他にも間違えなさそうと思った、ブランデンブルグ協奏曲でのリプリーズのケースマイケル(以前の投稿)もひたすら眠たかったし、でもこれはほぼ天井桟敷の席だったからかもしれないが、日本大使夫婦と隣席するような特等席で見た 杉本博司も美しいけど紋切りで大枚叩いた甲斐はなかった(大使はどうせ招待だろうからうらやましい。冬に来た「能」の時も開幕寸前にさっと移動して座った特等席でも大使がいたので、ひょっとしたら本当にお好きなのかもしれないけど(???笑)。これはパリのホールに能楽堂が組み直されていただけでもちょっと感動ものだったが、私には「能」は良し悪し判断不能なので「失敗チョイス」のうちには入っていません:)
加えて月曜日にカルチエ財団で素人芸をお友達に見せているような代物を見させられ(これは知り合いが行けなくなって券をもらったので実害はないけど)、舞台はもう勘弁とおもっていたところ、先日新鮮に感じるダンスを観た!
といっても展覧会の中の2分間だけのプロジェクションで。
これです。
La Minute de silence d'Ohad Naharin from Théâtre de Chaillot on Vimeo.
展覧会そのものは "Le Silence du Mouvement"(運動の静寂)というタイトルでパリの北東20区の区営アートセンター Pavillon Carré de Baudouin で開催中、これがなかなかレベルが高くびっくり。全体にはキネティック・アート的な作品が多かったが、円板が陰から陽に映るDamien Bénéteau の作品は仕掛けが分かっても見飽きないし、単純に見えるがそれほど単純ではない小さな小石が沢山天井から吊り下がってビジターが操作して動かす南ア出身のJustin Fiskeの作品はまさに「運動の静寂」(この二作、画像でも紹介したかったのだがビデオにすると面白くなくて、、、)。ドイツの Karina Smigla-Bobinskの 天井、壁に木炭のトレースを残すヘリウムバルーンは子供はもちろん私も楽しめた(楽しすぎてあまり静寂ではなかったが☺︎) アルゼンチンの Gladys Nistor も巧みに動と静の虚構を構築している。我が祖国(笑)を代表して仏在住の理科大出身の異色作家、砂川さん(Haruhiko SUNAGAWA) がテーマと経歴にふさわしい数学的作品を出品。加えて以前は20区のアーティストの展示が多かったように思うこのセンターでかくなる国際的展示(ビデオのダンスはイスラエルのコレグラフィー)を企画したのが Eko Sato という日本名の人でびっくりした(パリ生まれのハーフとのこと=面識ありません)。
この20区に隣接する郊外のモントルーユ市はアーティストのアトリエの多い街として有名だが、ここに1年前にできた Centre Tignous ではモントルーユで制作する5人の女性アーティストが「考える素材」なるタイトルで展示中。文字通り素材がテーマなので金属、石、土、紙の彫刻家がメイン。次の写真はそこでの一風変わったファンタジーがあるMonica Mariniello 陶の彫刻。
以上の2つのセンターは公営で入場無料。ともに下町と言える地区での文化政策、立派だと思う。3月に紹介したが20区にはこれは私営財団だが2014年以来Espace Monte-Cristoもあるし、意外にパリの東は充実している。同じ東でも私のいる13区はセーヌ河の南側で市長さんは「ストリートアート」一辺倒だからなー、悲しい(以前に書いたようにストリートアートは時代の潮流であっても芸術的創造性はあまりみられないと思う)
注:ヨーロッパの大都市は(何故か知らないが)概して中心から西に向けて、いわゆる「山手」が広がる傾向が強く、パリの美術館などは中央から西にあると思っていい。東は下町で小さな工場などがあったところにアーティストが住み着くようになったが、最近は不動産の値上がりでお金持ちがそれをロフトにするようになってきた。
今回は写真はインスタにリンクして簡単にと思ったらなかなかやりにくいことがわかった。もっと作品写真を紹介したかったのですがこのまま公開します。
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