
「バカなことばかりやって〜」 と思うが、作品が美術館などからの注文が多く、あれれれ? 知らないと思っていたけどよく考えると作品あちこちで見たことある。でも一作を見るのでなく、ビデオ、フィルム、オブジェ、絵画などこうしてグローバルに見せてくれると彼の思考(志向)の全体像が見えて印象深い。
「バカなことばかり」(Fluxusとの関係が深いけどノリが軽い?:いい意味で)に見えてもエレキギターを車で引っ張りまわした映像(Guitar Drag, 2000)はアグレッシブなノイズ系ロックのパロディーかと思いきや、実は1998年に某黒人が撮影現場近くでこうして殺されたというおぞましい事件をテーマにしており、また10個のスマートフォンが映し出す画像(All Together, 2018)はアプリSnapchatのエンジニアと組んで投稿される画像をフィルター&分類して作ったとか、説明を読むと一層興味深くなる。
展覧会を見た後には都会の雑踏もそれなりに楽しく聞こえてきますよ😀
2月27日まで。ビデオはインスタ@eizo_eyesに載せます(記事の下にもリンクあり)
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これは漫画から興した画像を木版画にしたムンクの叫びへのオマージュ |
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バリバリレコード |
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やっぱり私と一歳しか違わなかった | |
参考
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